浦和は4/28に突如スコルジャとの契約を合意解除しました。浦和は目下PK戦負けを含めて7連敗中でしたが、「いくらなんでも特別大会中の監督解任はない!」と思い込んでいただけにこのニュースはまさに驚天動地でした。
その前日には浦和の2025年度決算が公表され、CWCの賞金が思った以上にしょぼかったのが祟ってなんと1億円の赤字を計上していたことが明らかになりました。2024年期中に無理矢理招聘したスコルジャがCWCで何の爪痕も残せず、さらにリーグ戦も不振に終わったにも関わらず、特別大会を前に更迭されなかったのは「違約金を払えないからじゃね?」という憶測が赤者の間では流れていましたが、その憶測が数字で裏付けられる格好に。
従って降格がない特別大会の結果&内容がどんなに悲惨であっても、「違約金を払ってまでスコルジャを解任することはない」と思い込んでいたのですが、今回の監督解任は「更迭」ではなく「合意解除」なので違約金はさほど高くない、ひょっとするとゼロかもしれないのがミソでしょう。
スコルジャが残したコメントや堀之内SDの会見を読むと、7連敗を喫してスコルジャも相当メンタル的にきつくなり、全く目標がない中でこれ以上監督を続ける意欲を失ってしまい、合意解除に至ったような気がします。
ともあれ、完全に消化試合と化した特別大会はプレーオフ2試合を含めてまだ残り8試合もあり、誰かしらが指揮を取らないといけない訳ですが、そこで浦和が選んだのはなんと田中達也U-21チーム監督兼トップチーム アシスタントコーチでした!!
悪く言えば「26-27シーズンへ向けての新監督を招聘するまでの時間つぶし」に過ぎない役回りですから、S級ライセンスを持っている池田コーチを内部昇格させて事に当たらせるのが筋でしょう。しかし浦和が赤者の間で悪評プンプンの池田コーチを飛び越して赤者の間で人気絶大だった達也を選んだのは「シーチケ更新促進を含めた営業目的」だと思わざるを得ません。
新潟で指導者としてのキャリアを積み、若手育成のために浦和へ帰ってきた達也が自分のキャリアをドブに捨てるかもしれないこんな形でのトップチーム監督就任を喜ぶ訳がないでしょう。それでも達也はOBであるがゆえに監督就任を引き受けてくれました。
ただ堀之内SDが会見で「現状では百年構想リーグの残り8試合にフォーカスして指揮を執っていただくという形になります。2026/27の新シーズンに関しては、新たな監督の招聘に向けてしっかりと準備していきたいと思っております」」と田中暫定監督は特別大会限りであることを明言してくれたのがせめてもの救い。そしてこの言葉が空手形ではないことを祈るばかりです。

試合に至るまでの前置きが長くなりましたが監督交代から時間がなさすぎたためか、川崎戦に臨むスタメンにさしたる変化はなく、出場停止明けのサヴィオがスタメンに戻って肥田野がベンチスタートになった他、出場停止の柴戸に代えて中島がスタメンに。さらに左SBを荻原から長沼と入れ替えただけ。
ただ二田や早川がベンチ入りした一方、関根も荻原もベンチ外になり、SBのサブが全くいない勘定になったのには少々驚きました。
川崎は宮城→マルシーニョ、丸山→ウレモヴィッチとスタメン2枚入れ替え。ただコイントスに勝った川崎がさして風も吹いていないのにわざわざコートチェンジしたのが謎でした。
7分にロマニッチに浦和左サイドを抉られて伊藤に決定機。伊藤のシュートは幸い味方のマルシーニョを直撃して事なきを得ましたが、非常に意外なことに前半川崎のチャンスらしいチャンスはこれだけで、13分金子から長沼へサイドチェンジし、長沼のシュートで終わった場面以降ほぼ一方的な浦和ペースで試合が進みました。
ほとんど準備時間がなかったにも関わらず、この試合ではピッチ上で様々な変化が見受けられました。まず顕著だったのはなぜか川崎のプレスが非常に緩いせいか、浦和は無闇にロングボールを蹴らずに丁寧にビルドアップするようになったこと。浦和のビルドアップがど下手くそなのはあまねく知れ渡っているはずなのに、この川崎の出方はこれまた謎でしたが、とにかく浦和には幸いしました。
また攻撃時には長沼をやたら高い位置に押し出して3-2-4-1のような配置で、13分の場面のように左大外にいる長沼へ展開して攻める形が大きく見受けられました。長沼が左大外に張っているのでサヴィオは自然インサイドにいることが多く、当然自由人中島とはしょっちゅうポジションを入れ替え。さらには金子とも入れ替わって右サイドへ出てくることもしばしば。ただ川崎の4バックに対してレーン被りを避けた5人で攻めるという構図は保たれていて、この辺はリカっぽい気も。
また守っては遮二無二マンツーマン気味に前からハメに行くのは止めて、プレッシングはかなりメリハリをつけていました。ただ素早い攻守の切り替え&高い位置でのボール奪回という意識は残ってて、実際高い位置でのボール奪取には何度か成功していました。これはスコルジャの置き土産でしょう。
しかし浦和がボールを一方的に試合したまま時が流れるものの、17分中島や38分オナイウの枠内ミドルはあったものの決定機は作れず。この辺は相手を押し込んでからが何もないスコルジャ時代と大差ありませんでした。もっとも川崎のカウンターを食らいまくった訳でもないので、「ボールを持たされていた」という印象はなく「川崎には何もやらせなかった」という印象で、こういう試合運びにもリカっぽさが少々。
またアホほどCKを獲得したもののなんの工夫も見られず、当然決定機は作れず。この辺はいかにも準備時間がなさ過ぎた感がありあり。

