【DAZN観戦記】25年第10節:町田 0-2 浦和 ~ やれば出来るじゃないか!!
スタメン選考からデザインされたセットプレー、対町田の守備、カウンター主体の攻撃、ボールを握りながらの逃げ切りとやとやることなすことすべてが順回転して町田にほぼ何もやらせない完勝でした。
《スタメン》
浦和は前節福岡戦からサンタナ→サヴィオ、松本→グスタフソンとスタメン2名入れ替え。公開練習時に別メニューと伝えられていたサンタナはいきなりベンチ外に。またグスタフソンがスタメン復帰した代わりにベンチスタートになったのが松本なのには驚きました。
サブは早川が外れて、荻原と大久保がベンチ入り。
町田はルヴァン杯甲府戦から中3日ですが、ルヴァン杯ではその前のリーグ戦川崎戦からGKを含めて7名ものスタメンを入れ替える大胆なターンオーバーを敢行しており、リーグ戦川崎戦との比較では仙頭→白崎の入れ替えのみ。3連闘になっているのは下田・林・岡村の3名。
《試合展開》
立ち上がりの浦和はさほど前からプレスに行かず、ミドルゾーンで守備ブロックを敷いて防戦。必然的に町田のロングボール攻撃&相馬からのクロス攻撃に悩まされる羽目になりましたが、浦和守備陣が中央で淡々と弾き返して防戦。11分に左サイドからの中山クロスに対して西川のクリアが短くてこぼれ玉を拾った林にヘディングシュートを撃たれてしまいましたが、ここはゴール前のカバーに入ったマリウスがクリアして事なきを得ました。
浦和もカウンターで反撃に転じ、14分には渡邊→金子のクロスが中で松尾に合いかかる良い形。そして15分金子のショートコーナーからマテウスのクロスをマリウスが左足アウトサイドでゴールマウスに流し込むような形で浦和先制。マリウスが昌子の前にフリーで走り込んだ時点で勝負あり。
いかにも浦和が事前に仕込みに仕込んだようなデザインされたショートコーナーによる得点でした。CKからの得点が多くはない浦和ですが、過去の試合でもサインプレーらしきものはまま見られており、この試合でようやく練習の成果が実りました。
それでも相変わらず相馬のクロス攻撃は厄介で、25分には相馬クロス→西村ヘッドでヒヤリ。ただ先制した浦和はプレスをかけにゆく位置を立ち上がりよりは前目に設定し直したのが奏功した上に、町田がロングボールをオセフンに当てた後の浦和守備陣の寄せが速くてセカンドボールの回収合戦で優位に立ち、町田に好きなようにはやらせず。
そして次第に浦和がカウンターで決定機を量産。
26分サヴィオが落としたボールへの下田の緩慢な対応に乗じて渡邊が高い位置でボールを奪ってそのままボックス内に突入するもシュートはわずかに枠外。34分グスタフソンの右サイドへの展開を契機に、安居スルーパス→渡邊がボックス内に突入するもシュートコースがやや甘くて谷がセーブ。
しかし38分西川のロングフィード→渡邊のフリックを受けて裏抜けに成功した松尾がそのまま町田守備陣を振り切ってゴール!!渡邊に食いつきすぎた岡村のいなくなった大穴を松尾が突いたものですが、「やたら食いついてくる選手の裏を取る」攻撃は34分の決定機でも見られており、この辺も町田対策の成果なのかも。
42分中山のクロスがボックス内のオセフンに通るピンチがありましたが、西川が飛び出して何とかセーブ。そこで町田は後半頭からオセフン→デューク、林→藤尾と2枚替えを敢行。しかし藤尾をなぜか右WBに配したのが謎で後半開始直後に藤尾やデュークが散発的にシュートを放っただけ。
この藤尾右WB起用については当然試合後も記者から質問が投げかけられ、黒田監督は「前への推進力や仕掛けを期待していました。本来は中央寄りのポジションで起用したほうが、より持ち味が出るのかもしれません。ただ、やはり前に仕掛ける形が右サイドから生まれてこなかったため、不慣れなポジションだったかもしれませんが、藤尾に挑戦させた形です。」と答えていましたが、藤尾が前に仕掛ける形なんて全然出来なかったのでどう見ても完全に失着でした。
