2019.12.18

謎過ぎる大槻監督続投(5・了) ~ 若手育成にも失敗 & 時間を与える意味は?

(3)若手育成にも失敗

・大槻監督は就任時に中村GMから「世代交代」というタスクを押し付けられました。拙稿「何度も繰り返される愚行 ~ THIS IS URAWA!!」で記したように、「世代交代しながら勝つ」なんて言うのがそもそも無理難題。優勝を義務付けられたトップチームの監督は勝てないと当然クビになりますから勝負を度外視してまで若手を使うなんてことは難しく、せいぜい実力が同じなら若いほうを使うくらいのことしかできません。

・またそもそも世代交代しようにも、手元にこれといった若手選手がいないとどうにもなりません。ミシャ時代に世代交代を意識して20代半ばの選手を集めたはずですが、それぞれの理由で悉くいなくなってしまいました。オリヴェイラ時代に世代交代がなかなか進まなかったのは別にオリヴェイラが使う選手を固定したからではなく、そもそもベテランを脅かすような中堅・若手選手が少なかっただけの話で、むしろ選手編成の歪さ=フロントの責任が大だと思います。

・従って、今年活躍した若手が昨年からスタメンで起用され続けている橋岡だけに留まったことについて、大槻監督が多くの責めを負う必要はないと思います。

・ただ「世代交代」の旗印のもとにベテランになった森脇や宇賀神がまだまだ戦力になりうるにも関わらずあからさまに干された反面、昨年とは対照的にユース新卒がリーグ戦で一人もベンチすら出来なかったこと、大卒新人の岩武もほとんど戦力にならなかったこと、ユース卒2年目の荻原の出番は激減し、大卒2年目の柴戸も食いつきすぎるのが仇となって劣化の一途を辿っていること等々を考えれば、「無理やりベテランを干した割には実りはなかった」というのが今年の世代交代に関する偽らざる個人的な評価です。

(4)時間を与えても解決する気がしない - ACL決勝第2戦

・リーグ戦とACL、そして9月までは天皇杯やルヴァン杯までも併行して闘っていたので、浦和は中3日ないし中4日、酷い時には中2日で立て続けに試合をこなす羽目になりました。ゆえに、大槻監督は選手達のコンディションを回復させるのが精一杯で、フォーメーション変更を試そうにも、分析結果を選手達に落とし込もうにも、とにかくまとまった練習時間が全然取れなかったのは事実でしょう。

・それゆえ「大槻監督に時間を与えれば何とかなる!」というのが、今の浦和フロントの一縷の望みというか神風理論になっているのではなかろうと思います。だが、個人的にはその微かな望みを打ち砕いたのがACL決勝第2戦の惨敗だったと感じています。

・決勝第1戦と第2戦の間は超長距離移動を挟んでいるとはいえ丸々2週間ありました。第1戦は内容でこそボロ負けとはいえスコアは「0-1」に過ぎなかったので、その2週間を利用してホームでの第2戦での反撃は十分可能と信じていたのですが、残念ながら第2戦は結果・内容とも第1戦以上のボロ負け。特に第1戦でボコボコにされた左サイドの守備を第2戦で何の手当てもしていないことが試合開始10分も経たずに露呈したのが衝撃的でした。心が折れる光景でした。

・おそらく大槻監督に時間を与えたところで堀監督と同じ道を辿るだけでしょう。またいくら試合間隔は短いとはいえ、既に監督就任から半年以上が経過して戦績は上向くどころか下降の一途。一方8月下旬に磐田の監督に就任し、何の予備知識もないところからスタートしたはずのフベロが直近7試合で4勝1分け2敗と勝ち点を13も積み上げているのを見ると、監督に時間を与える意味とは何なのか?と思わざるを得ません。

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・何一つ良いことがなかった2019年も終わろうとする中、なぜか矢継ぎ早に浦和フロントが打ち出した諸施策を見た悲しみの余り、後ろ向きなことばかりつらつらを書き連ねて申し訳ありません。

願わくばこの悲観的な観測が悉くはずれ、素人集団だったはずの新強化部門は実は超有能だったり、時間を与えられた大槻監督が謎の覚醒を果たしたりして、2020年が浦和再生の一年になると嬉しいのですが。

 

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2019.12.17

謎過ぎる大槻監督続投(4) ~ 悲惨な試合内容(下)

※謎過ぎる大槻監督続投(3) ~ 悲惨な試合内容(上)からの続き

c)乏しい引き出し ー 謎すぎる「ちょいミシャ」への固執

・先述のように大槻監督は就任早々基本フォーメーションを3-4-2-1に戻しました。長年「ミシャ式」に慣れ親しんだ選手が西川・槙野・青木・武藤・興梠とセンターラインに依然としてごっそり残っている以上、とりあえず「ミシャ式」に戻してチームを立て直そうという意図は判らなくもありません。前年の暫定監督就任時のように手っ取り早く勝ち点を稼いで後任に引き継ぐような立場であれば、なおさらそれしか出来なかったでしょう。

・ところが、正式に監督として就任した今季の場合は、そもそも「ミシャ式回帰」が最適解だったのかどうか。残念ながら大槻監督はミシャのもとで研鑽を積んだわけでもなんでもなく、「ミシャ式」向けのトレーニングメソッドを豊富に有していたのかどうか怪しいものです。少なくともピッチ上で起こった現象、特にビルドアップ能力がガタ落ちになったところを見ると、ミシャ式でチームを立て直せる能力があったとはとても思えません。そしてピッチ上で再現されたのは「仏作って魂入れず」みたいな「ミシャ式の抜け殻のようなもの」に過ぎませんでした。

・そもそも期待を大きく上回る戦果を挙げた昨年暫定監督時ですら、選手のモチベーションを上げに上げたのが効いただけで、戦術的には「ミシャの残り香」「ミシャの思い出」にひたすらすがってだけのように見受けられました。あれからさらに1年が経過し、選手達はオリヴェイラ式に魔改造されて残り香も消え失せかかっているであろうのに、「夢をもう一度」にはかなり無理があったと思います。

・そして「ちょいミシャ」を決定的に瓦解させたのが攻守両面で「ミシャの残り香」を必死に振りまいていた武藤の長期離脱でした。

・またなんだかんだとミシャ更迭後に加入した選手が増えているにも関わらず、大槻監督が3-4-2-1の基本フォーメーションに固執し続けたのも謎でした。その極めつけが最終節興梠のやむを得ない事情による欠場を受けてのマルティノス1トップ起用。何もそこまで3-4-2-1に拘る必然性なんて全くないでしょうに。

・さすがにあんまりな機能不全ぶりを受けて最終節後半は2トップ気味に修正しましたが、このような選手交代に伴うフォーメーション変更という例も少なく、大槻監督の引き出しの無さを感じさせました。

・その結果マルティノス然り、ファブリシオ然り、杉本然り。個人能力はそれなりに高いものの、3-4-2-1の1トップでもシャドーでも使いづらい選手が常時ベンチを温める始末。山中に至ってはほぼ使い道がなくなってしまいました。「ちょいミシャ」に固執した割には結果は全く出ず、有力選手がやたらベンチにゴロゴロするとなるとチーム内に不満が鬱積するのも当然でしょう。

・なお大槻監督は昨年「ミシャチルドレン」が出ないルヴァン杯では4-4-2を採用しています。ゆえに大槻監督は本来選手の向き不向きに応じたフォーメーション変更が出来るはず。なのに、今年監督が得手としている訳でもなんでもない3-4-2-1に拘ったのは何故なのか、非常に不可思議です。さらに言えば、大槻監督が本当にやりたかったのは何なのか?という疑問に辿り着いてしまいます。

d)分析結果を選手たちに落とし込めない 

・大槻監督は「相手の分析が得意」という話を良く聞きます。ACL準決勝第2戦で練習の様子から広州恒大のメンバー・システム変更を予測していた話を聞くと、確かにそんな一面もあるのかなと思います。

・しかし、「相手の分析が得意」という割には序盤なすすべなく相手にタコ殴りされる試合があまりにも多かったような気がしてなりません。中途半端に前に出てボコられた第1節大分戦、逆に引きすぎてボコボコされた第23節神戸戦、相手のハイプレッシャーに抗しきれなかった第33節FC東京戦がその象徴例。いずれも傍目には浦和がわざわざ最悪手を放っているようにしか見えませんでした。

・また守備は「前ハメ」に重きを置いていたにも関わらず、相手のフォーメーションなりボールの動かし方なりに応じて、こちらがハメ方を調整しているようには見えず、結果として嵌まったり嵌まらなかったりするのもどうかと思います。

