【観戦記】25年第28節:浦和 1-0 新潟 ~ 「いつもの」からの脱却
新潟の残念さに助けられた感がありありの試合で、山のように残っている上位チームとの対戦で自信が持てるというにはほど遠い内容でしたが、それでも「いつものようにやって、いつものように負ける」コースからの脱却を図っていることが判っただけでも良しとしましょう。
《スタメン》
浦和は天皇杯から中3日、天皇杯がない新潟は中7日とコンディション面では浦和が不利な一戦。
中4日&中3日の3連戦となった浦和は長沼に代えて荻原をスタメン起用した他、天皇杯でベンチ外だった中島を突然スタメンに抜擢!!
中島をスタメン起用したため松尾がベンチスタートになったのはともかく、原口がベンチ外になったのも目を惹きました。
新潟のスタメンは新井→藤原、橋本→堀米と2枚入れ替え。藤原は前節出場停止からの復帰で、植村をCHに上げて両SBを入れ替えた格好。
なお降格圏を彷徨う新潟は6/23に樹森監督を更迭して、入江コーチが内部昇格。ところが今夏にCB稲村・CH秋山・SH小見など主力が流出した上に、SHゴメスやCH星が負傷で長期離脱中。その代わりの選手を山のように獲得したので、前回対戦時のスタメンで前節もスタメンなのはFW長谷川、CH新井、左SB橋本、CB舞行龍の4名だけ。FWブータ、左SH小原、CH白井、右SHモラエス、CB舩木、右SB植村と6名も夏の加入選手をスタメン起用していました。
ただ悪いことに入江監督が新型コロナウイルスへの感染で今節ベンチ入りできず、代わりに吉本ヘッドコーチが指揮を執ることに。
《試合展開》
試合開始早々サヴィオのスルーパスを受けて左サイドから荻原がボックス内に突入するも、シュートはGKのほぼ正面。一方新潟も6分左サイドから小原のクロスから好機を作るも、ここはブータが合わせきれず。さらに8分カウンターから小原に決定機がありましたが、ここは西川がセーブ。
とにかく勝たないとJ1残留が覚束ない新潟の積極性もあってか双方ドタバタしたゲームの入りとなりましたが、新潟のハイプレスは有効とは言い難く、しかもなんとかボールを奪ってもなぜかブータに簡単にロングボールを蹴ってしまう場面が多いので浦和がボールを支配して新潟を自陣に押し込む時間帯が長くなりました。
近年の新潟はとにかくボールを繋ぐのだけは巧かっただけにロングボールを多用しだしたのはかなり意外でしたが、天皇杯でFC東京のロングボール攻撃がヘロヘロの浦和両CBに結構効いたのを参考にしたのかも。ただFWブータがそんなにハイボールには強くないせいか、ロングボール攻撃は結局ただボールを捨てるだけに終わった気も。
従ってゲームは中島&サヴィオととにかくボールを持てば輝く名手2人を擁する浦和が次第に優勢に。スコルジャが試合後「翔哉を使うことで、ゾーン3でのポゼッション率を高め、チャンスの数を増やそうとしました。」と中島をスタメンで起用した狙い通りの試合展開になったと言っても良いでしょう。
しかし16分ボックス左隅辺りからの中島のコントロールショットはGK田代が辛うじてセーブ。22分サヴィオとのパス交換で左サイドをどフリーで抜け出した荻原の低いクロスがボックス内で中島に通るも、中島のシュートはCB舩木がブロックと押し気味に試合を進めながらも先制点がなかなか取れず。
それどころか23分には金子から安居への横パスをブータにカットされてヒヤリとする場面も。
浦和は後半大失速がお約束なだけに無得点での折り返しは是非とも避けたかったところ、30分最終ラインでボールを回し、相手を引き込んでからのロングカウンターが炸裂して浦和がついに先制。ボザの縦パスを金子がフリックし、小森が舩木と一緒に最前線で潰れたのが効きました。あとはこぼれ玉を拾った金子が攻守の切り替えが緩慢な新潟DF陣をぶち抜いてドリブル突進して左のサヴィオへパス。どフリーのサヴィオがこの決定機を外す訳がありません!!
なんとか先制したものの、後半は案の定新潟にボールを支配されて自陣深く押し込まれ続けるお馴染みの展開に。49分には安居もグスタフソンもボックス内で大きくクリアできずにいたところを左SB堀米に掻っ攫われる大惨事。ところが堀米のパスを受けたブータのシュートは西川の正面!!
なんとか難を逃れたものの木村主審の気まぐれな判定にも悩まされて浦和は反撃の糸口すら掴めず。59分中島→松尾、グスタフソン→松本の交代もなんら効果なくひたすら殴られ続け、68分左サイドから堀米クロス→ファーで藤原シュートの決定機を作られるも、ここはサヴィオが背中で渾身のブロック!!