おまけに西村が故障して57分にナサンホを投入。65分谷のロングボール→デュークがヘッドで落としたボールをナサンホが拾って浦和ゴールに迫る町田得意の形を作ったものの、バイタルエリアでシュート体勢に入ったナサンホが滑ってシュートを撃てず(苦笑)。
後半になって自陣で守る時間帯が長くなった浦和は74分金子に代えて松本を投入した辺りから反撃開始。75分自陣深い位置でボールを奪ったサヴィオが松尾へのファウルで町田守備陣の足が止まった間隙を突いて長い距離を激走。サヴィオ→松本の決定機を作ったものの、シュート体勢に入った松本が岡村に背後から押されたのが響いて強いシュートを撃てず。しかもなぜかイエローどころかファウルもなし。さすが山本主審、目の付け所がアレです。
勝っている試合の逃げ切り方がとにかく下手な浦和は78分安居→原口を代えた後の交代がなくて、お疲れの選手が目立つ中先行きが案じられましたが、頼みの相馬が消えてしまった町田は完全に攻め手を失ってお得意のラフプレーを連発。そして終盤勝っている浦和が敵陣でボールを回しまくるという極めて珍しい光景が現出。最後に長倉&関根を投入して危なげなく逃げ切り勝ち。
《総評》
神戸や鹿島といったロングボールを多用してくるチーム、FWが相手CBに競り勝ってボールをキープしてくれることを大前提に攻撃を仕掛けてくるチームに対してはCBが結構強力な今季の浦和はかなり善戦しています。それゆえ同じロングボール多用型の町田戦も勝てるかどうかはともかく善戦はするだろうと思いながら試合を見ていましたが、結果は予想だにしない完勝でした。
完勝の主因は何と言っても松尾の1トップ起用でしょう。サンタナの小破に伴うやむを得ない起用だったのかもしれませんが、とにかくこれが当たりました。快足を活かして執拗に町田最終ライン裏を狙い続ける松尾が町田の最終ライン押上げを躊躇させ、それに伴って必然的に中盤が間延び。
強力な浦和両CBと言えどもオセフンやデュークへのロングボールに完勝とはいかず、競り負ける場面もまま見られましたが、彼らがロングボールを落とした後のセカンドボールの拾い合いを浦和守備陣が制することで浦和は町田にほとんど何もやらせませんでした。
走行距離(118km/122km)でもスプリント回数(130/174)でも浦和は町田を圧倒しており、選手個々人の奮戦もさることながら、前述のように松尾の1トップ起用が奏功して町田の守備陣形が間延びを余儀なくされたのがセカンドボールの拾い合いを浦和が制した主因でしょう。
それでも町田のクロス攻撃はなんだかんだと面倒でしたが、ここは両CB&西川に加えて両SBも奮戦しました。攻撃面では多くを期待できない両SBですが、守備は安心して見ていられるので特段不満はありません。
また町田の前プレに対して有効だったのがグスタフソンの起用。この試合の浦和は細かいビルドアップに拘らず、縦パス一本で松尾や金子を走らせる攻めが目立ちましたが、その前提としてグスタフソンが町田の前プレを個人技で交わして浦和の攻めを助けているのが目を惹きました。先週の練習でスコルジャとグスタフソンが30分に渡って話し込んでいたのが話題になりましたが、どうやらそれは無駄ではなかったようです。
いかにもスコルジャらしく堅牢な守備を構築できた反面、どうやって点を取るかは相変わらず課題を抱えたままですが、この試合はセットプレーで先制できたので一気に浦和は楽になりました。しかも事前にデザインされた形で点が取れたのは今後の励みにもなることでしょう。
先制してしまうとなんだかんだと巧い選手が揃っている浦和が手数をかけずに繰り出してくるカウンターは非常に怖い。ボールホルダーに食いつきすぎる相手を逆用して、食いつきすぎる選手の作った穴を的確に突く形で浦和が攻める、攻める!!