・試合途中での修正能力を評価する向きもあるようですが、「修正が上手くいった」といっても壊滅的だったのを五分五分に戻すのがせいぜいで、選手交代とかフォーメーションの変更とかで相手を上回り、勝ち点を掴み取ったような試合は第15節鳥栖戦のマルティノス投入くらいしか記憶にありません。逆に相手の出方の変化に付いてゆけずに逆転負けを喫した第24節松本戦のほうが強く記憶に刻まれています。

・結局のところ、「分析担当コーチとしては優秀かもしれないが、分析結果をもとに対策を立て、その対策を練習を通じて選手達に落とし込む監督としての能力は高くない」というのが大槻監督に対する個人的な評価です。

 

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2019.12.16

謎過ぎる大槻監督続投(3) ~ 悲惨な試合内容(上)

・今年素晴らしい成績&観客を魅了する内容でJ1優勝を果たしたポステコグルー監督も昨年は残留争いに巻き込まれました。またミシャに至っては広島2年目(2007年)に降格する憂き目に合っています。このように後に成功した監督であっても、最初から上手く行った訳ではなく、様々な理由で就任当初は成績は振るわなかった例はいくらでもあります。従って、監督就任初年度の成績だけを見て続投の可否を決めるのはあまりにも稚拙という意見もあろうかと思います。

・数多の選手達が「監督に付いてゆこう」という思わせる何かを監督が持っているとか、ここを補強すれば劇的に成績が改善し得るとか、そんな先々期待できる材料があるならば、初年度の成績が振るわなかったとしても監督を続投するのは問題ないと思います(翌年度そんな「材料」は幻だったと判明する例も少なくありませんが)。

・ところが、今シーズンの大槻監督にそんな「材料」があったのでしょうか? 大槻監督のリーグ戦21試合にそんなものはあったとは私には全く思えません。以下4点にわたって大槻監督の救いの無さを検証してゆきます。「ふんわり」とした話の連続になりますがご容赦願います。また「野球ではないので攻守を分けて話すのは本来意味がない」というもっともなツッコミもこの場では大人げないかと。

a)全く守れない ー 引くとまるでだめ、前ハメにこだわるもカラ回り

・リーグ戦総失点50。うち大槻監督就任後の失点は33(1試合平均約1.57)。毎試合当然のように失点を重ね、無失点はなんと第18節仙台戦のみ!守備陣の陣容を考えれば信じ難いザルっぷり。しかも常に前がかりな攻撃的スタイルではないのにザルだという、これだけでも大槻監督の更迭には十分すぎる材料だと思います。

・大槻監督は就任早々基本フォーメーションを3-4-2-1に変更しました(これは前年の暫定監督時も同じ)。「選手がミシャの下で長年慣れ親しんでいる」のがその理由のようですが、ミシャ自身が試行錯誤を重ねたために浦和の守備は年によって出来不出来が激しく、フォーメーションを形ばかりミシャ式に戻したところで直ちに守備が安定するわけでもなんでもないのは当然でしょう。

・ましてや長かったミシャ時代ももはや2年前の話。このフォーメーションのもとでいかに守るかは大槻監督の仕込み如何だったと思います。ところがピッチ上の様子を見る限り、大槻監督が仕込んだ形跡は特に見受けられませんでした。

・もっとも残念だったのは「5-4-1の守備ブロックを敷いて相手にボールを持たせる」ような守備が全く出来なかったこと。第23節神戸戦の惨敗がその象徴事例で、主導的にボールを持ち、ボールを動かしてくるような相手には概して目も当てられない惨状に陥りました。横浜M・札幌・川崎・名古屋・大分と、悪く言えば「ケツが軽い」チームにはカウンターが有効なはずですが、自陣で良い形でボールが奪えないのでカウンターも繰り出せない。この手のチームに一勝も出来なかったのは道理です。

・引くとまるでダメなので、大槻監督も興梠を筆頭に一部の選手達も「前からハメに行く」ことに重きを置き出しましたが、これがハマったり、ハマらなかったり。端的に言えば相手のフォーメーションなり、ボールの動かし方なりを見て、こちらの追い込み方を予め仕込んでいる風には見えず、ただただ前線の選手達の頑張りに依拠しているようにしか見えませんでした。

・しかもその「頑張り」の最たるものだった武藤が第29節大分戦で故障&長期離脱してしまうと、もはや浦和に守る術は無いも同然に。ファブリシオは頑張ってくれないし、マルティノスの頑張りは明後日の方向を向いている。大分戦以降一つも勝ってないのは偶然ではありません。

・従って「前ハメ」はリトリートよりはマシとは言え、練度が低いというか無いも同然なことに変わりないので、パス回しの上手いチームには浦和の網目の破れているところを探し当てられた挙句、前ハメの過程でスカスカになった浦和の中盤を蹂躙される羽目に。

・うーん、これでは毎試合のように失点を重ねているのは当然ですなぁ・・・
  
b)興梠&両WB頼みの少ない攻め手

・リーグ戦総得点34。うち大槻監督就任後の得点は24。セットプレーとかなんだかよく判らないPKとかで1点ぽこっと取って勝ち点を拾うという「糞サッカー」を全面展開したオリヴェイラよりはマシとはいえ、大槻監督就任後も浦和の得点力の低さに変わりはありませんでした。

・なにせ総得点34のうち12点が興梠。その次に点を取った長澤はなんと3点でしかないという、あんまりな得点源の偏在ぶりには頭が痛くなります。これだけフィニッシャーが偏っていれば相手CBも対応は容易でしょうに、その監視の目を掻い潜ってなおもゴールを決め続けた興梠には頭が上がります。

・当然ながら興梠ががっちりマークされたり、興梠自身が不調だったり、そもそも興梠までボールを運ぶ手立てが失われたりすると浦和に点が入る気は全くしなくなりました。そして大槻監督下でもっとも顕著だったのは「興梠までボールを運ぶ手立てが失われたりする」というビルドアップの問題だったように思います。フィニッシャーの能力不足で点が取れないのではなく、そもそもシュート数が少ない。CKすら取れていない。そういう問題です。

・第33節FC東京の前半が極端な例でしたが、相手が前から強いプレッシャーをかけてくる相手に対して浦和は細かくボールを繋げなくなってしまいました。ここがミシャ時代と比べて著しく劣化した点で、これでは形ばかりミシャ式に戻したところでその内実はもはや全然別物と断じざるを得ないでしょう。

・ビルドアップ能力がガタ落ちの浦和は岩波やマウリシオから高い位置にいるWBへ大きく展開し、サイドから興梠へクロスというシンプルな攻撃に頼る場面が目立つようになりました。Jリーグレベルなら橋岡の高さが活きて、ボールをはたいたところからの展開が望めましたし、復帰当初は関根のドリブルにもキレがあったので、両WBを酷使する浦和の攻撃にもそれなりに可能性はありました。しかし興梠も両WBもACLと併行して酷使に酷使を重ねた結果、終盤浦和の攻撃は完全に行き詰まってしまいました。

・またミシャ時代なら「外がダメなら中央突破、中央突破がダメなら外」と相手を惑わせる攻撃オプションがあったからこそWBも活き、両シャドーもボコボコ点が取れたのに、今や外しかないなら相手も対策を立てるのは楽でしょう。

・非常に不思議だったのは大槻監督がボールを持てている状況をもって「良し」と判断していたこと。前述のように相手にボールを回されてしまうと大惨事に陥るのが常なので、積極的にボールを奪いに行き、ボールをこちらが支配できたことをもって「良し」と判断したのかもしれません。しかし、残念ながら浦和がボールを持ったところで相手の守備陣を崩す手立てを持っているわけではなく、往々にして攻めきれずにカウンターを浴びる羽目に。これは最終節G大阪戦で頻出した地獄絵でした。

・オリヴェイラが頻りに強調していたセットプレーも不発。直接FKが決まったのは最終節の柏木の一発のみ。もっともこれは柏木がほぼ丸1年使い物にならず、山中もスタメン定着には程遠い出来だったので、プレースキッカーの人材難が主因かもしれませんが。

※ c)乏しい引き出し & d)分析結果を選手たちに落とし込めない は次稿へ

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2019.12.15

謎過ぎる大槻監督続投(2) ~ 悲惨な成績

・浦和2019年の最終成績は以下の通り

○リーグ戦:14位(9勝10分15敗=勝ち点37)
○ACL準優勝
○天皇杯:4回戦敗退(JFLのアマチュアクラブに敗れる!)
○ルヴァン杯:準々決勝敗退(事実上初戦敗退)

・ACL準優勝だけが燦然と輝いているものの、それ以外は目を覆わんばかりの有り様でした。

・リーグ戦では残留争いに両足どころか腹くらいまでどっぷり浸かっていた浦和がACLだけ好成績を収められた謎については、それはそれで考える価値がありますが、大槻監督の続投の是非を考えるにあたってACLの好成績を考慮するのは全く意味がありません。なぜなら「来年はACLがないから」。リーグ戦の成績だけで続投問題を議論するのが筋です。

