【観戦記】25年第33節:浦和 1-0 神戸
浦和は出場停止のボザに代わって根本がスタメン入りした他、前節東京V戦から松尾→イサク、中島→渡邊、柴戸→安居、石原→関根、長沼→荻原とスタメンを6名も入れ替え。中2日&中3日の3連戦を受けて前節スタメン5名を入れ替えたので、再度裏返した格好。
ボザが出場停止なので空いた外国人枠を使ってサンタナがベンチ入りするのは容易に想像できましたが、故障で9/30の公開トレーニング時では別メニューと伝えられた小森がベンチ入りしたのはポジティブサプライズ。その煽りで中島がベンチ外になりましたが、CFを2枚にベンチ入りさせるのはかなり謎でした。
一方神戸はACLEホームメルボルン戦から中二日でしたが、ACLEではCBトゥーレル以外の10人をターンオーバー。そしてそのトゥーレルは浦和戦出場停止なのでACLEからの連闘は一人もおらず、リーグ戦前節清水戦と比べると出場停止のトゥーレルに代わって本多がスタメン入りした他、井出に代わって武藤をスタメン起用しただけに留まりました。
浦和は神戸の強烈なプレッシングをロングボールを多用して回避。イサク&金子とターゲットが二つあるためか、西川を使ったビルドアップを完全に諦めてのロングボール攻撃は対神戸戦でめっちゃ効きました。神戸も大迫へのロングボールを多用して前進を試みますが、こちらは初スタメンの根本が善戦。
しかもなんだかんだと神戸はACLE絡みの過密日程が効いているのか、選手の動きは概して浦和の方が良く、球際での競り勝ちも目立って前半は終始浦和ペースで進みました。
4分グスタフソンが右サイドからアーリークロス→ボックス内でイサク反転シュートはバーの上、16分ショートコーナーから上手く神戸最終ラインの裏を取ったサヴィオのシュートは角度が厳しくてサイドネット。21分金子クロスを渡邊が胸で落としてアーク付近から安居シュートはバーを直撃!!30分金子クロスになぜかボックス内に入っていた石原ヘッドは枠を捉えきれず。
決定機こそたいして作れていないものの手数では浦和が神戸を圧倒している戦況が突如暗転したのが39分の謎判定。酒井のクロスが荻原の手に当たったところで池内主審は何の躊躇いもなくハンド=PKの判定。ただクロスが荻原の右足に当たって跳ね上がったボールが荻原の高く掲げている手を当たったという事象なので、ハンドを取るかどうかかなり疑問。おまけにVARもだんまりなのが謎でした。
しかしそこで得た宮代のPKを西川が見事に阻止!!!宮代のシュートはコースも甘ければ勢いもないという最悪のものでしたが(苦笑)。
45分には金子のクロスが本多の手を直撃!!しかし池内主審の判定はノーファウル。まぁ本多の畳もうとしている手に当たっているので妥当な判定とは思いますが、当然ながらこれらの判定を巡って埼スタは大荒れに。
神戸は後半頭から大迫に代えて井出を入れて武藤をCFへ。大迫は前半あまり良いところはありませんでしたが、10分くらいにちょっと傷んでいたので大事を取って交代したのかも。
しかしその交代も虚しく浦和優勢の戦況は変わらず、46分右サイドを深くえぐった金子が永戸のファウルを誘発。そして47分サヴィオFK→イサクヘッドが決まってついに浦和先制。イサクはルヴァン杯で既にゴールを決めていますが、リーグ戦ではこれが初ゴール。
神戸はその後も66分エリキ→小松、宮代→汰木、74分鍬先→飯野と五月雨的に選手を代えるものの何の効果もなし。浦和は前半イエローをもらった安居を65分に柴戸に代えただけで、そのまま神戸に何もやらせず仕舞いで推移。71分サヴィオ→イサク→渡邊の決定機を作りましたが、渡邊は既に疲労困憊なのか上手く神戸守備陣の間に入り込んで反転したのにシュートがへなちょこに。
そしてスコルジャは77分イサク→小森、グスタフソン→関根、金子→松尾と3枚替えを敢行しましたが、結果からすればどう見ても悪手でした。
イサクも金子も同時に下げてしまった浦和はロングボールでボールを前に進める術を失っただけなく、トップ下に入ったサヴィオが疲れて前プレも効かなくなったことも相まって、80分以降自陣に押し込まれ続ける展開に。前プレ要員としての早川投入も遅きに失した感じ。
