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2024.01.21

明本考浩選手 OHルーヴェンへ期限付き移籍

 昨日(1/20)明本考浩選手のOHルーヴェン(ベルギー1部)への期限付き移籍が公表されました。
 
 明本の移籍話はその予兆もへったくれもなく、1/13に公表された「2024シーズン トップチーム選手背番号」の下の方に「明本考浩選手につきましては、海外クラブと移籍交渉を進めているため、決定次第発表いたします。」と小さく記されていたことで突然明るみになるという衝撃的なものでした。
 
 当然ながら浦和番記者は慌ててその真相を探る羽目になり、翌日スポニチ&報知から「ベルギー1部・ルーベンへの移籍が濃厚となった」と具体的な行先が判明。荻原と違ってその後もさしたる続報もないまま、正式発表となりました。
 
 期限付き移籍期間がなぜか2024年6月30日までと非常に短いのが少々不可解(契約期限切れに伴って無料で借りパクされるのを避けたのでしょうが)ですし、買取オプションが付いているのかどうかも不明です(ルーヴェン側の発表によれば、買取オプション付きのレンタル。行使となれば3年契約を結ぶ模様)。
 
 当然ながら買取オプション金額も全く判りませんが、明本の実績からすれば先日ディナモ・ザグレブへ期限付き移籍となった荻原の買い取りオプション金額=50万ユーロ(約8000万円)を上回るのは間違いないでしょう。
 
 なおルーヴェンとはあまり耳慣れないクラブですが、2002年に3クラブが合併して設立された新興クラブで、2017年にプレミアリーグのレスターシティ(タイ資本)に買収されたようです。元鹿島のCH/CB三竿健斗が在籍中。

Akimoto

 
 明本は2021年に栃木SCからの完全移籍加入。レフティーのアタッカーで栃木では主に4-4-2の2トップの一角に入って2020年には7得点。当然ながら浦和でも前目での起用を想定して獲得したものと思われ、実際2021年シーズン序盤はSHなりトップ下なり前目で起用されていました。
 
 ところが左SBで鉄板のレギュラーだった山中のあんまりな守備を気に病んだのか、リカはルヴァン杯で明本左SBを試行しはじめリーグ戦第12節福岡戦ではついに明本を左SBでスタメン起用。これが浦和における明本のキャリアの転機となり、以後明本は3年に渡って左SBの一番手であり続けました。もっとも明本はリカに「出来るポジションは?」と聞かれてつい「左SBも」と言ったにすぎないという話も(苦笑)。でも人生何がきっかけで良い方に転ぶか判りません。
 
 明本はなにせ山中とは全く持ち味が違いすぎ。小柄なのに体幹がやたら強く、対面の相手を吹き飛ばしながらドリブルで前方進出する「パワー系SB」って浦和では過去あまり見かけなかったかも。小柄の割りには空中戦も強い。また何といっても攻守の切り替えが早くて、守備時には山中の3倍速で戻ってくるのが実に心強かった記憶があります。もっとも如何せん本職ではないのでSBとしては高精度クロスやカットインからの敵陣強襲といった攻撃面には多くを期待できないものの、とにかく無尽蔵のスタミナを活かして何度攻め上がろうとも守備で大穴を開けず、一対一にも強い守備面がリカにもスコルジャにも高く評価されたものと思われます。
 
 2023年ACL決勝では第1戦序盤に完璧にやられていまったものの、その後は対面の相手を文字通り完封。ACL優勝を手繰り寄せる立役者の一人となりました。
 
 また明本がとにかく色んなポジションをこなせるのも両監督に高く評価されたことでしょう。FWや2列目はもともと本職で出来て当然でしょうが、酒井の故障に悩まされた2023年はなんと右SBでスタメン出場する機会も増えました。試合中にポジションが変わる、しかも複数回変わることも珍しくなく、監督から見れば「足りないところに明本と書けばOK」みたいな起用法に。
 
 それゆえリカもスコルジャもついつい明本を酷使しがちになり、超過密日程だった2023年の終盤はとうとう明本が戦列を離れがちになって、浦和の失速の一因になってしまいました。複数のポジションが出来る選手を欠いてしまうと複数のポジションに穴が開くという悲しい事例でした。
 
 明本は栃木出身かつとにかく見た目が「北関東にありがちなヤンキー」そのまんま。しかもその見た目通りに瞬間湯沸かし器系の気性難で、2022年ホーム神戸戦では明本を止めようとした小林の悪質な行為ににブチ切れてなんと小林の喉を突き飛ばしてしまい、当然ながら一発退場。ただヤンキー気質は外国人選手には受けが良かったようで、外国語を勉強している風でもないのに謎のコミュニケーション能力を発揮して案外仲良しという不思議な側面を持ち合わせていました。

 浦和は明本、荻原と昨季の左SBの一番手、二番手を今オフで立て続けに失う羽目になり、完璧と思われた今オフの補強で画竜点睛を欠く格好に。しかも左SB三番手だった大畑はパリ五輪関連でちょろちょろ離脱する可能性が高く、浦和が慌てて宇賀神を岐阜から呼び戻したのも納得です。
 
 移籍マーケットはまだ開いているとはいえ国内では各チームとも選手編成は終わっていて明本レベルの左SBを国内から調達するのは至難の業。外国人選手も既に6人いるので、これ以上増やすのもあまり現実的ではありません。よってヘグモ監督は早くも沖縄キャンプで渡邊を左SBで使い始めたようですが、果たしてどうなることやら。
 
 後任を探してくるのが難しいタイミングでの離脱という点では昨季の松尾と同じ、かなりチームに迷惑がかかる格好での移籍となってしまいました。しかし、明本は3年もの長きに渡って浦和の主力中の主力として文字通り粉骨砕身、全身全霊で頑張ってくれましたし、天皇杯&ACLとタイトルももたらしてくれました。浦和でやるべきことをやり尽くしての移籍なので、最後はちょっと我儘でも良いかな、とにかく半年で結果を出して相手に高値で買い取ってもらえるよう頑張れ!!と素直に応援できます、個人的には。

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