・しかも浦和には堀の悲劇 - リーグ戦は不振ながら2017年ACL優勝の実績を考慮して続投させたところ、翌年キャンプ中のラファエル・シルバの移籍というアクシデントも手伝って成績不振から早々に更迭された - という事例があったばかりです。

・で、そのリーグ戦での大槻監督の成績が実に悲惨。大槻監督は第14節川崎戦から指揮を執りましたが、最終節まで積み上げた勝ち点はわずか20(4勝8分9敗)。オリヴェイラは更迭時に勝ち点17(5勝2分6敗)を積み上げていますから、1試合あたりの勝ち点は大槻よりもオリヴェイラのほうがずっと上。今季幸いにもJ1残留できたのは「オリヴェイラの遺産」と揶揄されても仕方ありません。

・しかも、大槻監督の戦績は、クラブレジェンドにも関わらず最後は「ペ」とまで罵られた伝説の無能監督=ゼリコ・ペトロヴィッチよりも悪いというおまけつき。ゼリコは2011年の第29節さいたまダービーに敗れた後に更迭されましたが、その時までになんと勝ち点を29(6勝11分12敗)も積み上げています。

・ゼリコ更迭時の浦和は降格圏にいたので印象は極めて悪いのですが、大槻監督の1試合あたりの勝ち点が1点未満というのはゼリコですらなし得なかったレコードです。

・また「戦績は次第に良くなってきたが、監督交代直後に負けが混んだのでトータルの成績が悪い」のならまだ救いはあります。ところが大槻監督の戦績はその逆で、第16節以降で勝ったのは清水戦(第28節)だけという尻すぼみ型。

・さらに言えば、大槻監督が口先では頻りに拘っていたホームでの勝率が悪く、リーグ戦では3勝どまり。それどころか、あろうことか松本に逆転負けを食らうとか、大分相手に終盤に無理やり勝ちにいってカウンターを食らって負けるとか、悪印象しか残らないホームゲームが目立ちました。もう負け慣れ過ぎて、最後のほうはホームで負けても誰も悔しそうではなさげでしたし。

・オリヴェイラはリーグ戦4連敗という結果を契機に解任されました。ところが、どう見てもそのオリヴェイラどころかゼリコよりも戦績が悪い大槻監督が続投するというのは謎過ぎます。

 

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2019.12.14

謎過ぎる大槻監督続投(1) ~ 総論

・先日、クラブから大槻監督の「続投」が公表されました。最終節を終えたばかりの翌日という、「続投自体は早々と決定していて、あとはJ1残留が確定するのを待っていただけ」と言わんばかりのタイミングでの公表でした。

・しかし、大槻監督の続投はピッチ上で起こった出来事を見る限りでは全く首肯できません。間違いなくピッチ上で起こった出来事以外の事情が優先されての続投なのだろうと思われます。

・「ピッチ上で起こった出来事以外の事情」とは、新監督招聘に悉く失敗してやむを得ずなのかもしれませんし、大槻監督が誠意の複数年契約で更迭による違約金が案外でかいせいかもしれませんし、オリヴェイラを更迭したばかりなのに大槻まで事実上更迭となると社長が責任を問われるのを恐れたせいかもしれませんが、その辺の詮索はゴシップ記事に委ねます。

・私が「ピッチ上での出来事とは無関係な要因で監督続投が決まったとしか思えない。」と考える理由を、本ブログで何回かに分けて連載します。骨子は以下の通りです。どれ一つ取っても「ふんわり」とした話だらけなのは筆者の能力の限界なのでご容赦ください。

・また監督続投どころか、来季の強化部門体制もが早々と発表されたため、監督続投の是非を語ること自体もはや時機を逸した感がありますが、破局への序曲としか思えなかった「浦和2019」の備忘録を兼ねるつもりで記しておきます。

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(1)悲惨な成績 ー 来年を考える上ではACL準優勝は度外視すべき

(2)悲惨な試合内容
  a)全く守れない ー 引くとまるでだめ、前ハメにこだわるもカラ回り
  b)興梠&両WB頼みの少ない攻め手
  c)乏しい引き出し ー 謎すぎる「ちょいミシャ」への固執
  d)分析結果を選手たちに落とし込めない 

(3)若手育成にも失敗

(4)時間を与えても解決する気がしない - ACL決勝第2戦

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・もっとも、本稿は「大槻監督を更迭すれば全て良し」とするものではありません。オリヴェイラ監督更迭&大槻監督招聘時に「何度も繰り返される愚行 ~ THIS IS URAWA!!」で記したように、大槻監督の招聘自体がそもそも大いなる謎であり、今年の成績低迷はその無理が当然の如く露呈したに過ぎないと思います。従って、今年の成績低迷は大槻監督以上に、無理な招聘を敢行した中村GMにあると考えます。しかし、その中村GMは(数々の「無駄遣い」を含めて)さすがに真っ先に責任を問われたようで、とっとと姿を消してしまいました。

・ところが、その中村GMは高原獲得に象徴されるように「札束でドブを詰まらせるだけの、過去GMとして無能の限りを尽くした人物」として赤者の間では有名であり、一応サッカー素人ではないはずの立花社長がなんでそんな人物をGMに再起用したのか不思議でなりません。そして案の定中村GMは前回同様大金を溶かすだけに終わる始末。

・従って、浦和は強化部門自体を強化しないと「たまたま有能な監督を引いた時だけ成績が良くなるが、その監督が交代すると何も残らない」という状態から一歩も脱却出来ないでしょう。

・しかし、今般社長が打ち出したのは、浦和育ちだらけでいかにも内輪人事臭漂う「戸苅フットボール本部長・土田スポーツダイレクター・西野テクニカルダイレクター」という強化体制。しかもいずれも強化部門での経験ゼロという素人集団。

・あれやこれやで新シーズンを迎えるどころか、年も明けないうちに浦和には早くも絶望感が漂い始めました・・・

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2019.12.08

【観戦記】19年最終節:浦和 2-3 G大阪 ~ 興梠なき「FC興梠」の哀れな末路

・G大阪はすでにJ1残留が確定。浦和も「15位清水vs14位鳥栖の直接対決が引き分けに終わる かつ 16位湘南が勝利 かつ 浦和が10点差以上で負けて得失点差で清水を下回る」という条件下で数字上プレーオフに回る可能性は残っているものの、ほぼほぼJ1残留を確実にしているため、最終節は事実上消化試合。

・雪こそ降りませんでしたが小雨がぱらつく厳寒の中、埼スタに47,188人もの観客がやってきましたが、そこで繰り広げられたのは今年の浦和を象徴するような惨劇でした。双方妙なプレッシャーがない状態で、「華のある試合でもしてくれれば万々歳」と試合前は気楽に考えていたのですが、悪い意味で想像をはるかに超える惨状に身の毛がよだちました。

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・惨劇の発端は興梠の欠場。前日実父が亡くなって急遽宮崎へ帰ったとのことで致し方ありません。

・しかし、「FC興梠」と回りから揶揄されるどころか、チーム内で自嘲気味に語ってしまうのが今の浦和。浦和は攻撃面、特にフィニッシュで興梠に全面的に依拠しており、またファーストディフェンスでも興梠がスイッチを入れてナンボという状態。それゆえ興梠は天皇杯やACLでの一大決戦直前の試合くらいしかスタメンを外れることはなく、酷使され続けました。

・その興梠がやむを得ない事情で急にチームを離れてしまう。興梠不在に備えた練習をやる時間がほとんどなかった点は同情の余地がありますが、それにしても緊急事態に陥った際の大槻監督の無為無策ぶりは目に余りました。フォーメーションを弄らず、興梠の代わりになんとマルティノスを1トップに据え、しかもマルティノスを興梠と同じような仕事をさせるって無能にもほどがあるだろう、いくらなんでも。

・DFを背負っているマルティノスの足元にボールをつけるって、そんなん誰が見てもマルティノスの使い方として無意味過ぎて、ただただG大阪のカウンターを誘発しているだけにしか見えませんでした。大槻監督は試合後「攻撃になってボールを持って、『え、失っちゃうの?』みたいなシーンがあまりにも多くて」と語っていますが、窮屈な状態でマルティノスはボールキープ出来ないのは判り切っているでしょうに・・・

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・また前節に続いて山中をスタメン起用したり、なぜかエヴェルトンに代えて柴戸をスタメンに抜擢したりと、マルティノス1トップ以外にも謎がチラホラ。机上論的にもおよそ機能しそうにないシステム&面子でしたが、やはり案の定全く機能せずに9分に早々と失点。

