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2023.10.21

【観戦記】23年第30節:浦和 2-0 柏 ~ 極上の5分間と塩漬けの85分間と

 三回しかない決定機を二つも決めて勝った点では浦和らしくない試合でしたが、どんな形であれいったん点を取ってしまうと鬼強い点ではいつもの浦和らしい試合でした。

《スタメン》

 浦和はルヴァンカップ準決勝から中4日。柏は天皇杯準決勝から中11日と、コンディション面で大差がある一戦。
 
 浦和は出場停止のカンテに代えて興梠をスタメン起用した他、早川→大久保、安居→伊藤、髙橋→酒井とスタメン4名入れ替え。
 
 試合前の会見でスコルジャは「私にとっていい状況と言えるのは、怪我人が戻ってきているということです。先日の試合では大久保も出ましたし、次の試合で復帰する選手もいるかもしれません。」と語っていましたが、故障明けでベンチ入り出来たのはリンセンのみ。U-22代表米国遠征明けの大畑がベンチ入りしたのには驚きました。

 柏は天皇杯から細谷→小屋松、サヴィオ→山田雄、片山→土屋とスタメン3名入れ替え。浦和からレンタル中のCB犬飼が契約上出場不可な上にSHサヴィオが出場停止。また柏唯一の得点源FW細谷はU-22代表の米国遠征帰りなのでコンディションが良くないのか、ベンチスタート止まり。

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《試合展開》

 昼間強い南風が吹き荒れていたせいか、浦和はコートチェンジして風上を選択。しかし、キックオフの頃には試合に影響を与えるほどの風は吹いておらず、コートチェンジはほぼ無意味に。
 
 共に可もなく不可もない試合の入りでしたが、4分プレスバックしてきた高嶺と交錯した関根が傷み、しばらくはプレー続行していたもののやはりダメで、8分に髙橋との交代を余儀なくされるアクシデント。

 浦和守備陣はこれで集中が切れたのか、9分西川のロングキックを右SB土屋がヘッドで跳ね返したところから始まる柏の攻撃に対して岩尾が自陣深い位置でこぼれ玉を拾うどころか空振りする大惨事。柏はここぞとばかりに人数をかけて攻めに出て最後は右SH戸嶋がシュートを放ちましたが、ここは西川がセーブ。傍目には大ピンチでしたが、試合後西川は「角度も限られており、うまく誘い込んだ」と話しており、西川目線では何の問題もなかったみたいで。
 
 15分くらいから浦和がボールを握る時間帯が長くなってきたものの、ミドルゾーンに4-4-2の守備ブロックを敷く柏に対して完全にボールを持たされている状態。興梠や酒井に何度か柏最終ライン裏を狙わせているが、全く形にならず。24分にはマリウス→荻原へのパスをカットされてカウンターを浴び、バイタルエリアからどフリーで高嶺にミドルシュートを撃たれましたがわずかにバーを超えて事なきを得ました。
 
 あまりの惨状を見かねたのか、スコルジャは小泉と髙橋のポジションを入れ替えて多少はマシに。36分好位置からの岩尾FKはGK正面。40分荻原クロス→ニアで興梠ヘッドでついに決定機を掴むもシュートは僅かに枠外。

 残留争いから抜け出しきれない柏はこの試合引き分けでも何ら問題はないのに対し、優勝どころから2位でACL出場権を掴むためにもこの試合勝たないと先がない浦和は、後半頭から興梠に代えて安居を投入して、髙橋をCFへ。前線のプレス強度が一気に上がる等この交代はかなり効果があって、浦和の攻撃陣が急に活性化。

 そして53分右サイドから酒井縦パス→大久保がワンタッチでスルーパス→ボックス内に突入した安居のシュートはいったんGK松本にセーブされるも、ゴール前に走り込んだ小泉が詰めて浦和先制!!小泉はこれが今季リーグ戦初ゴール。

 さらに57分伊藤の縦パスを受けた大久保がドリブルで運んでから小泉→荻原とパスを繋いで左へ展開し、フリーでボックス内に突入した荻原が角度の厳しいところからGKのファーをぶち抜いて追加点!!荻原は浦和復帰後初ゴール。小泉は荻原にファーでフリーになっている酒井を使って欲しかったようですが、今の浦和ではそのひと手間が仇となりがちだからなぁ(苦笑)。
 
 2点ビハインドになった柏は61分椎橋→仙頭、小屋松→武藤、戸嶋→川口の三枚替えを手始めに、70分には切り札細谷、78分には長身のドウグラスとやたらFW登録の選手を投入し、時に3トップ気味になって反撃を試みましたが、サヴィオ不在が響いてかビルドアップがままならず自陣に4-4-2で構える浦和守備陣を全く崩せず。選手投入毎に帳尻を合わせるかのようにポジションを変える武藤が哀れ。
 
