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2025.09.04

【観戦記】25年ル杯準々決勝第1戦:浦和 1-1 川崎 ~ 上々のターンオーバー

 勝ち切れなかったとはいえ、レギュラー組ではない選手達が何人も良い仕事をしてくれたのは収穫大でしょう。スコルジャがこの試合の出来を見て、今後の過密日程時にコンディションの良い選手を自信をもって送り出せるような気になったくれると嬉しいのですが。

《スタメン》

 9月になったも猛暑は収まる気配がない中で、共に直近のリーグ戦から中二日の過密日程。

 浦和はついに大胆なターンオーバーを敢行し、マリウスと中島以外の9名を直近のリーグ戦から入れ替え。西川、安居、グスタフソン、金子はベンチからも外して完全休養と、スタメン固定の弊害でボロボロになったレギュラー組へ配慮を見せると同時に、普段出場機会の少ない選手を実戦でテストするという今季のスコルジャにはここまで全く見られなかった思い切った策に打って出ました。

 ただ残念ながら秘密兵器安部の浦和デビューがまたしてもお預けに。

 一方川崎はエリソン→神田、伊藤→宮城、山本→マルシーニョ、ファンウェルメスケルケン→ジェジエウと前目を中心にスタメン4名を入れ替えただけの1.5軍仕様で連戦に挑んできました。車屋・大島・丸山が負傷離脱中。

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《試合展開》

 グスタフソン不在の浦和はビルドアップに苦労し、仕方なくロングボールを蹴ったところで最前線でサンタナが全くボールを収められないので必然的に川崎に一方的にボールを支配され、自陣に押し込まれ続けてタコ殴りの憂き目に合うという地獄絵を戦前想像していたのですが、超意外なことに浦和の入りは悪くありませんでした。

 試合後会見でスコルジャは「立ち上がりは我々にとって、少し難しいものになりました。こちらがメンバーを入れ替えたのを見てからなのか、かなりアグレッシブにハイプレスをかけてきました。」と語っていましたが、個人的には全然難しかったようには見えず。川崎のプレスは概して強度不足だったように見受けられ、スコルジャは控え組のビルドアップ能力を不安視しすぎていたような気も。

 15分右サイドから宮城クロスがボックス内の河原に通って浦和DF陣が少々ばたついた場面があったくらいで双方何事も起こせないまま時間が徒過していた22分右SBに入った関根のロングフィードから中島が裏抜けに成功。飛び出してきたGK山口をループシュートで交わして浦和が先制。

 その後も中途半端にプレスをかけに前に出るのが災いしてか川崎の守備ブロックはタイトとは言い難く、浦和は川崎のブロックの間で浮いている選手に縦パスつけまくって攻勢。序盤マルシーニョと交錯して傷んだマリウスが34分とうとうボザとの交代を余儀なくされるアクシデントがありましたが、試合は浦和優勢で推移。 しかし35分中島スルーパス→サンタナ、40分カウンターから原口→松本の決定機をいずれも決められず。

 川崎は後半頭からマルシーニョ→伊藤と交代。ハナから後半勝負と割り切っていたのか動きも多少良くなって川崎がボールを持つ時間が増えましたが、浦和もドン引きにならずに応戦。57分には中島が放ったミドルシュートはGKが辛うじてセーブ。

 川崎が61分宮城→ロマニッチと代えた一方、浦和は67分に原口→松尾、中島→サヴィオと代えて前目の運動量を補充しながら勝負にでましたが、もともと90分使えない故障明けの柴戸を下げざるを得なかったのはともかく、関根が足を攣って90分持たなかったのはスコルジャには大誤算だった模様。73分というかなり早い時間帯に浦和は交代枠を全部使いきってしまう羽目に。柴戸の代わりのCHには長沼を転用。

 そして76分松尾が左サイドを激走してそのままシュートまで持って行くもGK正面。さらに79分サヴィオと併走したジェジエウが故障したことから得たカウンターの好機でサヴィオのラストパスがずれて松尾にもサンタナにも合わず(サヴィオが悪いというよりサンタナと松尾のポジションが残念か?)と追加点が取れなかったが終わってみれば痛恨の極みでした。

 終盤サンタナが全く動けなくった上に大久保も動けなくなって前線の守備は完全に崩壊。やむなくサヴィオが右SHに入りましたが、長沼CH転用を含めてこの辺はかなり無理があったせいか終盤は最終ラインが下がり気味に。

 87分山本ミドルシュート、そのこぼれ玉を拾った河原のシュートこそ牲川が立て続けにセーブしましたが、90+5分左サイドで根本が橘田と交錯して倒れたところでファウルだと思って浦和守備陣の足が一瞬止まった隙を突かれ、逆サイドへ展開された挙句に伊藤の一発を喰らって逃げきれず。

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《総評》

 今季浦和はFCWCに参戦する関係で、天皇杯は3回戦から、ルヴァン杯は準々決勝からのスタートになりました。これらは過密日程を多少緩和してもらった点ではありがたいのですが、リーグ戦ではなかなか出番がない選手を実戦でテストする機会が少なくなってしまう弊害もありました。