・今年の浦和名物「相手を崩す形を持っていないのに、やたら大槻監督が拘るボールポゼッション」が招いた、再現性ありありのロングカウンターによる失点でした。興梠不在で前線でボールを失う可能性が非常に高くなっているのに、槙野が意味もなく攻撃参加。そしてボールを失った際にその穴を突かれていきなり岩波とアデミウソンが一対一。またいつものように攻→守の切り替えも遅くてアデミウソンのフォローに入った宇佐美に誰も追いつけない。前節FC東京戦でも垣間見られた形で、永井と違って宇佐美はこの好機を逃してくれませんでした。

・守備も壊滅的。マルティノスが独りで追いかけても誰も付いてこないので、早々とマルティノスが最前線でイライラ。これでは守備が機能するはずもなく、G大阪は縦パス入れ放題。14分には遠藤からのスルーパスで中央を割られかかり、18分には遠藤→矢島→がら空きの浦和右サイドを疾走する藤春に展開したのを契機にアデミウソン・倉田・矢島と立て続けにシュートを撃たれてしまいました。

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・前半の絶望的な戦況を受けて大槻監督は54分に早くも動き、長澤に代えてファブリシオを投入して2トップ気味に変更。ボールがキープできないマルティノスとの組み合わせではファブリシオに前を向かせる手立てがないため攻撃面ではほとんど効果がありませんでしたが、守備面ではようやく前ハメが効き出して幾分戦況は好転。

・そして62分柏木が直接FKを決めて浦和はまさかまさかの同点に。ボールの傍らには柏木とマルティノスが立っているものの、少し離れたところにいる山中にちょんと出して蹴らせるものと思い込んでいた(13分に山中FKが枠内を急襲したのが伏線)だけに、柏木が直接決めたのには驚きました!

・ところが奇跡的とも思えた同点ゴールをあっさりフイにしてしまう辺りが残留争いにどっぷり浸かっているチームの悲しさ。64分にCKのこぼれ玉をアデミウソンに蹴りこまれてしまいましたが、その前に三浦にどフリーでヘッドを許しているというのが残念極まりない。

・試合はこの辺りから急激にオープンになり、67分押し込んだ状態から柏木→ファブリシオ→柴戸、78分マルティノスのボールロストからのカウンターで最後に小野瀬、83分高い位置でボールを奪って最後に柴戸と双方に決定機。そして88分に途中投入の福田が3点目を取って試合を決定づける格好に。三浦の縦ポン一発で福田が山中の裏を取った形でしたが、山中をWBのスタメンで使う限り必然的に発生する副作用でしょうなぁ、これは。

・浦和も90分岩波ロングフィード→途中投入の杉本がポスト→柴戸→ファブリシオのゴールで1点を返すものの反撃もここまで。でも「ファブリシオを活かしたいなら2トップの相方はマルティノスより杉本のほうがまだ可能性があった」と思われてならない素晴らしい形のゴールでした。悪く言えば何から何までちぐはぐだった今年を象徴するかのような、焼け石に水的なゴールでした。そして「修三チャレンジ」という言葉が相応しい一年でした。

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・今日も今日とて酷い試合。結果が出ないどころか、何をやりたいのかよく判らず、形骸化した「ちょいミシャ」にすがり続けるだけで引き出しが乏しいどころか、引き出しがあるのかどうかすら判然としない大槻監督はもう今年限りだろうなと思っていたのですが、翌朝になるとなんと「続投決定的」という記事が!! どこをどう評価したら続投という結論になるんや・・・

・そして3月末の代表ウィーク辺りであんまりな成績不振でどうせ更迭なんやろうな・・・完全に堀さんコース・・・

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-----マルティノス----
--長澤----柏木--
山中-青木--柴戸-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
62分 柏木
90分 ファブリシオ

(交代)
54分 長澤→ファブリシオ
73分 橋岡→関根
81分 マルティノス→杉本


--アデミウソン--宇佐美--
--矢島----倉田--
藤春---遠藤--小野瀬
-ヨングォン-三浦--菅沼-
-----東口-----

(得点)
9分 宇佐美 貴史
64分 アデミウソン
88分 福田 湧矢

(交代)
76分 アデミウソン→パトリック
86分 倉田→福田
88分 宇佐美→高木

・井手口が発熱のため急遽ベンチ外になり、代わって倉田スタメンが出場。

 

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2019.12.01

【観戦記】19年第33節:FC東京 1-1 浦和 ~ 芳しくない試合内容でも負けない、結局いつもの瓦斯戦で残留を確実にする巻

・ほぼリーグ戦を犠牲にしながら闘ってきたACLを手も足も出ない惨敗で終える。一応ファイナリストとはいえ、ああいう形で負けてしまうと精神的なダメージはさぞかしでかいことでしょう。もちろん連戦また連戦から来る溜まりに溜まった肉体的なダメージも大きく、ACL決勝に出場した選手達がこの試合へ向けて切り替えるのは容易ではなかったと思います。

・とはいえACLという夢の舞台を降りると、今度は残留争いという厳しい現実が待ち構えています。浦和は第32節終了時点で16位湘南と勝ち点4差、17位松本に勝ち点6差に迫られているものの、最終節に松本vs湘南戦が組まれているため残り2節連敗してももはや17位=自動降格圏に転落する可能性はなく、この試合に勝てば自力で残留決定という立場。またこの試合引き分けに終わっても他試合の動向次第ではほぼ残留が決定します。

・だが、昨今のリーグ戦のあんまりな試合内容を見れば見るほど、浦和にとって勝ち点3どころか勝ち点1すらものすごーーーく遠く思えてなりませんでした。ゆえに浦和のJ1残留は専ら湘南を筆頭に残留争いの渦中にあるチームが負けることをひたすら祈るほうが早道で、いわゆる「他力本願寺」参りが赤者の間で大流行。

・もっとも、監督や選手までもが神仏に頼るわけにはいかず、残留争いという現実に向かって必死にメンタルなりフィジカルなりを立て直し、FC東京(以下「瓦斯」)戦へ向けて最低でも勝ち点1を掴み取るべく準備をしたのでしょう。そして編み出されたのが「走れメロス」ならぬ「走れマルティノス」。

・残念ながら「走れマルティノス」は前後半ともほとんど機能せず、それどころか序盤で大量失点しても不思議はない惨状で、大槻監督のアイデアが絵に描いた餅というか、空理空論というか、とにかく「仕込み下手」なことがまたまた露呈したような気がしてなりませんが、それでも心身共に疲れ切ったであろうレギュラー陣をずらずら並べて、武藤離脱後はもはや惰性の極みとしか言いようがない「ちょいミシャ」でだらだら闘うよりはマシだったと思います。

・そして結果はお互いセットプレーで点を1点ずつ取り合っての引き分け。勝ち点1を積み上げるに留まり、同日16位湘南が勝って勝ち点2差に迫られたため残留確定は最終節に持ち越しとなりました。

・ところが、浦和と同じ勝ち点36だった清水と鳥栖がこの日共に敗れて浦和はわずか勝ち点1差ながら頭一つ抜け出す格好に。しかも最終節に清水vs鳥栖戦が組まれており、さらに湘南・清水・鳥栖の3チームとも得失点差が浦和よりかなり悪いために、最終節浦和は10点差以上で敗れない限り残留が確定。選挙報道的にいえば「残留確実!!」のランプが点灯しました。

・「走れマルティノス」が失敗に終わっても負けない。おまけに日程くんのいたずらも手伝ってJ1残留がほぼ確実になる。これも2004年を最後に負け知らずという味の素スタジアムの御加護の成せる業なのでしょう。ACLの影響でリーグ戦の消化が浦和だけやたら早かったにも関わらず、浦和の試合がない間に残留争いのライバルたちの足を引っ張りまくった「他力本願寺」の数多の仏様も含め、厚く御礼申し上げます。

Gas006

・浦和はスタメンをACL決勝第2戦からファブリシオ→マルティノス、長澤→柏木、橋岡→ 森脇、関根→山中と興梠以外の前目のスタメンを大きく入れ替え。ACLから中5日空いてますが、ACLでの心身両面での消耗というか燃え尽き度合いを勘案して、大槻監督はACL決勝の結果如何に関わらず、瓦斯戦に向けて大幅なスタメン入れ替えを予定していたものと思われます。

