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2024.08.28

酒と泪とヘグモ監督とFB本部

 リーグ戦38試合中26試合を消化した時点で勝ち点26(9勝8分9敗:得失点差+5)の13位(2試合未消化)。直近の湘南・京都・札幌・鳥栖との残留争い組との4連戦は勝ち点わずか2に終わり、「J1リーグでの優勝」というFB本部が掲げる短期目標に遠く及ばないどころか、残留争い行きが見え隠れする成績しか残せなかった以上、ヘグモ監督が更迭されるのは仕方ありません。夏の中断期間前までは内容も多くの試合でズタボロでしたし。

 ただ前稿「ヘグモ更迭&スコルジャ再招聘」で記したように、試合内容に改善が見られつつある中での更迭劇だったのには心底驚きました。

 またヘグモの大失敗はヘグモ個人の問題もさることながら、FB本部との思惑のズレに起因する面も相当あったような気がしてなりません。

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 「FB本部との思惑のズレ」を具体的に示したものとして、鳥栖戦の前の会見(8/5)でヘグモが「レッズに来たとき、クラブとして最もやりたかったことが攻撃の発展でした。ですので、スタートから攻撃により時間を割くようにしました」と語ると同時に「私も基本的にどのチームに行ってもまずは守備から始めます。そこで堅固なプラットフォームを作ります。」とも語っていた件が挙げられましょう。とにかくこの会見は衝撃的でした。

 8/27の堀之内SDによる「ファン・サポーターのみなさまへ」という声明文の中で「2024シーズンは、前年度までに構築した強固な守備に、攻撃面での改善を上乗せする」「昨シーズン表現できていた強固な守備と、今シーズン強化された攻撃とを高次元で結びつける」というFB本部の意図が繰り返し述べられています。しかしあの会見から察するに、FB本部の意図の実現過程でヘグモが本来得意とするチーム作りが歪んでしまった気がしてなりません。

 スコルジャは低めの位置に堅固な守備ブロックを築き、「とにかく失点しなければどんな相手でもワンチャンある!」というスタイルでACL優勝を導きましたが、当然ながらボール奪取位置が低いので点が取れずにやたらスコアレスドローが多い。しまいには「PKかカンテの理不尽じゃないと点が入らない」という惨状に陥ってしまいました。

 「クラブとして最もやりたかったこと=攻撃の発展」を実現すべく、ヘグモは「ボール奪取位置が低い」点にメスを入れようとしたのか、基本4-1-2-3の終始前がかりっぽい布陣でハイプレスをかけて高い位置でボールを奪う方向に転じようとしました。ところがこれが大失敗。良い形で高い位置でボールが奪える場面なんて滅多になく、あっさりハイプレスを交わされてスカスカの自陣を蹂躙されて失点の山を築くだけに終わりました。

 シーズンも終盤になろうかという時期になってようやくヘグモもその愚に気づいて、鹿島戦ではまるで昨季に戻ったかのようにリトリート主体の守備に戻り、川崎戦ではハイプレスと守備ブロック形成のバランスすら良くなったように見受けられました。ひょっとしたらヘグモが最初からこれをやっていたらずっとマシな成績が残せたのかもしれない。FB本部が下手にヘグモに注文をつけたのがそもそも失敗だったのかもしれない。そんなモヤモヤが残った状態でヘグモは解任の憂き目にあってしまいました。

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 ただヘグモ個人が監督として相当残念だったのも確か。コロナ禍で予算がなくて「J2オールスターズ」で我慢せざるを得なかったリカ、誰がどう見てもCFが足りないのにCFの補強が遅れ、夏の補強は実質的に皆無だったスコルジャと比べるとヘグモはオフに相当補強してもらったはず。補強が質的に物足りないという意見もありましょうが、質的にも量的に物足りなかったリカやスコルジャよりはずっとマシだったはず。なのに結果はこれ。

 結果が出なかった主因はなんといっても大量の怪我人発生。「戦術的プリオダイゼーションに基づいたトレーニング」が何なのかよく判りませんが、試合での相手との交錯みたいな不運な故障ではなく、トレーニング中にいつの間にか故障していて、しかもなかなか復帰しない選手がやたら目立ちました。大久保や中島のように故障明けの選手を試合に出したらまた故障という例に至っては残念にも程がありましょう。

 ヘグモはチーム作り(特に守備面)が進まない理由に「試合に出るメンバーがコロコロ変わる」ことを上げていましたが、それは自業自得の側面があるのであまり同情できません。そしてそんなヘグモもようやく日本の気候や風土に見合ったトレーニングを会得してきたのか怪我人が激減してきた、その矢先に更迭されるとは・・・

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 そして「2020シーズンのフットボール本部立ち上げ以降、約4年半の間に4度目の監督交代」という大失態を演じたFB本部。2020年大槻監督続投という判断自体が謎で、そこからずっとボタンを掛け違いつづけ、2023シーズンにスコルジャまさかの退任というアクシデントも重なって失態に次ぐ失態の連続。今季は西野TDのトンズラという不測過ぎる事態も重なって浦和名物の迷走はまだまだ止みそうにありません。

 「2024シーズンは、前年度までに構築した強固な守備に、攻撃面での改善を上乗せする」仕事をスコルジャが出来るのかどうか。単に2023シーズンの好成績を評価して「スコルジャが戻れそう」という話に飛びついただけではないのか?? 浦和FB本部がやることだけに些かどころか、非常に心配です。

 好々爺然としていて、会見では正直すぎるくらい喋ってしまうヘグモ。女子チームも気にかけてくれたヘグモ。負けても審判や選手など他者に責任転嫁しなかったヘグモ。浦和での挑戦は大失敗に終わってしまいましたが、人柄は極めて良さそうな方だけに今後の成功をお祈り申し上げます。

 でも「いけすかねえ野郎だが、あいつの言うことちゃんと聞いてたら勝つんだよ!!!」という監督であって欲しいんだよなぁ、正直・・・

 

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