そして70分に給水タイムが入ったのが疲労困憊の浦和にとってちょっとした助けになりました。柏戦はなぜか給水タイムがなくて後半劣勢に転じた浦和は終盤ボコボコにされたからなぁ・・・
しかし、早めに選手を代えて攻勢をかけ続ける新潟の優位に変わりはなく、78分左サイドから奥村のクロスがブータに通る決定機を作りましたが、ブータには荻原が付いていたこともあってかこれを決められず。
浦和は80分安居→柴戸、荻原→長沼と代えたのが妙手でようやく自陣を抜け出して敵陣でボールが回せるようになって反撃開始。最後に浦和が金子→関根と代えたのがダメ押しとなって新潟の攻撃の芽は完全に潰え、しかも新潟もバてて点を取るどころかパスミスを連発。VAR介入もさしたる怪我人もなかったのにどこから沸いてきたのかATは7分もありましたが何事もなく浦和が逃げ切り勝ち。
《総評》
優勢だった時間帯に1点しか取れず、後半早々と電池切れして矢継ぎ早に選手を代えて攻勢を仕掛ける相手に抗しきれずにタコ殴りの憂き目に遭うという試合展開は天皇杯準々決勝とそっくり。単に新潟の難点=決め手の乏しさに助けられたようなもので、そんなに褒められた試合内容ではないでしょう。
それでもスコルジャがついに「いつものスタメン」「いつもの選手交代」ではダメなことを正面から認めて、曲がりなりにも結果を出したのは高く評価していいと思います。「いつもの」ではない中島と柴戸が良かったことも含めて。
試合後の会見によれば中島や荻原は大学生との練習試合で好調だったのでスタメン起用したとのこと。結果が出ている時にスタメンを代えないならともかく、閉塞感漂いまくっている時なら「目先の調子重視」のスタメン入れ替えがあって然るべきと思いますが、超遅まきながらスコルジャもそこに辿り着いたようです。遅かろうがなんだろうか、同じ失敗を繰り返しているのに頑としてやり方を変えないより格段にマシ。
また試合後「本日は、後半のマネジメントが非常に難しい試合でした。疲れている選手も多かったですし、メディカル的な問題を抱えている選手もいました。昨日はフィジカルコーチたちと、誰が90分間プレーできそうかを予測したりしましたが、現実にはそれとは違った交代になりました。」「誰が90分できるかを見極めてからの交代となります」とスコルジャが語っていることから察するに、そもそも90分動ける選手を11人揃えるのが大変だった模様。
その結果が「いつもの交代」ではない交代となり、おまけに故障明けの小森や一枚イエローをもらっているサヴィオを90分引っ張る羽目になったものと思われます。ただ塞翁が馬というべきかどうか、一連の「窮余の一策」が奏功して、「代えれば代えるほど悪くなる」いつものコースから抜け出せたのは皮肉なもの。言い換えればこれまで「代えれば代えるほど悪くなる」主因がどの交代だったかあからさまになったとも言えましょう。
先述のように新潟の残念さに助けられた感がありありの試合で、山のように残っている上位チームとの対戦で自信が持てるというにはほど遠い内容でしたが、それでも「いつものようにやって、いつものように負ける」コースからの脱却を図っていることが判っただけでも良しとしましょう。
《選手評等》
・サヴィオ&中島の「ダブル自由人」は意外にウマが合うのか、ポジション被りは全然なかったような気がしました。少なくとも渡邊とサヴィオの併用よりは相性良さげ。中島をコンスタントにスタメン起用できるかどうかはともかく、次節サヴィオ出場停止を受けて引き続きスタメン起用されてもなんら不思議はない出来でした。やっぱ相手を押し込んだ状態でボールを持つと怖い選手です。
・そして木村主審の気まぐれすぎる判定にブチ切れながら、90分間激走に次ぐ激走を繰り返したサヴィオ。やや出力制御しきれずに暴走している感が無きにしも非ずでしたが、それでもお疲れの新潟DF陣にプレッシャーをかけるには十分すぎる働きでした。
・一方練習試合の出来の良さを買われてスタメン出場した荻原は時折見せるカットインとかクロスとかで見せ場作りますが、それ以外は何をやっているのかさっぱり判らんでなあ・・・サヴィオがしょっちゅうブチ切れていたのは主審ではなかったのかも・・・そしてスコルジャにも「荻原が90分プレーできなかった」と嘆かれる始末。たぶんヘロヘロでミスが多かった石原を代えるつもりで長沼を用意してたんだろうなぁ・・・
・ついに埼スタに戻ってきた柴戸。見事なまでにクローザーの役目を全うしてくれました。また松本はCHでも前に出てナンボなので、後ろで守ってくれる柴戸との相性は良さげ。
・新潟のFWブータって前評判良さげでしたが、足元のボールはしっかり収めてくれるけどハイボールはそんなに強くなさそうでしたし、そもそも点取り屋ではなさげという印象を受けました。あれがマルセロヒアン級の決定力を持っていたらまた浦和は逆転負けしてたでしょうなぁ・・・(つД`)
-----小森-----
サヴィオ---中島---金子
---グスタフ---安居--
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----
(得点)
30分 サヴィオ
(交代)
59分 中島→松尾(松尾左SH、サヴィオトップ下へ)
59分 グスタフソン→松本
81分 安居→柴戸
81分 荻原→長沼
88分 金子→関根
--長谷川--ブータ---
小原--------モラエス
---白井--植村---
堀米-舩木-舞行龍-藤原
-----田代-----
(交代)
63分 モラエス→島村
76分 小原→奥村
76分 堀米→橋本
76分 植村→谷口
86分 長谷川→高木
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