・その反面、両ボランチを含めて守備陣はいつもの面々。ACL制覇の夢が潰えた翌朝にはなぜかシーズンが終わってしまったかのように「西川は右手小指剥離骨折、槙野は盲腸炎を抱えたまま出場」していたという美談(?)がスポーツ紙を飾る始末でしたし、イエロー累積3枚を抱える鈴木&岩波が最終節で共に不在という事態を避けたいという思惑もありましたが、結果は全員スタメン出場。後ろまでスタメンを弄ってしまうと、それこそ天皇杯Honda戦の悲劇の繰り返しになりかねないので、苦渋とはいえ妥当な選択だと思います。

・面子から見て、ひたすらマルティノスを瓦斯の最終ライン裏へ走らせる「走れマルティノス作戦」に打って出るものと予想はつき、実際序盤はその意図が伺われましたが、「走れマルティノス作戦」は残念ながら瓦斯の「狂気の前プレ」の前に全く体をなさないどころか、大崩壊寸前まで追い込まれてしまいました。

・瓦斯は勝ち点差わずか1で首位横浜Mを追う立場。前節湘南に引き分けて2位に転落したばかりで、今節も湘南同様残留争いの渦中にある浦和相手に不覚を取る訳には行かないとばかりに全力で飛ばしに飛ばして浦和守備陣に猛然とプレッシャーをかけてきました。そして5分には永井が森脇の裏へ走り出したのを契機に、D・オリヴェイラに決定機。永井なり両SHなりが浦和の両WBの裏を突くという非常に判りやすい攻撃が序盤何度も見られたのに、大槻監督は全然手を打っていないのか・・・orz

・6分には青木のボールロストからの攻→守の切り替えが緩慢過ぎてバイタルエリアで三田がどフリー→スルーパスでD・オリヴェイラに決定機を与えてしまいましたが、西川が好セーブ。8分にはエヴェルトンのボールロストからロングカウンターを食らって永井に決定機を許しましたが鈴木がなんとか駆け戻ってブロック。16分には浦和のCKのこぼれ玉への青木の対応が拙くてロングカウンターを食らってしまう一幕も。

・浦和は「走れマルティノス」作戦を発動しようにも瓦斯のプレッシャーが厳しすぎて落ち着いてボールを蹴らせてもらえないので、ボールの精度も悪ければ受けての呼吸も合わずに、簡単にボールを回収されたり、タッチを割ってしまったりと散々。そして23分には三田に豪快に裏を取られた山中が早々とイエローをもらう始末。

・しかし、試合後大槻監督が「向こうは前半からあの飛ばし方だったので、あれは続かないですよね。」と語っていた通り、20分くらいから早くも瓦斯の前プレが緩くなり、浦和はしっかりボールを繋いでゲームを落ち着かせられるようになりました。といっても浦和は決定機どころかシュートにすら撃てないという惨状には変わりなく、しっかりボールを繋いで相手を押し込めるようになった反面、スペースが消えてマルティノスをスタメンで使っている意味がなくなってしまうアンビバレントに悩む羽目に。

・どう見ても浦和は前半スコアレスなら御の字という出来でしたが、驚いたことに決定機どころか満足にシュートすら撃てなかった浦和が39分先制!! ショートコーナーからほぼどフリーで山中が放ったミドルシュートはえげつない軌道を描いて枠内へ。GK林は弾くのが精一杯で、こぼれ玉をマルティノスが詰めたものでしたが、今まで何の工夫もなく、当然ながらほとんど得点の臭いがしなかった浦和のCKをきっちりデザインした形で得点に結びつけるとは!! お粗末すぎる守備に目を瞑ってスタメンで山中を使った甲斐がありました。

Gas002

・しかも不運なことに山中と交錯して傷んだD・オリヴェイラが失点直後に田川と交代を余儀なくされ、しかも後半に入ると鈴木と競り合った永井が傷んで(脱臼癖があるらしい)57分にナ・サンホを投入せざるを得ない羽目に。瓦斯の攻撃はD・オリヴェイラが最前線に橋頭保を築き、永井がスペースに走ってナンボなので、両FWを一遍に失った瓦斯が流れの中から得点を取る可能性はほぼ潰えたといって差し支えないでしょう。

・一方浦和は前半から引き気味で守備に奔走していた興梠が先制直後あたりからはっきりとシャドーの位置に下がってはっきりしたマルティノス1トップに。一層前がかりにならざるを得なくなった瓦斯相手に「走れマルティノス」大作戦をお見舞いするという理想的な状況になりましたが、これが笑ってしまうくらい機能しない。浦和のシュートは試合を通じてたった6本に終わりました。

・良い形でボールを奪ってカウンターの形になっても出し手とマルティノスの呼吸がまるで合わず、マルティノスが明後日の方向に走ってしまう、あるいはマルティノスを囮にして前線へ走る選手がいないというありさまで、「走れマルティノス」は完全に机上の空論に。肝心なところでなぜかマルティノスがコケ芸を連発するのにも参りましたが、「走れマルティノス」を上手く仕込めない大槻監督もなんだかなぁ・・・

・双方流れの中から点が入る感じはほとんどしませんでしたが、瓦斯が69分CKからの流れでこぼれ玉を田川が蹴りこんで同点に。このCKはもともと浦和CKをGK林がキャッチし、そこからロングカウンターを食らったところに起因しています。よって失点場面そのものよりも、前半から垣間見られた浦和の攻→守の切り替えの遅さのほうが「再現性がある」という意味で罪深いと思います。だからこの順位にいるのでしょう、浦和は。

・同点に追いつかれたためか、大槻監督は立て続けに両WBを代えて守備固め(橋岡投入効果は絶大!)。しかし最後のカードを90分持たずに動けなくなった柏木に充てざるを得ず、ゲームの〆に相応しい阿部投入の機会が失われて逃げ切り態勢としてはやや不安定な状態で試合は終盤へ。

・最後まで「走れマルティノス」は機能せず、逃げ切ろうにもボールを満足に繋げず、相変わらず自陣深い位置でのファウルは多く、あろうことか槙野が前に出てきてボールロストと不安定な要素てんこ盛りでしたが、瓦斯の攻撃も全く迫力がなく、これといった決定機を与えることなく無事最低限の勝ち点1をゲット。条件が複雑すぎたので、「ほぼ残留確定」なことが判明したのは選手はもちろんベンチすらも試合終了後しばらく経ってからだったでしょう。

・同日横浜Mが勝ったため瓦斯との勝ち点差は3に拡大。最終節横浜Mとの直接対決で瓦斯優勝の可能性こそ残ってはいるものの、4点差以上での勝利が必要という極めて厳しい状況に追い込まれました。よって「勝ったも同然に引き分け」だった浦和とは対照的に瓦斯にとって「痛恨過ぎる引き分け」。瓦斯がこの試合を痛恨の引き分けで終わったのはどう見ても浦和の出来が壊滅的だった序盤に1点も取れなかったこと。それに尽きます。

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-----興梠-----
--マルティノス---柏木--
山中-青木--エヴェ-森脇
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
39分 マルティノス

(交代)
74分 森脇→橋岡
76分 山中→関根
79分 柏木→長澤

Gas005
---永井--ディエゴ--
東---------三田
---高萩--橋本---
小川-森重--渡辺-室屋
-----林------

(得点)
69分 田川

(交代)
42分 ディエゴ・オリヴェイラ→田川(負傷による交代)
57分 永井→ナ・サンホ(負傷による交代)
77分 三田→ユ・インス

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2019.11.25

【観戦記】ACL2019・決勝第2戦:浦和 0-2 アルヒラル ~ 実力差がありすぎて「ホームの力」ではどうにもならずに惨敗

・手も足も出ませんでした。アウェーで0-1という結果を受け、最悪でも90分のうちに1点を取って延長戦に持ち込まないといけないはずの浦和でしたが、非常に残念なことに試合内容はほぼ第1戦をなぞったものに。くじ運にも恵まれて決勝まで進んだはいいが、結局大阪桐蔭にボコられて終わる田舎の公立高校みたいな惨敗でした。

・浦和のシュートはたった4本。しかも相手GKを脅かしたようなシュートは1本もなく、全く点が入る気配はありませんでした。関根はカリージョに歯が立たずに守備で精一杯。橋岡の高さもほとんど通用せず。点を取らないといけないのに第1戦同様両WBが何もできず、おまけに左サイドの惨状を見かねた興梠がファブリシオに代わってシャドーに入り、ほぼそのまま消えてしまった時点で浦和に得点の可能性は潰えました。

・一方アルヒラルは前に出て来ざるを得ない浦和に対して、第1戦同様に関根の裏を突きに突き、さらに何度もカウンターをお見舞いしてチャンスメーク。西川の好守&アルヒラルの決定力の無さでなんとか2失点で済んだと言わざるを得ない、第1戦同様スコア以上に差があった試合内容でした。

