特別大会の優勝をかけて東地区1位と西地区1位が争う以外には何のために開催されているのかさっぱりわからない上に、ご丁寧にもホーム&アウェーで2試合も開催されるプレーオフラウンド。東地区6位の浦和の相手は西地区6位の岡山。
浦和は小森→オナイウ、サヴィオ→関根、金子→肥田野。渡邊→安居、石原→ボザとスタメン5名入れ替え。前節ベンチ外だった関根と安居をスタメン起用したので、植木とテリンがベンチ外に。
もはや過密日程でもないのにスタメンを結構弄りがちなのは前節町田戦でも見受けられた田中監督の性癖のようで、「日々のトレーニングを評価して選手を選ぶ」という田中監督の信念を愚直に遂行した結果なのでしょう。まぁ目先の勝ち点に捉われなくても良い立場なのでそれが出来るのでしょうが。ただベンチ入りメンバーを含めて結構選手を入れ替える監督のもとでも全くベンチに入れない選手が何人もいるのは気になります(片山は故障中)。
一方岡山はポポ→ルカク、白井→本山、濱田→モーザーとスタメン3名入れ替え。今大会での岡山の様子は全く見ていませんが、出場記録を見る限りではルカオはもはやCFのファーストチョイスではなく、最近はポポがスタメン起用される試合が多かったようですが、木山監督はフィジカル的に脆弱な浦和最終ライン相手なら屈強なルカオがハマると考えたのかもしれません。ただポポがいきなりベンチ外なのには驚きました。
なお浦和からレンタル中の工藤はそもそも契約上浦和戦に出場できませんが、それ以前に4/5神戸戦で負傷してそのまま長期離脱中のようです。

試合は開始早々からボールを持って相手を自陣に押し込みたい浦和と、カウンターで対抗する岡山の構図が明らか。そして最初に決定機を掴んだのは浦和で、9分中島CKからファーでどフリーで根本が放ちましたが、ここはGKモーザーが辛うじてセーブ。
そしてこの決定機を逃して以降の浦和は岡山の前プレに抗しきれずにビルドアップに苦しみつづけました。グスタフソンがいるのにビルドアップに苦しむのは予想外だったのか、浦和はやむなく西川のロングフィードを多用して前進を図るものの、金子がいないのでターゲットはオナイウだけ。そしてそのオナイウがハイボールに全然競り勝てないのでロングボールは有効打にならず。前半ピッチ上で繰り広げられているのはどう見ても「出来が悪い時のスコルジャのサッカー」でしかありませんでした。しかも守備重視のスコルジャならスタメンでは使わなかった中島と関根を使いながらの「中途半端なスコルジャサッカー」。
さらに攻撃時には長沼を高く押し出す田中流もかなり研究されたようで、スタメンに抜擢された右WB本山がとにかく長沼を縦に走らせないように対応。この妙手も浦和の手詰まり感を生んだような気も。
そして14分ルカオのプレスバックでグスタフソンからボールを奪ったところから岡山が反撃。木村が右サイドで宮本と競り合いながらボールを繋ぎ、ボックス内でルカオがシュートを放ったものの、ここはボザがゴールライン上でクリア。続く15分には宮本の縦パスをルカオが根本を背負いながら反転シュートを放ちましたが、ここは西川がセーブ。
それでも浦和は25分くらいならなんとかボールを持てるようになり、34分には中島スルーパスから肥田野の決定機を作りましたがここはモーザーがセーブ。一方40分には肥田野のボールロストからショートカウンターを食らって宮本に決定機を許してしまいましたが西川セーブ。また岡山は「浦和はセットプレーに弱い」と踏んでか積極的にCKを取りに行ったようにも伺え、実際その狙い通りに山のようにCKを得ましたが、キッカーの質に難があるのか、この試合を通じてCKは全く決定機に結びつきませんでした。