 とにかく細谷を入れようが、ドウグラスを入れようが、そこまでボールが行かないんだからどうしようもありません。柏の後半のチャンスらしいチャンスは77分左SBジエゴから右へ右へとボールを運んで川口シュートで終わった場面くらい。それも駆け戻ってきた小泉が気になったのかシュートは大きく枠を逸れてしまいました。CKからのヘッドも屈強な浦和守備陣に阻まれて良い態勢で撃てないせいか、全く枠に飛ばず。
 
 浦和は全く無理することなく、エカニットやリンセンの試運転を挟みながらひたすら時間を消費して楽々逃げ切り勝ち。DAZNのスタッツだと柏の枠内シュートは1本だけ、すなわい9分の戸嶋だけだったようで・・・

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《総評》

 負け試合数は首位神戸と同じ5なのに、やたら引き分けが多いのが祟って神戸との勝ち点差は8。特に攻撃面で見るべきものがない浦和は下位チーム相手に往々にして引き分けに終わってしまう試合が多いのが痛手。引き分け狙いでも何ら構わないとばかりに守備的に構える相手を「とにかく大迫頼むで攻撃」でこじ開けてしまう神戸との差がここで開いてしまったようです。
 
 この試合も前半を見る限りではまたしてもその弊に陥ってしまうような気がしてなりませんでしたが、終わってみれば全く危なげない完封勝利。三回しかない決定機を二つも決めて勝った(しかも共に複数人が関与しての流れの中からの得点!!)点では浦和らしくない試合でしたが、どんな形であれいったん点を取ってしまうと鬼強い点ではいつもの浦和らしい試合でした。
 
 浦和は首位神戸や勝ち点差4の2位横浜Mを抜いてACL出場権を得るためにもとにかく残り5試合を勝ちまくって、神戸&横浜Mがコケるのを待つしかない立場。でも、だからといって前半からリスクかけまくりで遮二無二勝ちに行くようなことはしないんだよなぁ。前半はスコアレス上等。後半勝負(さすがに関根の負傷は計算外だったでしょうが)。そして後半放った興梠→安居の勝負手がいきなり効くんだから、そりゃ監督冥利に尽きますわ。今日も今日とてスコルジャの慧眼には恐れ入りました。
 
 日程スカスカの首位神戸はともかく、2位横浜Mは浦和と同じACL組で、しかもCBを中心に最終ラインに怪我人が続出した模様。一方浦和は関根が負傷退場したものの、怪我人が続々と戦線復帰中。横浜Mを抜いて2位に躍り出るシナリオに現実味が出てきましたが果たしてどうなることやら?

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《選手評等》

・試合後スコルジャは髙橋を絶賛。「今、利樹がやっているように、複数のポジションでプレーできる選手は、私は好きです。彼は大きなハートを持っている非常に勇敢な、相手のセンターバックに対して戦いを挑める選手です。そして選手として非常に大きく成長していますので、一緒に仕事ができてうれしく思っています。浦和レッズの将来を担うことができる選手になれると思います」とベタ褒め。

・本職のポジションは競争相手がきついので、それ以外のところで起用して伸びしろを図るという意味では安居と髙橋は同じコースを歩んでおり、安居が先に結果を出し、高橋がリーグ戦終盤になって急激に台頭してきた感じでしょか。U-22帰りの大畑が途中投入されたポジションが左SHだったのもこれまた「本職ではないところでの起用コース」なのかな?実際今の大畑は守備固めで入れるほど守備に信頼は置けませんし。

・だが髙橋の持ち味が出るのはやっぱり本職のCF。最前線で身体張りまくり、チェイシングしまくりで泥臭さマシマシ。シュートは撃ってない気もしますが(苦笑)、この試合は後方の選手が点を取ってくれたので、それで十分。1点目は柏守備陣を引き連れて、小泉が走り込むスペースを開けるという地味な仕事もしていましたし。

・出場停止という意図せざる形で休みをもらった酒井でしたが、状態は依然として芳しくありませんでした。酒井を高く押し出す攻撃は守備に全然戻れない現状を勘案すると収支が合っているようには見えないんだがなぁ。正直コスパがめっちゃ悪い選手になってしまった気が。ただこれでも明本不在中はとにかく代わりがいないので出さざるを得ないのでしょうが・・・

・関根の負傷退場は大誤算。そんなに激しい交錯ではないように見えましたが、関根も明本や大久保同様無理使いが祟って故障コースなのかなぁ・・・

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-----興梠-----
小泉---関根--大久保
---岩尾--伊藤---
荻原-マリウス--ショルツ-酒井
-----西川-----

(得点)
53分 小泉
57分 荻原

(交代)
8分 関根→髙橋
HT 興梠→安居(安居トップ下、髙橋CFへ)
76分 大久保→エカニット(エカニットトップ下、安居右SHへ)
88分 小泉→大畑
88分 髙橋→リンセン

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--小屋松--山田康--
山田雄-------戸嶋
---椎橋--高嶺---
ジエゴ-古賀--立田-土屋
-----松本-----

(交代)
61分 椎橋→仙頭
61分 小屋松→武藤
61分 戸嶋→川口
70分 山田康→細谷
78分 高嶺→ドウグラス

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