・いくら「ACLの浦和はホームで強い。ホームで一変する!!」と言っても、ここまで実力差があると「ホームの力」とやらではどうにもなりませんでした。第二次世界大戦で例えれば独ソ戦くらいの実力差だと思っていたら実は日米戦くらいの実力差があって、「ホームの力」ごときではその差を埋めようがなく、文字通り本土丸焼けに。もう戦前勝ち目があると思ったのが愚かしく思えるくらいの差でした。

・第1戦でも感じたことですが、今の浦和が辛うじて通用するのは中国勢みたいな「最後はスーパー外国人選手に全部お任せ!!」みたいな、狙いどころが絞りやすいチームがせいぜい。アルヒラルのような、外国人選手のクォリティーが高い上に、攻守両面でシステマティックで、サウジアラビアの選手も外国人選手と見事に連携しながら攻め&守るようなチーム相手には全く通用しませんでした。

・今年のアウェー神戸戦で受けた衝撃がACL決勝で再現されたと言い換えてもいいでしょう。10回やったら10回とも負ける。しかも同じような崩され方で。

・この先浦和がACLの舞台に戻ってくるまで何年かかるか判りませんが、3度目のACL戴冠を狙うならチーム作り、さらにはそれを支えるクラブの体制から抜本的に見直さないといけない。それをやる意思も金もないなら、もうACL戴冠なんて夢は捨てたほうが良いと思います。それくらい衝撃的な惨敗でした。

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・それにしても、第1戦が終わってからの2週間、大槻監督は何をやっていたのか???と疑問符がつきまくるくらい、試合内容に改善が見られませんでした。第1戦に至るまでの連戦また連戦でレギュラー組は疲労困憊の極みに達し、回復系メニューをこなすだけで精一杯。攻守とも戦術的な改善・仕込みはほとんどなされないまま第2戦に臨んだのではないかと訝しくなるくらい、浦和は攻守とも第1戦同様全くいいところがありませんでした。

・5-4-1の守備ブロックを敷いてとにかく耐えるしかなかった(だがほとんど守備として成り立っていなかった)第1戦と違って、とにかく点を取らないといけないので序盤から積極的に前からハメにいっただけはよく判りましたが、この「前ハメ」がほとんど効かなかった時点で半ば以上勝負あり。

・最も驚いたのは、第1戦でボコボコにやられた左サイドの守備を全くテコ入れしなかったこと。大槻監督は人を代えずに、リトリートから前ハメへとやり方を変えることで対処できると思ったのでしょうが、「前に出た関根の裏を突かれる」という第1戦でお馴染みのやられ方がより悪化しただけで早々にこの対応策は破綻。

・開始5分には早くもカリージョが浦和左サイドを破ってクロス→アルドサリがヘッド。11分には縦パスを受けたカリージョが槙野を交わしてボックス内に侵入する場面があり、この時点で浦和の左サイドは第1戦同様脆弱なままなのが明々白々に。カリージョに全く歯が立たない関根は43分とうとうカリージョの首根っこを掴んで引き倒してしまう御乱行に及んでイエロー。

・あんまりな左サイドの守備を見るに見かねたのか、途中から興梠が左シャドーへ回りましたが、当然ながら興梠は守備で走り回る羽目になって消耗を重ね、23分に関根の縦パスを受けて左サイドを抉った決定機を作った以外はほぼ消えてしまいました。代わって1トップに上がったファブリシオはボールを収められるタイプではないので、浦和はロングボールでボールを前進させることも出来ず。

・どう見ても遠来のビジターのほうが動きが良いのにも参りました。これは国内リーグの支援を受けて余裕のある日程でACL決勝に臨んでいるアルヒラルと、JリーグもJFAも支援どころか邪魔をしているとしか思えない過密日程でヘロヘロになった浦和との差でしょう。

・アルヒラルは浦和を遥かに上回る鋭い出足で浦和最終ラインにプレッシャーをかけてくるので、浦和はビルドアップに四苦八苦。38分に青木、39分に橋岡と共にサイドで詰まった挙句にボールを失ってカウンターを食らってしまいましたが、あれは個人的なミスで片付けられる性格のものではなく、そうなるようにアルヒラルに追い込まれた結果かと。

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・後半になっても浦和の劣勢はなんら変わることなし。50分には浦和右サイドからのクロスをニアでゴミスが合わせるものの、西川が辛うじてセーブ。54分には浦和CKからカウンターを食らって青木がやむなくイエローで止める「浦和伝統のコント」が発生。さらに57分には関根のパスを受けた興梠がカリージョのプレッシャーを受けてボールを失う大惨事が発生し、これも岩波がやむなくイエローで阻止。前半からこれだけカウンターを浴びに浴びて足を使う羽目になっては終盤反撃に出る燃料が残っていないのもやむを得ないかと。

・大槻監督は63分長澤→柏木、71分ファブリシオ→杉本と早めに選手を代えましたが、頼みの両翼&興梠が死んだままで、彼らを軸とする攻め手以外の手筈を持っていない以上、選手交代でどうにかなるはずもありません。

・69分には青木のボールロストを契機にボックス内でジョビンコがふんわりクロス→ファーでゴミスがシュート!という絶体絶命の大ピンチがあり、これも西川がセーブ。だが浦和の奮戦もここまで。

・75分浦和が相手を押し込みながらも攻めきれず、興梠のパスを受けようとしたエヴェルトンがボールを失ったところから始まったカウンターでとうとう失点。左サイドを疾走するカリージョを関根が必死に追走するも簡単に弾き飛ばされた場面は哀れを誘いました。あとはなんとか守備ブロックを整えようとする浦和に対してフリーの選手同士で中→外→中ときっちりボールを繋いだ完璧すぎる崩しでついにアルヒラルが先制。

・アルヒラルが無駄に決定機を外しまくったのがアルヒラルにとって「災い転じて福」となり、痛恨のアウェーゴールを許した浦和はAT合わせてもせいぜい20分で3点を取らないといけない羽目に陥ってしまいました。これまで決定機どころかロクにシュートすら撃っていない惨状を振り返れば、そのタスクが非常に絶望的なのは誰の目にも明らか。

・失点までに守備で散々燃料を使った上に、痛恨のアウェーゴールを極めて悪い時間帯に喫したためか、浦和には反撃の能力どころか意欲すら残っていないように見受けられました。西川がボールを持っても、誰も前に走りださなかったのが何よりの査証でしょう。ATの告知と共に席を立つ人がゾロゾロ。最後はゴミス→カリージョ→ゴミスとスカスカの浦和守備陣を鮮やかに切り裂いてダメ押し。

・浦和はこの惨敗を受けて2007年から綿々と繋いできた「ACLへの拘り」を一旦断ち切るしかないと思います。向こう2、3年かけてミシャチルドレンの入替をせざるを得ず、その間はよほど優秀なGM&監督を連れてこない限りたいした成績も望めないでしょうし。また先述のように浦和が3度目のACL戴冠を狙うならチーム作り、さらにはそれを支えるクラブの体制から抜本的に見直さないと思ったのですが、明くる朝には予想の斜め上過ぎるニュースが飛び込んでくるとは!!!

もうこのクラブは深い眠りにつく道を選んだようです、残念ながら。

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-----興梠-----
--ファブリシオ---長澤--
関根-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----西川-----

(得点)
74分 アルドサリ
90+3分 ゴミス

(交代)
63分 長澤→柏木
71分 ファブリシオ→杉本(杉本1トップ、興梠左シャドー)
88分 青木→阿部

 

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2019.11.10

【TV観戦記】ACL2019・決勝第1戦:アルヒラル 1-0 浦和 ~ ぐうの音も出ない完敗。1失点で済んだのは天祐。

・いやはや、試合内容では完膚なきまでにボコボコにされました。AFC公式サイトでは7割近くボールを支配された挙句、シュート数で2対22。うち枠内1対6と大差を付けられました。またアルヒラルは遠目からやたらシュートを放ったわけではなく、ボックス内から13本も放っています。序盤から防戦一方に陥った浦和は鈴木や槙野の奮戦、青木の渾身のカバー、そして2度にわたるGK福島のスーパーセーブで失点を最小に留めるだけで精一杯でした。

・浦和の決定機は17分ファブリシオ→関根の一回こっきりしかなく、そもそも90分を通じて決定機どころかシュートへ持って行く形すらほとんど出来なかったのですから、この試合に関しては全く勝ち目がありませんでした。むしろこれだけボコボコにされても1失点で済み、第2戦での逆転が現実的なスコアに留めたことを最大限ポジティブに評価すべき試合だと思います。逆に言えばアルヒラルは先制後に明らかに緩んでしまい、積極的に2点目を取りに行かなかったことを後々悔やむ羽目になるかもしれません。

