共に前節から中2日。かつ第12節から中2日ないし中3日で続いた5連戦の最後。
浦和は前節からオナイウ→小森、金子→早川、植木→グスタフソン、中島→安居、石原→ボザ、関根→長沼とスタメン6枚入れ替え。
酷使されっぱなしだったオナイウと連闘だった植木はベンチ外で完全休養となり、代わってテリンが久しぶりにベンチ入り。
水戸は前節30分に退場者(CB牛澤がDOGSOで一発レッド)が出てしまい、残り60分超を10人で闘う羽目になったせいか、GK西川、CB大森、CB板倉以外のスタメン8枚を入れ替え。しかも水戸は怪我人が多いのも祟って、いつもの4-4-2の布陣を組めずに3-4-2-1で臨んできました。
強風が吹く中、浦和がコートチェンジして風上を選択。水戸の3-4-2-1は戦術的なオプションではなく、やむを得ず組んだ布陣という色彩が強いせいか、ほとんど前からプレスはかけてこず、守備時は5-4-1でローブロックをつくる志向でした。
そのため浦和はビルドアップには全く支障なく、序盤は一方的に浦和がボールを支配(NHKのスタッツだと前半19分に浦和のボール支配率は72%!)したもののただそれだけで、水戸の守備ブロックの前に何もできないまま時間は徒過。
ゲームが動き出したのは23分早川スルーパス→ボザのボックス内突入から。ボザのシュートはGKがセーブ。こぼれ玉を拾った渡邊のシュートはブロックされて得点ならず。しかし続く24分早川CK→長沼ヘッドがバーを直撃。その跳ね返りを安居が詰めて浦和先制。長沼は水戸のゾーンディフェンスの選手間でどフリーでヘッドを放っていましたが、選手後の樹森監督の会見によると水戸はセットプレーの守備に課題を抱えているようです。
先制された水戸は一転してボールを支配する展開になりましたが、浦和が珍しくCF+トップ下+SHの片方の3トップ気味に強くプレスをかけて対抗。残念ながらプレスがハマっているとは言い難かったものの、水戸のビルドアップを停滞させる程度には機能。また水戸がそれをなんとか掻い潜ったところで攻撃にまごついているうちに浦和の帰陣&プレスバックを食らって攻撃が終わってしまう場面が目立ちました。

1点ビハインドどころか前半シュートを1本も撃てずじまいに終わった水戸は後半頭から奥田→レイリアとシャドーを交代。しかしその甲斐もなく、49分CB佐々木がセンターライン付近で長沼の縦パスを受けようとしたサヴィオの足首を後方から足裏で削るという、サヴィオの選手生命を断ちかねない危険極まりないファウルを犯して、OFRの結果一発レッドに。これを最初はイエロー止まりにした上田主審も残念ですが、水戸はこの大会で計6回もの退場者を出している(うち1回は監督自身w)ようで選手のレベル云々以上に樹森監督の指導がかなり残念なようです。
浦和は52分傷んだサヴィオに代えて中島を投入し、さらに故障明けのグスタフソンに代えて金子も投入。
一方水戸はやむなく山﨑→大崎と代えて5-3-1の守備ブロックで耐えることに。当然浦和が一方的にボールを回す展開となりましたが、浦和は無理に攻めずに延々とボールを回すだけ。田中監督は「ボール保持のところで僕は攻撃的な面ではなくて、相手に攻撃をさせないために保持する」という志向なのでこれでなんら差支えないのでしょうが、観ている側にはかなり退屈。
だが70分久しぶりに水戸が攻めに出たところで、右サイドでレイリアからボールを奪って浦和のカウンターが発動。長沼の縦パスを受けてボックス内に突入した小森の切り返しが効き、さらにシュートコースを探しに探してついに左足が咆哮!! この試合最初のシュートでいきなり2点目をゲット!!
これで事実上勝負ありと見て田中監督は76分小森に代えてテリンを試運転。水戸は鳥海→安藤、多田→パトリッキと代え、4-4-1に布陣を変更して数的不利でも果敢に攻めに出たのが仇となったようで、77分CB大森がボールコントロールに失敗して転倒した隙を突いて浦和のショートカウンターが発動。早川の縦パスを受けたテリンがファーストタッチでCB板倉を手玉に取り、GKの股をも抜いて3点目。
さらに79分渡邊のロングフィードを受けてボックス内に突入した早川が自分でシュートを撃たず、後方から駆け上がってきたテリンを待ってラストパス。それをテリンがきっちり決めて4点目。2023年の早川-カンテもそうでしたが、どういう訳か外国人CFとの相性がやたら良いのが早川。早川は自分で撃たずにテリンが上がってくるのを待つ、テリンもパスが出てくるのを信じてタイミングを合わせてきっちり決めるなんて信じあう者同士じゃないとできないプレーでしょう。
またテリンはCFに猪突猛進的な前プレを要求する2026スコルジャの下では出番が激減しましたが、そんなものはほぼ放棄した田中監督の下では「頼れる点取り屋」として復活するのかも?
そして田中監督は「僕はボールを保持しながらキレイに崩すというより、速い攻撃が好き」だそうで、試合後この一連の攻撃を絶賛!!
水戸の攻撃がようやく実ったのは84分。左サイドからCB大森のクロスがファーの右WB山本へ通り、山本は対面の長沼を振り切ってゴール!!ここで振り切られてしまうのがSBとしての長沼の弱点かなぁ??続く86分には右サイドでレイリアがクロス→パトリッキがバイシクルボレーの見せ場を作りましたが、これはGKの正面へ。