ただ後半に入ってもなおも攻勢を続ける浦和は54分好位置でFKを得て、金子FKをGKが辛うじてセーブしたこぼれ玉をサヴィオが角度のないところから、しかも起き上がったGKの股を抜く形でぶちこんで浦和がついに先制!「相手に何もやらせなければそのうちチャンスが巡ってくる!」と言わんばかりの先制点でしたが、サヴィオのゴールは難易度が高く、お高い選手じゃないと決められなかったでしょう。
そして目を惹いたのは浦和が劣勢に転じる予兆すらない60分に早くも中島に代えて早川を投入したこと。この辺は概して交代が遅かったスコルジャとは対照的で、先制した時点で中島より強度高くプレスをかけられる早川を投入するのは納得感がありました。
何もできないままビハインドに陥った川崎は61分にマルシーニョ→長、ロマニッチ→エリソン、ウレモヴィッチ→佐々木と三枚替えを敢行(但しウレモヴィッチは負傷っぽい)し、遅まきながら攻撃のギアを上げて浦和を自陣に押し込み始め、浦和がカウンターで対抗するような戦況に。65分にはカウンターのチャンスでオナイウのスルーパスを受けた安居のシュートがわずかに枠を逸れ、68分には伊藤のシュートを西川が右足で辛うじてセーブする場面も。
ドン引きに陥ったところで田中監督は70分オナイウ→肥田野、金子→小森と2枚替え。すると71分右サイドで浦和がボールを奪ってから細かくパスを繋ぎ、最後はユルユルのバイタルエリアから投入したばかりの小森が対峙したCB松永根の股を抜いたミドルシュートをぶちこんで貴重な追加点をゲット!!途中投入した選手がちゃんと機能するどころかいきなり点を取るっていつ以来だよ!!!
その後もエリソンに際どいシュートを撃たれるなどピンチもなくはなかったものの、82分に渡邊→植木、サヴィオ→松尾と今後の連戦を考慮したような交代も見せて逃げ切り勝ち。そして浦和は連敗を7で止めて3/7水戸戦以来の勝利を掴みました。

試合前はただ観戦しているだけの私なのに決算発表とそれに関する社長のあんまりな発言の数々、そして唐突すぎる監督交代劇を受けてすっかりメンタルがやられてしまい、「火中の栗を拾ってくれた達也の顔に泥を塗るような恥ずかしい試合だけはしないでくれ!!」と志も甚だ矮小化していたのですが、終わってみれば完勝。しかもスコルジャとは芸風がかなり違ったサッカーでの完勝だったので驚きも2倍、2倍!!(丸八真綿風)
準備時間がほとんどなかったにも関わらず、新監督の色がめっちゃ色濃く滲み出たサッカーが出来た理由は正直謎です。達也は選手時代と変わらず、あまり長々としゃべるタイプではなさそうで試合後会見のコメントもスコルジャ比ではかなり短め。ただそれでも選手達には何がしか伝わるものがあったのでしょう。いくら時間があったも伝えられなかったスコルジャとあっという間に伝えられた達也の差はどこから来たのか・・・
まぁこの日の浦和のサッカーは多分にリカっぽいところがあって、5バックでレーンを埋めてくるチームとか、マンツーマン気味に強く前プレを仕掛けてくるチームといったリカが苦手だった相手にどこまで通用するかは甚だ不透明ですが、そんな心配は本格監督に向けるべきものであって、暫定監督にあれこれ注文をつけるのは意味はないと思います。田中暫定監督は来るべき新監督へのつなぎ役として現有戦力の底上げが出来ればそれで十分かと。かつての大槻暫定監督と違って「目先の勝ち点を積む」タスクはありませんし。
ひとつ心配なのは、田中暫定監督の初陣が完勝に終わったのを受けて、アンポンタンな社長とその取り巻きであるアナリストが「このまま26-27シーズンも田中監督でいいんじゃね??」と言い出すこと。社長が言ってしまうともはや堀之内SDは撥ねつけられる立場じゃないからなぁ・・・色々と悪いシナリオを考えていたのに、それを上回る悪夢を繰り出してくるのが浦和だからなぁ・・・

-----オナイウ-----
サヴィオ---中島---金子
---安居--渡邊---
長沼-根本--宮本-石原
-----西川-----
(得点)
54分 サヴィオ
71分 小森
(交代)
60分 中島→早川
70分 オナイウ→肥田野
70分 金子→小森(小森&肥田野の2トップ、早川右SHへ)
82分 サヴィオ→松尾
82分 渡邊→植木

-----ロマニッチ-----
マルシーニョ--脇坂---伊藤
---山本--橘田---
三浦-松永根-ウレモヴ-山原
----ブロダーセン----
(交代)
61分 マルシーニョ→長
61分 ロマニッチ→エリソン
61分 ウレモヴィッチ→佐々木(負傷による交代)
74分 伊藤→河原(河原CH、橘田右SHへ)
82分 橘田→宮城(宮城左SH、長右SHへ)