・とはいえ、試合内容でアルヒラルに圧倒されたことに目を背けるわけにもいきません。アルヒラルはきっちりボールを繋いで相手を自陣に押し込み、両SBを高く押し上げ、さらに時折サイドを変えながら相手の隙を伺ってきました。そしてバイタルエリアなりボックス内にボールが入るとパス回しが急激にスピードアップ。「要するに最後は超強力外国人がズドン」という中国勢とは対照的な、実にJリーグっぽい攻め方をしてくるチームでした。攻撃面に関しては好調時の鹿島に似た感じでしょうか。

・そして、そんなJリーグ仕様っぽい相手と闘うとなると、今年の浦和は実に弱い。早々と自陣に5-4-1の守備ブロックを敷いて耐える展開になりましたが、今年の浦和は相手にボールを支配されてしまう試合で良かった試しがありません。そして残念ながらこの試合もその例に漏れませんでした。

・もっとも浦和は前からハメに行こうにもコンディション的に無理だったのでしょう。浦和はACL準決勝第2戦以降、Jリーグで中2日・中3日の連戦また連戦という超過密日程をこなした後の長々距離移動を伴うアウェーゲーム(しかもこれまた中3日)で、途中選手を大幅に入れ替えたとはいえ選手達のコンディションが良かろうはずがなく、この試合随所で走り負け、当たり負けが目立ちました。従って守備ブロックを敷いて耐えるのはやむを得ない選択だったのだと思います。

・ただ誤算だったのは浦和左サイド、特に関根の裏というか、関根と槙野の間が狙い撃ちにあって早々に炎上したこと。アルヒラルの布陣は4-2-3-1でしたが、右SHカリージョのスピードが驚異的、かつフィジカルも強いのが難儀で、後方から加勢してくる右SBへの対応も相まって、浦和の左サイドは鎮火に追われどおしになってしまいました。

・14分青木のボールロストで食らったカウンターで浦和左サイドを疾走するカリージョが関根と対峙しながら中へ折り返し→アーク付近からジョビンコシュート(バーの上)がアルヒラル最初の決定機。18分カリージョがカットイン→ボックス内でフリーのジョビンコが折り返し→アルダウサリが枠内シュート(力なくGK正面)とこの辺りで浦和左サイドは既に怪しげに。

・間抜けなことに29分には浦和CKからカウンターを食らう大失態。ここもジョビンコが放ったシュートをゴールライン上で青木が辛うじてクリア。さらに33分CK→カリージョヘッドはこれまた福島がスーパーセーブ!!

・そして37分にはアルヒラルのゴールキックからカリージョ一人に関根、槙野、そして青木と良いようにやられ、折り返しをジョビンコに撃たれる絶対絶命の大ピンチ(福島スーパーセーブ!)。この辺りになると浦和左サイドの劣勢は誰の目にも明らかに。

・ただこれだけボコボコにやられながらも、ゴミスやジョビンコは中国勢の反則級ブラジル人ほどの怖さもなければ決定力もないのが浦和に幸いしました。この試合個人レベルでクソ面倒だったのはとにかくカリージョだけ。

・とはいえ、浦和が大苦戦を強いられたのは何もカリージョ一人に原因があるわけではなく、むしろ攻撃がほとんど成り立たなかったことに主因を求めるべきでしょう。浦和がボールを奪う位置は概して低く、しかも質・量ともに運動量で勝るアルヒラルの超素早い攻→守の切り替えに圧倒されてビルドアップはままならず。なんとか攻めに転じても簡単にボールを失って、アルヒラルに殴られ続けった恰好。

・またロングボールを蹴って興梠に預けようとも、アルヒラルCBが興梠に背後からガツンと当たりに当たって、興梠のボールキープを許さず。興梠対策はアルヒラルの浦和対策の賜物でしょう。後半になると興梠どころか両シャドーにすらボールが入らなくなってしまいました。また関根は守備だけで手一杯ですし、橋岡は高さはともかく、スピードで対面のSBに勝てず。興梠&両WBが沈黙を余儀なくされては、浦和のシュートがたった2本に終わるのも道理。

・後半になってもなんら戦局は変わることなく浦和劣勢。58分にも浦和左サイドから中へ細かく、速くボールを動かされてボックス内からアルダウサリがシュート(わずかに枠外)。しかし、浦和が耐えられたのはここまで。60分ジョビンコが右へ展開→右SBアルブライクがクロス→カリージョヘッドでとうとう失点を喫してしまいました。右SBにファブリシオが付き切れず、福島はクロスに被ってしまい、中央へポジションを移したカリージョを誰も掴まえてないとなると、失点しないほうが不思議。

・一方的な試合内容からすれば余勢をかってそのままアルヒラルが攻めに攻め、第2戦を待たずに事実上決勝を終わらせにかかっても不思議はなかったのですが、先制したアルヒラルはその後急激にペースダウン。それでも72分すっかりスカスカになった浦和の最終ラインと中盤の間を突き、カリージョ、ゴミス、アルダウサリの華麗なパス交換で浦和守備陣をズタズタに切り裂いて追加点と思われた場面がありましたが、謎のオフサイド判定で得点ならず。

・浦和は失点後も全くペースが上がらず。74分不振の長澤に代えて杉本を入れても、毎度毎度のことながらなんら得点の匂いがしないまま時間が徒過。試合終了直後のインタビューで興梠が「点を取るのは難しいので、失点後に0-1で終えてホームで勝負しようと皆に伝えた」と語っていましたが、その割にはヘロヘロの関根を85分まで放置したり、交代枠を一つ余らせて試合を終えるなど、チームの意図と打った手が整合しないような気がしてなりませんでした。

・ともあれ、これだけやられにやられて1失点で済んだのは天祐としか言いようがありません。特に先制後のアルヒラルの消極姿勢は浦和にとって勿怪の幸い。今日の試合内容からすれば楽観視はできませんが、ラウンド16蔚山戦での大逆転劇(ホーム:1-2 → アウェー:3-0)に比べれば難易度は甚だ低く、中国勢が全く勝てないホーム埼スタの魔力(但しACL限定(苦笑))をもってすれば、十分逆転可能な範囲です。

・久しぶりに試合間隔が開くのでコンディションもかなり回復するでしょうし、浦和の選手達を底力を信じてとにかく応援しましょう。個人的には第1戦出場しなかった(あえて隠した?)柏木が逆転のカギを握っているような気がします。

-----興梠-----
--ファブリシオ---長澤--
関根-青木--エヴェ-橋岡
-槙野--鈴木--岩波-
-----福島-----

(得点)
60分 カリージョ(アルヒラル)

(交代)
74分 長澤→杉本(杉本1トップ、興梠がシャドーへ)
85分 関根→宇賀神

・イエロー累積で出場停止のGK西川に代わって出場の福島。失点場面が残念だっただけで、ACL初出場がいきなり決勝になってしまったという状況を考えれば上々の出来でしょう。2度のスーパーセーブで瀕死の浦和をなんとか救いました。、

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2019.11.06

【観戦記】19年第32節:浦和 0-2 川崎 ~ プレーオフ圏転落までは容認すると腹を括ったか?

・酷い試合でした。浦和のシュートはたった5本。しかも決定機は49分マルティノスのシュートがポストの内側を叩いた場面だけ。前後半を通じてフィニッシュに持って行く段取りみたいなものがまるで窺えず、事故でも起こらない限りおよそ点が入りそうにありませんでした。

・川崎も中2日と日程が苦しいせいか出来は芳しくありませんでしたが、カテゴリーが下といっても差し支えない陣容の相手に早い時間帯に先制点を取って「ジャイキリ」の芽を摘み、終盤に追加点を取って試合を終わらせるという、川崎目線からすれば盤石の試合運び。

・傍目にはそんな酷い試合内容だったにも関わらず、「内容は良かったと思いますけど、チャンスを決めることができませんでした。」なんてのたまう選手もいてびっくり!! せいぜい柏木が語る「そんなにやられた感はありませんが、自分たちもチャンスを作れなかったというところもあります。」という試合だったと思いますが、この認識の差はどこから来るのかなぁ???

