終わってみれば相手の難点を的確に突いた浦和が大勝。どんなチーム相手でもコンスタントに勝ち点が積めそうな闘いぶりだったとは思えず、「湘南の弱さに助けられた」感は否めませんが、それでも事前の準備が見事に結実した大勝でした。
《スタメン》
浦和のFCWC参戦に伴って延期されていた第21節は他のチームが「プチサマーブレイク」に入った中での開催。
浦和のスタメンは長沼に代えて荻原を入れただけ。サブも全く新味なし。前節FC東京戦は3週間以上公式戦がなかった後の初戦がいくら難しいとはいえ、あまりにも試合勘がなさすぎるというか、そもそも闘う姿勢が全然出来ていないという酷い試合でした、
しかも酷暑下で中3日で福岡戦が控えていることも考慮し、スコルジャは多少面子を入れ替えて喝を入れてくると予想したのですが、ベンチにも入れない面々はよほど信頼がないのかなぁ・・・でも新加入かつ欧州でもJ1でも実績皆無の小森をいきなりスタメン起用しているところを見ると、スコルジャなりの一定の基準さえクリアしていれば実績がなくても起用されるみたいで・・・
湘南のスタメンは前節と全く同じ。湘南は前回対戦時からCB鈴木淳、WB畑、FW福田が移籍。畑の代わりに新潟から太田を強奪。福田の代わりが二田なのでしょうが、二田は浦和からレンタルなのでこの試合は出場できず。
また正GK上福元が大怪我したのでやたらGKをかき集めていて、直近3試合は横浜Mから完全移籍で獲得したポープが出場。浦和からレンタルの吉田はこれまた契約上ベンチ外。

《試合展開》
浦和の試合の入りは芳しくなくて前節同様ビルドアップに苦しみ、2分にはGKポープの蹴ったハイボールに対してあろうことかマリウスが鈴木章に競り負けたことを契機に右サイドから抜け出した奥野にシュートを撃たれてヒヤリ。
それでも12分右サイドから荻原FK→グスタフソンのヘッドで先制したと思いきや、長々とVARチェックが入り、さらにご丁寧にもOFRまで入った挙句にオフサイドでゴール取り消し。現地では何がオフサイドなのかさっぱりわかりませんでしたが、DAZNで確認したところオフサイドポジションにいた安居が鈴木章をブロックしたのが「ゴールへの関与」と咎められた模様。
その後はどちらもビルドアップに苦しんでゲームをコントロール出来ない低レベルな内容で試合は推移しましたが、浦和が珍しく湘南を押し込んでいる時間帯だった33分渡邊CKから湘南のゾーン守備網の外にいたマリウスのヘッドで浦和が先制。
37分には渡邉が傷んで(21分に右サイドで大野と交錯して傷んだ影響?)松尾との交代を余儀なくされるアクシデントがありましたが、やや浦和優位に転じた戦況に変わりなく、45+4分荻原CKから小森がニアでヘッドを決めて浦和が追加点。
このCKを得る契機となったのは荻原のロングフィードを受けて小森が裏抜けに成功しかかったところから。湘南の終始前がかりなスタンスを逆手に取るように西川を中心に浦和が湘南最終ライン裏を突くかのようにバンバンロングボールを蹴り始めたのが結果的に奏功。これで浦和は苦手なビルドアップに悩まずに済むようになりました(苦笑)。
湘南は後半頭から大野→松本となぜかCBを交代。こちらも渡邊と交錯した影響なのか、あるいはあんまりなセットプレーでのやられっぷりの責任を取らされたのか、仔細不明。
浦和は51分西川のロングキックを受けて右サイド奥深く侵入した金子の折り返しを安居ミドルシュート、さらにサヴィオとの連携で上手く左サイドを崩した荻原からの低いクロスがわずかに小森に合わずと良い形を作ったものの、浦和左サイドは湘南に終始狙われていて56分には後方から突っ込んできた鈴木雄へのサヴィオの対応が軽すぎて、鈴木雄クロス→太田ヘッドがをバーを直撃するピンチも。