岡山優勢のまま後半へ入って48分長沼の裏を突いて右サイドから本山がフリーでクロス→中ではルカオがこれまたフリーでヘッドという、浦和からすれば目も当てられない形で岡山がついに先制。この試合の浦和左サイド中盤は中島&グスタフソンでしたが、この組み合わせで盛んに上下動を繰り返す長沼のカバーを全うするのは無理があったかも。中島が本山をフリーにしてしまった時点で勝負ありで、クロスの先で宮本がルカオ相手になんとかしろっちゅーのは無理難題でしょう。
56分にも江坂縦パス→ルカオのポストプレーから江坂に決定機が生まれましたが、シュートは西川の正面。
ビハインドに陥ってなお芳しくない戦況を受けて田中監督は57分グスタフソン→渡邊、関根→金子、肥田野→松尾と一気に3枚替え。大幅なスタメン入れ替えを目一杯好意的に解釈すれば「猛暑下で消耗が激しいだろうから、終盤にレギュラー組を投入して『選手の質の差』で殴り勝つ作戦」だったのでしょうし、実際その策はそこそこ奏功してようやく浦和はボールを握って相手を自陣に押し込むことに成功。特に何の役にも立っていなかった関根を金子に代えたのはかなり効果がありました。
そして70分左サイドで松尾がタメを作ったのが効いて股抜きパスでボックス内の中島にボールを繋ぎ、中島がマイナスのふんわりクロス→ボザのヘッドで同点に。
さらに71分にはオナイウに代えて小森を投入し、「いよいよ相手を自陣に押し込んでタコ殴りか!!」と思ったのだが、猛暑のためか浦和の選手は後半投入の選手も含めて動きが悪くて、ボールを支配するでもなく、シンプルに攻撃の形を作るでもなく、何をやりたいのかさっぱりわからないまま時間が徒過。85分には大駒サヴィオを投入しましたが、全く何も起こらず。
しかも非常に不可解なことにこの試合は給水タイムがなく、終盤は岡山に足を攣る選手が続出しましたが、そんな岡山を浦和は攻めきれずに試合終了。プレーオフにはPK戦はないようで、久しぶりの引き分けでした。

特別大会東地区は「ただの関東大会」になってしまったので、久しぶりの遠征=アウェーゲームらしいアウェーゲームだったせいか、何の意味があるのか判らない試合だった割には結構な数の赤者が岡山へ押しかけたようですが、残念ながら炎天下という厳しい環境下での非常に見どころの乏しい試合となってしまいました。
岡山は浦和対策を練ってのルカオや本山の起用が当たったのに対し、浦和は「自分たちのサッカー」をやろうとするだけで実に無為無策。しかも3枚替えまでは「自分たちのサッカー」すら出来ず、これではスコア上はともかくシュート数、枠内シュート数等のスタッツ上ではボロ負けしているのも当然でしょう。
また過密日程でもないのに田中監督がスタメンを頻繁に入れ替えるのが悪いほうに作用して、まとまった練習時間が取れるようになったにも関わらずチームの成長が感じられないのは残念でした。まぁこの辺は田中監督の力量如何よりも、もうすぐいなくなるのが判っている監督の下で選手達は練習も試合もモチベーションが保てなくなっているのかもしれません。しかも後任が田中監督とはスタイルが真逆の監督と噂される中で。

---オナイウ--肥田野--
中島--------関根
---グスタフ--安居---
長沼-根本--宮本-ボザ
-----西川-----
(得点)
70分 ボザ
(交代)
57分 グスタフソン→渡邊
57分 関根→金子
57分 肥田野→松尾
71分 オナイウ→小森
85分 中島→サヴィオ
-----ルカク----
--江坂----木村--
山根-小倉--宮本-本山
-鈴木--立田--大森-
-----モーザ-----
(得点)
48分 ルカオ
(交代)
62分 ルカオ→ガウショ
62分 山根→白井
68分 江坂→西川
68分 本山→末吉
79分 鈴木→阿部
※写真は試合とは全く関係ありません。