・浦和はアウェー広州恒大戦から中3日でアウェー広島、中2日でアウェー鹿島、中3日でこの試合、さらに中3日でアウェーアルヒラル戦が待ち構えるというと超過密日程を強いられているので、否応なしに選手を大幅に入れ替えながら戦わざるを得ません。そして今年最大かつ唯一のミッション=ACL優勝へ向けて、この連戦最後のアウェーアルヒラル戦に照準を合わせ、その一戦にベストメンバーで臨もうとするクラブの意図はよく判ります。

・一方、浦和は依然残留争いにどっぷり浸かったままという残念過ぎる一面もあって、超過密日程の中でもちょっとずつでも勝ち点を積み上げて行かねばならない過酷なタスクを背負っています。試合前は16位湘南とは勝ち点5、17位松本とは6差。ゆえにこの試合で勝ち点1でも積み上げられれば消化試合が2試合多い湘南や松本が2試合共勝っても浦和に追いつけないという形となり、残留争いのプレッシャーは幾分緩くなったはず。

・ゆえに、この試合は前節鹿島戦でスタメン起用しなかった選手(興梠・長澤・阿部・鈴木・西川)をこの試合でスタメン起用し、使い詰めになっているファブリシオ・エヴェルトン・関根・橋岡・槙野・岩波を休ませながら勝ち点1を拾いにゆくのが妥当な線だろうと個人的には考えていました。

・ところが、大槻監督の考えは極端なACLシフト!! もう「天皇杯2回戦か!」と思えるくらい極端に面子を落としてきました。Honda相手ですら良いところなく完敗したのに、この面子で川﨑相手に勝ち点をもぎ取れるなんてさすがに大槻監督も微塵も思っていなかったでしょうし、ほぼこの試合は捨て試合。

・勝ち点ゼロで終わって残留争いは一段と苦しくなるが、「中途半端にレギュラー組を入れて勝ち点を取れず、ACL決勝にも万全のコンディションで臨めない」という虻蜂取らず、二兎を追って一兎も得られないという最悪の結果に終わるよりは、「とりあえず目先のACL決勝に全力を注ぎ、リーグ戦はプレーオフ圏転落までは許容範囲」と割り切ったものと推察されます。そしてこの割り切り、この腹の括りようはリスキーながらもそれなりに支持し得るものです。

・ただ、何とも不可解だったのはなぜか青木がスタメンに名を連ねていたこと。青木は「右足関節内遊離体で10月17日に手術&全治は約3週間の見込み」と報じられていたのでこの連戦は丸々使えず、ACL決勝第2戦(11/24)で復帰するものと予想していただけに、ここでまさかの試運転! 捨て試合で無理に使うこともなかろうにと思いましたが、捨て試合だからこそ試運転に相応しいと思ったのかも。58分に青木試運転を無事終えて早々に阿部を投入。

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・試合は当然のように序盤から川崎ペース。浦和の布陣は形骸化著しいというか、もはやそれ自体が自己目的化しているとしか思えない3-4-2-1で、しかもマルティノス1トップ。「相手が前に出てきたところをカウンターで、サイドバックの背後をついていきたい」という上野コーチが語る意図は判らなくもないのですが、その意図を実現するにはマルティノス1トップという、誰がどう見ても不適材不適所としか思えない解しかなかったのかどうか。

・レギュラー組が揃って、というか興梠がいてこそ辛うじて機能しているに過ぎない3-4-2-1にこの面子で拘る意味は全くないはずなのに、過密日程で練習時間が取れないせいか、他の策を打ち出せないままズルズルと継続。興梠不在の上に、出ているのが普段のベンチメンバーだらけとあっては90分を通じてほとんど攻撃の形を作れなかったのも当然でしょう。

・何せ選手間に共通理解があるように見受けられず、連携難も手伝ってボールを動かしたところで攻めきれない、それ以前にボールを奪ってからの出しどころに困るという場面が非常に多く見受けられ、川崎のカウンターを食らうことしばしば。「共通理解はあるが、普段のベンチメンバーなので精度が伴わずに決定機が作れない」なら擁護のしようもあるのですが、共通理解があるように見えないとは日頃の練習がががが・・・柏木がボールの出しどころに困った挙句に相手に囲まれてしまうってなんなん??

・前半こそ右から左へ大きく展開して、フリーの山中のクロスに賭けるという、興梠なり杉本なりがいたら得点の可能性があった形が再三見られました。しかし1トップはマルティノスですし、シャドーも汰木&柏木とクロスに飛び込める選手は皆無なので、そのクロスで何をしようとしたのか全く意味不明。とはいえ、形にはなっているので、鬼木監督は後半頭から守田を右SBに配転して手当。これで後半の山中は窒息。

・一方、川崎も中2日でメンバーを大幅に入れ替えたのが祟ってか、こちらも出来はイマイチ。ボール支配率は前半ですら6割程度で、再三浦和がやらかしているミスに乗じたカウンターも不発に終わり、28分バイタルエリアから脇坂の枠内ミドルが最初の決定機。これは西川がなんとか防ぎましたが、35分バイタルエリアで柴戸を簡単に交わして前を向いた脇坂が低い弾道のシュートを叩きこんで先制。

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・先制点を取られて「運よくスコアレスドローで終えられれば万々歳」という浦和の微かな願いも雲散霧消。後半になると中盤でボールを奪取して、浦和がボールを持つ時間こそ長くなりましたが、川崎守備陣を崩す形はほとんど見受けられずに時間が徒過。

・そんな中、この試合唯一かつ最大の決定機が49分柏木の縦パスをマルティノスがボックス内で受けて、DFを背に反転シュートを放った場面。シュートはポストの内側を叩いたのになぜかゴールに入らないという不運極まりないものでしたが、これこそ上野コーチが狙っていたもの。

・試合後の会見を見ると「後半は良くなった」という認識を持っている方が多くてびっくりしましたが、良かったのはこの決定機一回こっきりで、むしろ後半は下手に浦和がボールを持ってしまったがためにマルティノスを活かせるスペースがなくなって却って攻めづらくなったというのが個人的な印象。前述のように後半は山中クロスという事故を起こせる要素すらなくなってしまったわけですし。

・とはいえ、浦和にボールを握られてしまうという試合展開は川崎も不本意のはず。そこで鬼木監督は67分好機に爆笑プレー連発だったダミアンを下げて切り札小林を投入。そしてその小林が78分守田のクロスをヘッドで叩き込んで起用に応えるのですから、恐れ入ります。この場面、脇坂&家長とのパス交換を経てサイドからボランチの位置に入った守田を浦和守備陣が誰も見ていない時点でアウト。小林に前に飛び込まれてしまった森脇はまぁあんなもんでしょう、残念ながら。

・この失点を食らう直前に関根を投入して、絶望的な戦況ながらもなんとか同点に追いつこうとしたのは判らなくもありません。しかしどうしても解せないのは2点目を取られてからの興梠投入。おいおい、この試合は捨て試合と割り切ったのではなかったのか??? なんでこんな局面でよりによって興梠を投入するのか??? この日は大槻監督が前節鹿島戦での愚行を受けて出場停止処分を食らい、上野コーチが指揮に当たっていましたが、ルヴァン杯でも見受けられたこの中途半端な姿勢、中途半端な覚悟は大槻監督と寸分変わっておらず、残念至極。

・当然ながら興梠を投入したところで、そこまでボールを運ぶ手立てなんてまるで出来ておらず、あろうことか興梠がボールを運ぼうとし、しかもそのボールはどこへ何のために運ぼうとしているのか皆目見当が付かないという惨状。ATには2万ちょっととただでさえ少ない観客がゾロゾロ帰り始めましたが、それも道理でしょう。

・試合終了後は野次もブーイングもなく、「ACLガンバレ!!!」との掛け声が力なく響くばかり。まぁどんなにしょーもない試合内容であろうとももはやブーイングすべき時期ではないと思いますが、試合後の埼スタが積極的に選手を後押しするような雰囲気でもなくなっているのはさすがに気になりました。選手もファン・サポーターも真剣に降格危機と向き合っていないんだろうなぁ、たぶん。

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-----マルティノス----
--汰木----柏木--
山中-青木--柴戸-岩武
-宇賀神-マウリシオ--森脇-
-----西川-----

(交代)
58分 青木→阿部
75分 岩武→関根
79分 山中→興梠(興梠1トップ、マルがシャドー、汰木左WB)

・マルティノス1トップはどう考えても不適材不適所なんだからそういう使い方をする監督がアホで、マルティノスをあんまり責める気は起こらず。というかマルティノスにしても山中にしても仕様通りにチャレンジして、仕様通りに失敗しているんだから今日出ていたメンバーの中ではまだマシだったほう。むしろ失敗を怖がって何もせん選手、何もチャレンジせん選手のほうが腹立ちました。たぶんそういう選手は来年レンタルに出されると思いますが、当の選手にそういう自覚があったのかなぁ?

・選手紹介で埼スタ初登場の上野コーチはなんと動画無しで静止画像のみ。こんなところでも中3日が祟ったか・・・

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-----ダミアン-----
齊藤---脇坂---家長
---田中--守田---
車屋-谷口-山村-マギーニョ
-----新井-----

(得点)
35分 脇坂
78分 小林

(交代)
HT マギーニョ→大島(大島がボランチ、守田が右SBへ)
67分 ダミアン→小林
89分 脇坂→阿部

 

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