プレスが効かなくなって浦和守備陣がズルズル下がり始めたのを危惧したスコルジャは66分小森→松本、サヴィオ→関根、金子→大久保と一気に三枚替えを敢行し、松尾CF、松本トップ下、関根左SHと配転。
そして71分敵陣右サイド深い位置から石原スローインを受けた松本がそのまま右サイドを深く抉ってから低いクロスを関根がダイビングヘッド詰めて3点目!!そしてこのスローインを得る契機も西川のロングフィードを高い位置まで激走した石原が拾ったところから。
その直後くらいからまたしても浦和のプレスが効かなくなって自陣に押し込まれがちになり、77分にはマリウスが後半途中投入のフィリップにいとも簡単にポストプレーを許して、しかも前を向かれてしまう大失態。そして左WB太田がどフリーで後方から走り込んできて、西川のニアをぶち抜いてようやく反撃開始。
終盤のあんまりな失速ぶり&逃げ切り下手では定評のある浦和。「最後の10分間はオギもヒロサミュエルもフィジカル的な問題を抱えていました」という苦しい状況下で、84分グスタフソンに代えてサンタナを投入。同時に大久保トップ下、松本CH、関根右SH、松尾左SHと中盤の配置を大幅に変更。これが案外奏功して湘南の攻勢を中盤で阻めるように。
これで危なげなくそのまま逃げ切り勝ちと思いきや、90+4分には浦和のアバウトな浮き球縦パスに対しての鈴木雄の対応がこれまたアバウトすぎてサンタナに掻っ攫われ、単騎裏抜けに成功したサンタナがそのまま「一人で出来た!!」と言わんばかりのでダメ押しの4点目を取って試合終了。点を取った選手を悪く言うのは忍びないのですが、試合の大勢に全く影響がないところで無駄に決定力を発揮しなくてもいいのに(苦笑)。

《総評》
どちらもビルドアップに難がある、正直低レベルの試合だと思いながら観戦していましたが、それでも終わってみれば相手の難点を的確に突いた浦和が大勝。どんなチーム相手でもコンスタントに勝ち点が積めそうな闘いぶりだったとは思えず、「湘南の弱さに助けられた」感は否めませんが、それでも事前の準備が見事に結実した大勝でした。少なくとも「運良く勝った」試合ではありません。
湘南がとにかくセットプレーに弱いことは明々白々だったのでしょう。試合後スコルジャはセットプレーコーチの前迫コーチを絶賛。そしてCKをもぎ取るために浦和は湘南の最終ライン裏へのロングフィードを多用。これがまた面白いようにハマりました。
逆に山口監督は「セットプレーのところに尽きるのかなと思います。CKにしてしまう対応も含めて、準備してきたにもかかわらずやられてしまったのは、まだまだ自分の力不足だと感じています。」と浦和の策にやられっぱなしだったのを認めざるを得なかったようです。
また守っては浦和のプレスが結構効きました。スコルジャは試合後「本日はハイプレスのやり方を少し変え、両ウイングが最前線に行ってプレスを掛けるものになりました」と語っていましたが、その結果サヴィオが左サイドからほとんど動かないことに。
渡邊が傷んで松尾を投入せざるを得なくなった際も、サヴィオは左SHのままで松尾がトップ下だったのには少々驚きました。スコルジャは試合後「「本日は、湘南の背後の大きなスペースを使うために、トップ下が裏に抜けていくという戦術でした。そして佑介のスピードをそこで使おうと思いました。」と話していましたが、それ以上にスコルジャは守備に破綻を来さないようにサヴィオに「左サイドから勝手に動くな!!」って相当ガン詰めしたような気がしました。
おまけにCKもほとんどサヴィオに蹴らせませんでしたし、これまでかなりサヴィオの好き勝手し放題に目を瞑っていたスコルジャもあんまりなFC東京戦の負けっぷりを受けてついに堪忍袋の緒が切れたのかも。
サヴィオはサンタナと違って守備に走らない訳ではないものの、その走りが往々にして周りと噛み合ってなくて大穴を開けてしまいがちなタイプ。だから監督なりコーチなりが適切に指導すればいいだけの話。スコルジャが遅まきながらついに鉄槌を下したのならめっちゃ朗報です。