そして86分には前川のロングボールをCFに入った小松がヘッドで落とし、そのこぼれ玉にマリウスの反応が遅れたのが災いして汰木の裏抜けを許す大ピンチがありましたが、ここは西川がビッグセーブ。そして終盤押し込まれ続けながらもなんだかんだといっても神戸に許したピンチはそれだけで浦和逃げ切り勝ち。
SPORTERIAのデータだとゴール期待値は浦和1.23/神戸1.74、DAZNでは1.19/1.70とどちらも神戸優位ですが、神戸のゴール期待値は謎のPKゲットで跳ね上がっているだけなので、実質的にはどちらのゴール期待値も低く、守備が堅い者同士の締まった試合で。手数の多かった浦和勝利は妥当でしょう。
浦和は16本もシュートを撃ちましたが安居のミドルシュートに象徴されるようにボックス外から、かつ枠外のシュートが多かったのでゴール期待値が低いのは当たり前でしょう。結局神戸守備陣を曲がりなりにも崩したのは71分渡邊の決定機だけだったかも。しかもそのシュートはへなちょこ。
それにしてもイサクを得たことで西川を使ったビルドアップを完全に諦め、自爆ボタンを投げ捨ててロングボール主体の攻撃に転じた浦和は実に手堅い。イサクを使ってボールを前進させ、イサク目掛けてサイドから放り込みまくれば1点は入る。そしてそれを守りきる、めっちゃ糞サッカーw
その結果なんだかんだと「ロースコアが基本」というスコルジャ2023へ戻ってきつつある感じ。しかも点を取る形はアホほど出来ているので内容は当時より大きく前進。それだけに内容は悪くないのに結果が出なかった鹿島戦と清水戦はもったいなかった。
でも面白くない上に全然勝てないよりは遥かに良いのだ。スコルジャがこんな糞サッカーを目指していたのはどうかはともかく、ビルドアップを仕込めない系の監督なのはもはや明々白々なので、屈強なCF、とにかくボールが収まるCFがいることを前提とするチームになってしまうのは仕方ないのかも。
そして鹿島、神戸、町田とそのタイプのチームがズラズラと上位に並んでいるのが今のJ1。来年の浦和はその系譜になってゆくんだろうなぁ・・・
-----イサーク-----
サヴィオ---渡邊---金子
---グスタフ--安居---
荻原-根本--マリウス-石原
-----西川-----
(得点)
47分 イサーク
(交代)
65分 安居→柴戸
77分 金子→松尾(松尾左SHへ)
77分 イサーク→小森
77分 グスタフソン→関根(関根右SH、渡邊CH、サヴィオトップ下へ)
90+1分 サヴィオ→早川
武藤---大迫----エリキ
--宮代----鍬先--
-----扇原-----
永戸-本多--山川-酒井
-----前川-----
(交代)
HT 大迫→井出(井出左IH、武藤CF、宮代左WGへ)
66分 エリキ→小松(小松CF、武藤右WGへ)
66分 宮代→汰木
74分 鍬先→飯野
89分 永戸→パトリッキ
・浦和はもう消化試合。しかも雨だったので観客数も38,062人と神戸戦にしては少な目でしたが、その大半は根本の実質デビュー戦を見届けるのが楽しみでやってきたのでしょう。そして根本の実質デビュー戦は上々の出来でした。
序盤から高精度のロングフィードを連発して埼スタを驚かせただけでなく、空中戦でもさすがに完勝とはいきませんでしたが、大迫に好きなようにはやらせず。あえて難を言えば荻原が裏を取られがちなので、そのフォローに追われたのがちょっと辛かったかなと思える程度で、大卒新人の実質デビュー戦としては楽々合格点クリアでしょう。
この出来なら疲労困憊のボザやマリウスを過密日程の中で無理使いする必要なんてなかったと思いましたが、井上が退団するまで根本がベンチ入りすら出来なかったのにはそれなりの理由があるのでしょう。
思えば既に浦和を去った佐藤も井上も初めて浦和でスタメン起用された時の評価は高かった。だが相手もプロなので試合を重ねるごとに弱点を突いてきます。ゆえに根本もおいおい辛い目に遭うでしょうが、プロ選手はそれを乗り越えてこそナンボ。とにかく大卒新人のスタメンデビュー戦は上出来でした。とにかくおめでとう!!
・この試合のサヴィオは「出力制御に失敗した」感じでした。持ちすぎて結局しょーもないロストが多かったかと。でもコンディションは良いのか、ボールを失った後のリカバリーが速くて大過なし。なんかめちゃ巧いし、めっちゃ走るのにチームの力になりきれないもどかしさ。
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