そして圧巻だったのが終盤の逃げ切り方。鹿島戦といい、清水戦といい、岡山戦といい、今季の浦和は勝ち試合の逃げ切り方がとにかく下手。だいたいヘロヘロのサンタナを「セットプレーの守備要員」として放置したがゆえに前プレがかからなくなって最終ラインが下がってしまって相手の猛攻を浴びるのがお約束。
ところがこの試合は最終ラインが下がらないどころか、浦和が敵陣で悠々とボールを回しながら時間を潰すというある意味これまでの浦和では「ありえない光景」が見られました。こういうボール回しではグスタフソンやサヴィオの巧さが際立ちました。
町田戦で思いがけない快勝を演じた浦和でしたが、今後はCWC参戦に伴う超過密日程となり、次節は中2日でホーム京都戦。当然多少スタメンの入れ替えはあるでしょうが、松本がスタメンに戻るのは当然として誰をベンチスタートにするか悩ましいところ。松尾も消耗激しそうなので、満を持して長倉スタメンでも不思議はないかと。町田と違って「死なばもろとも」的な特攻ハイプレス型のチーム相手にスコルジャはどんな手を打つか楽しみです。
《選手評等》
・監督が話したがらないことを理路整然と話してくれる選手といえば遠藤や岩尾が思い出されますが、松尾がその領域に近づいているのにはびっくり。今までの口数少ないクールなキャラが完全崩壊・・・でも松尾が今のチームの成長度合いに自信を持ち、改善点もはっきり判っているのは大きな安心材料です。
・グスタフソンはスペースへ激走するとか、ボールホルダーへガーっと詰めるみたいなわかりやすい走りは少ないんだが、絶えず良い位置でボールを受けようとして動いているので、意外に走行距離が長いタイプなのかも。それにしても渡邊の次に走行距離が長いのには驚きました。
・グスタフソンとは逆にわかりやすく走り回るのがサヴィオ。浦和加入後は動きすぎてその裏を突かれる難点が指摘され続け、「高出力なんだが出力制御ができないポンコツエンジン」みたいな印象が拭えませんでしたが、スコルジャも周囲も、そしてサヴィオ本人もようやく出力制御に成功しつつあるように伺えました。
・解説水沼グランパは左SB長沼を「本職じゃない」って言ってましたが、一応本職の荻原より守備は遥かに安心して見ていられるんだよなぁ。攻撃に多くは期待できませんが、それでもしきりに攻撃参加して何もできずに終わってしまう荻原よりは格段にマシ。
・最後に投入された長倉は試合終了間際に「俺を使え!!」と言わんばかりに特攻プレスを敢行してGK谷に詰め寄ってビルドアップを阻害。時間も時間なのであれでヨシ!!
・町田は昨年も浦和戦でセットプレーで失点。その咎を押し付けられたコーチへの黒田監督のパワハラ疑惑が取り沙汰されていますが、今回もまたセットプレーで失点。またしてもパワハラでメンタルやられてしまう方が出ないかどうか案じられます。
・ロジカルな解説が出来る水沼グランパと自分の体験談を交えながら選手目線で話す柿谷の相性は非常に良さげ。どちらもチームや選手の悪口は言わない。「こうした方がいいんじゃないかな?」という言い方をするので不快感ゼロ。また柿谷の話は居酒屋風でいながら水沼の話の腰を折らないどころか、上手く乗せて話しているので好感度マシマシでした。サッカーが好きでたまらない関西の兄ちゃん風丸出しの柿谷のトークはサッカー好きを増やすのに最適で、コーチより普及のほうが向いてそう。
-----松尾-----
サヴィオ---渡邊---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----
(得点)
15分 マリウス
38分 松尾
(交代)
74分 金子→松本(松本トップ下、渡邊右SHへ)
78分 安居→原口(原口左SH、サヴィオ右SH、渡邊CHへ)
90分 サヴィオ→関根
90分 松尾→長倉
-----オセフン-----
--相馬----西村--
中山-下田--白崎--林
-昌子--岡村-ドレシェ--
-----谷------
(交代)
HT 林→藤尾
HT オ セフン→デューク
57分 西村→ナ サンホ(故障による交代)
72分 白崎→仙頭
85分 下田→桑山
※写真は試合とは全く関係ありません。
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