またスコルジャの選手交代も珍しく的確で極力プレスを機能させるべく中盤の運動量を補充。ただそれでも最終ラインが下がってしまった時間帯にマリウスが残念すぎたのが契機となって失点してしまったのが今の浦和あるあるで切ないのなんの。
でもFCWCを含めて4連敗中で、6/1の横浜C戦以来の勝利、しかも珍しく4点も取っての大勝は率直に喜びたいと思います。たとえどんなに相手の残念さに助けられたものであったとしても。
逆に「残留争いのプロ」であり、とにかく「徳俵に足がかかってからやたら強い」はずの17位湘南は全く良いところなし。この試合の湘南はいったん劣勢になるとあっさり土俵を割る正代みたいな感じでした。この感じだと18位横浜Mとの勝ち点差3をひっくり返されるのは時間の問題かと。

《選手評等》
・小森は浦和加入後2試合目にして初ゴール!!どんな形であれ、前目の選手が早めに結果を出したのは喜ばしいもの。小森はそれなりに周囲と連携を取りながら守備はしますし、ボールを引き出すような動きもしています。少なくともボックス内から動かない系ではなさそう。ただポストプレーには多くを期待できず、「鬼キープはできない興梠」っぽい感じがしました。端的に言えば興梠の下位互換のようですが、それでもCFらしいCFなことはよく判りました。これからに期待。なおCKからの得点はプロで初めてとのこと。
・終盤石原は足を攣っていかにも代えてほしそうだったのに、最後のカードで交代を命ぜられたのはグスタフソンで涙目。スコルジャは「ヒロは非常に強い選手で、ファイターだと言える選手です。そのような状況でも、チームの力になれる選手だと思います。」ってまるで大槻監督の橋岡の扱いとそっくりなんですが!!
・この試合極めて難儀だったのが清水主審。とにかく判定の基準が滅茶苦茶で手を使ってのファウルやラフプレーに対してやたら寛容かと思いきや、なんでもなさそうなちょっとした交錯に突然笛を吹く場面もあって参りました。この笛はラフプレー三昧の湘南に概して有利に働きましたが、それでも湘南はさしたる見せ場なく大敗。
・グスタフソンのゴール取り消しの件。湘南の選手は誰一人としてオフサイドの主張なんてせずに淡々とリスタートの準備をしていたのに、どういうわけかVARが執拗に介入し、さらにOFRで確認した挙句に現地ではさっぱりわからないオフサイドが認められてノーゴール。Jリーグって審判団がそもそも低レベルな上に、やたらVARに時間をかけるのは困ったものです。その点「物言い」について親方がちゃんと説明する大相撲が眩しすぎてなぁ・・・
・前半はVARあり&渡邊の負傷ありでAT9分は十分理解できましたが、後半はVAR介入はなかったのにAT6分ってどこから沸いてきたん???清水主審の浦和への嫌がらせ、ここに極まれり。
・埼スタで流れる三菱重工様のCM、しれっと猶本を消していました(つД`)
-----小森-----
サヴィオ---渡邊---金子
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----
(得点)
33分 ホイブラーテン
45+4分 小森
71分 関根
90+4分 サンタナ
(交代)
37分 渡邊→松尾(負傷による交代)
66分 小森→松本
66分 サヴィオ→関根
66分 金子→大久保
84分 グスタフソン→サンタナ

-----鈴木章----
--平岡---小野瀬--
太田-奥埜--奥野-藤井
-松村--大野-鈴木雄-
-----ポープ-----
(得点)
77分 太田
(交代)
HT 大野→松本
59分 平岡→フェリッピ
67分 小野瀬→小田
67分 奥野→茨田
75分 鈴木章→石橋