 またスコルジャは過密日程下でも基本スタメンどころかベンチ入りメンバーもほぼ固定で、「いつものスタメン」「いつもの選手交代」を続けてきた結果、とうとう猛暑下でレギュラー組、特に代えがいないCB、SB、CHあたりのパフォーマンスが著しく低下して柏戦&天皇杯FC東京戦で終盤の大失速&逆転負けという大失態を演じてしまいました。

 さすがにスコルジャも反省したのか、前節新潟戦では「いつものスタメン」「いつもの選手交代」から脱却する動きを見せ、そしてこの試合ではついに前々から示唆していた大胆なターンオーバーを敢行しました。

 これだけスタメンを入れ替えてしまうと、連携不足だとか、それ以前にそもそも「これまで試合に出られなかったのはそれなりの理由がある」ことが露呈するだけに終わって往々にして試合にならないのがこれまでの「浦和あるある」。ところがこの試合は1.5軍仕様の川崎相手に互角以上に渡り合えたのが嬉しい誤算。特にグスタフソン抜きでもそれなりにビルドアップが様になっていたのには感動しました。そして中島にボールが入った時のわくわく感たるや!

 浦和での初スタメンだった根本を筆頭に、牲川・柴戸・大久保・中島となかなかリーグ戦で出番がなかった選手達はよくやったと思います。リーグ戦ではいつも途中投入の松本も柴戸との相性が非常に良いようで、安居やグスタフソンと組んだ時よりもやりやすそうでしたし。

 土壇場で同点に追いついたせいか、試合後川崎サポからはまるで試合に勝ったかのような大歓声が上がっていましたが、双方のスタメン構成の差異を考えれば個人的にはかなり不可解な川崎サポの反応でした。

 ただ優勢に試合を進めていたのに「終盤失速して同点に追いつかれてしまう」という光景はいつもと同じ。しかしこれは試合後スコルジャも嘆いていたように、マリウスが負傷したり、関根が足を攣って90分持たなかったりして「予想外の選手たちを代えないといけない事態」になったのが主因でしょう。

 故障明けの柴戸や中島は90分持たないは予め判っていたので、実質交代枠は3つしかないようなもの。うち二つを予想外の事態で使うことになったので、ヘロヘロのサンタナや大久保を90分引っ張らざるを得ず、前からのプレスが全く効かなくなって最終ラインが下がったところをやられてしまいました。

 また35分サンタナといい、79分の好機といい、「浦和が優勢な時間帯に2点目が取れない」のもこれまた今季何度も見た光景。

 勝ち切れなかったとはいえ、レギュラー組ではない選手達が何人も良い仕事をしてくれたのは収穫大でしょう。今後も鹿島戦の後に中2日で清水戦という過密日程が控えていますが、スコルジャがこの試合の出来を見て、今後の過密日程時にコンディションの良い選手を自信をもって送り出せるような気になったくれると嬉しいのですが。

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《選手評等》

・大卒新人ながらも今季はアウェー横浜FC戦で左SBでちょこっと出場しただけの根本がついにスタメン出場&埼スタデビュー。井上在籍時はベンチにすら入れなかった立場なので不安でなりませんでしたが、事実上のデビュー戦としては上々でしょう。何より縦パスをズバズバ突き刺す意識の高さとその精度には目を見張りました。最終ラインからあれを繰り出せるCBって遠藤以来かも。肝心の守備は川崎のFWがしょぼくて正直評価しづらく(特に強度面)、第2戦でエリソンが出てきた時に真価が問われることになりそう。

・根本の出来が存外に良かった反面、マリウスが負傷してしまったのは残念。信頼できる控えCBがいないので「マリウスorボザのどちらかが故障すると浦和は終わるぞ!」と言われ続けていましたが、根本が使えると判り、かつ藤原が大分から戻ってきたと同じタイミングでマリウスが負傷してしまうとはなぁ・・・

・原口が左サイドで1対2の数的不利の局面でドリブルで打開できるだけのキレはないからそこはとやかく言わんけど、その代わりにボールを動かして他の選手を活かすようなプレーをしているかとなると疑問。パス出した後に、再度ボールを受けなおすようなまめな動きもしてないかと。真っ先に代えられるのはやむなし。

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-----サンタナ-----
原口---中島--大久保
---柴戸--松本---
長沼-根本--マリウス-関根
-----牲川-----

(得点)
22分 中島

(交代)
34分 マリウス→ボザ
67分 原口→松尾
67分 中島→サヴィオ
73分 関根→石原
73分 柴戸→荻原

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-----神田-----
マルシ----脇坂---宮城
---橘田--河原---
三浦-ウレモ-ジェジ-佐々木
-----山口-----

(得点)
90+5分 伊藤

(交代)
HT マルシーニョ→伊藤
61分 宮城→ロマニッチ
73分 神田→山本
73分 ウレモヴィッチ→ファンウェルメスケルケン
81分 ジェジエウ→神橋

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