田中暫定監督就任後からいきなり4連勝。しかも超過密日程で選手をちびちび入れ替えながらの4連勝。スコルジャは浦和同様にチーム状態が良くない横浜M相手に撃ち合いの末にホームで負けたのがきっかけとなって解任されたことを思えば、全部中下位チーム相手とは言え4連勝は率直に評価していいと思います。
暫定監督を引き受けてからまとまった練習時間なんてほとんどありませんから、達也が何かスコルジャとは違った仕組みを選手達に仕込んだのが奏功してチームが一変したとは考えられません。どうも達也のモチベーターとしての才能が浦和の選手達の能力を解き放ったように思えます。
具体的にはなんかスコルジャが選手にあれこれ課していた縛りを緩め、「最低限の約束事さえできていれば、あとはご自由にどうぞ。でもちゃんと走れよ!!」みたいなある意味緩いやり方に変えたのが良かったように思えます。特に自由人中島やサヴィオにはこれがハマったようです。その緩いやり方で、あんなにど下手くそだったビルドアップがいきなり出来るようになったのにはおったまげましたが。
また超過密日程の中で選手をちびちび入れ替えざるを得なかったのも、選手間の競争を活性化させるのに役だったことでしょう。降格がない大会で、しかももはや優勝の目もない暫定監督なので目先の勝ち点に拘らずに選手を入れ替えやすかった点は考慮すべきと思いますが、それでもスタメン固定的だったスコルジャの下ではサブorベンチ外だった選手達のモチベーションが上がりまくったのは想像に難くありません。
その結果中島、安部、植木、早川とスコルジャ時代には出番が少なかった選手がまとまった出場時間を得て活躍し、おまけに右SBボザが使いものになることを発見できたのだから監督としては万々歳でしょう。もっとも達也がアシスタントコーチとして選手達の様子をちゃんと見ていたのが下地にはなっているのでしょうが。
さらにどんなに選手を入れ替えてもやっているサッカーの内容も質も大きくは代わらないのはスコルジャ時代との大きな差かも。これも達也流の「縛りの緩さ」が良いほうに転んでいるせいかも。

4連勝を受けて「田中暫定監督を来季も正式監督に!」という声が高まるのは無理もないと思いますが、私は浦和フロントを全く信用してないのでその案には極めて消極的です。
まず田中暫定監督が就任する予定だったU-21がいきなりどうでも良い存在になりかねないから。
また悲しいくらいに残念なことですが、達也を正式監督にしたところで達也が要求する補強はたいして行われなかったり、やっと補強したと思えばニーズとは違った選手を連れてきたり、それ以前に「チームコンセプト」という名のもとに達也が得意とはしない珍妙な要求を突きつけたり、さらには「ACLE圏は必達だ!!」みたいな無理難題を押し付けたりして、過大な目標が達成できそうにないと見るやあっさり首を切る未来が見えているから。
そんな浦和に偉大な監督になるかもしれない田中達也のキャリアを傷ものにされてたまるか!!!それが偽らざる心境です。
かといって田中暫定監督がやっているサッカーとは連続性が感じられない監督を次期正式監督として連れてこられても困る訳ですが、それをやりかねないのが浦和フロントだからなぁ・・・

-----小森-----
サヴィオ---渡邊---早川
---安居--グスタフ---
長沼-根本--宮本-ボザ
-----西川-----
(得点)
24分 安居
70分 小森
77分 テリン
79分 テリン
(交代)
52分 サヴィオ→中島
52分 グスタフソン→金子(金子右SH、早川トップ下、渡邊CHへ)
76分 小森→テリン
82分 ボザ→石原
82分 早川→松尾(松尾左SH、中島トップ下へ)
-----多田-----
--奥田----鳥海--
山下-山崎--川上-山本
ー大森--板倉-佐々木-
-----西川-----
(得点)
84分 山本
(交代)
HT 奥田→レイリア
52分 山﨑→大崎
76分 鳥海→安藤
76分 多田→パトリッキ
90分 川上→根本
※写真は試合とは全く関係ありません。