2021.12.23

塩田仁史選手 現役引退

・昨日(12/22)、塩田仁史選手のの現役引退がクラブから報じられました。ホーム最終戦後の場内一周の様子から残念ながら今季限りの可能性が強いとは思っていましたが・・・

・塩田は昨オフに栃木から完全移籍で獲得したばかり。獲得時に既に39歳だった超ベテランGKでFC東京時代に顔馴染みがありますが、FC東京→大宮→栃木とチームを移っても基本的に第2GKという位置づけは脱せなかったようで、昨年も出場はシーズンの最初と最後の12試合に留まっていました。

・世代交代時期が迫っている西川よりさらに高齢のGKを採る理由は正直よくわからなかったのですが、福島が浦和を去ることが明らかになったため浦和がその代わりに経験のあるGKを採ろうとしたのは間違いありません。彩艶は世代別代表でちょろちょろチームを抜けますし。

・しかし、西川から彩艶への世代交代が目前に控えているという状況で浦和に来ても第3GKに留まる可能性が高いから、それなりに実績があるGKは浦和には来たがらない。ベテランGKの補強という点では2017年加入の榎本を思い出す方も多いかと思いますが、あの時は福島が大怪我をして控えに岩舘がいるだけだったので榎本ははっきりとした第2GKという位置づけ。今回はその時よりも格段に条件は良くありませんでした。

・「第3GKになる可能性は高いけれど経験があるGK」という浦和の虫の良い条件に合う選手となると、引退が近い塩田になったのかも。また戦力というより彩艶の教育係的な意味合いが大きかったのかもしれませんが。

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・そして残念ながら今年の塩田は予想通りずっと第3GKの位置付けのままで出場機会はゼロ。カップ戦や彩艶不在時にベンチ入りするだけに留まりました。塩田のベンチ入りといえば第19節アウェー柏戦で彩艶のエントリー申請漏れが発覚し、急遽塩田が呼ばれたことは忘れえぬエピソードでしょう。たぶん自宅でのんびり寛いでいたところからのスクランブル発進。いくら急に出番が巡ってきがちなGKとはいえ、こんなケースは塩田の長いGK人生でもなかったでしょうに。

・余程のアクシデントでもない限り出番がない辛い立場の第3GK。若手なら「これも修業の一環」と割り切れたかもしれませんが、サッカー選手としての残り時間があまりないベテランには面白かろうはずはないと思うのですが、塩田はそんな立場で実にベテランらしい理想的な立ち振る舞いを見せていたようです。

・引退が公式発表される直前に塩田が中日スポーツに寄せた手記が実に泣ける。「自分も最年長として基準になるよう心掛けました。姿勢、準備、言動。ピッチやロッカー、クラブハウスで隙を見せないようにずっとやってきました。自分が規律、基準になることでチームから少しでもはみ出したり、離脱したりする選手を出さないようにする。それが最年長としての役割だと思っていました。」

・塩田は18年にも及ぶキャリアなのに正GKだった時期なんてほとんどない。塩田自身も「自分自身も心がすさみ、集中し切れない時期を経験してきて、今がある。苦労しかしていないような」と語るキャリアだからこそ落ちこぼれそうな選手の気持ちが判り、キャリア最晩年を迎えようとしている者がやるべきことも判る。世代交代まっ最中で若い選手が多い今の浦和で塩田は実に得難い人物だったようです。

・公式発表はなされていませんが、新聞辞令によると来季からはアシスタントGKコーチに就任の見通し。浦和での塩田の立ち振る舞いが高く評価されたのかもしれません。よって浦和との縁が切れる訳ではなさそうですが、ひとまずお疲れさまでした。そしてありがとうございました。

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2021.12.20

【観戦記】21年天皇杯決勝:浦和 2-1 大分 ~ 最初と最後、ACL出場権が置き土産

 リカの逃げ切り策が大失敗に終わってにわかに暗雲が立ち込めましたが、最後の最後で大分を突き放して3年ぶりに天皇杯を奪回。これが「持っている漢」の力なのか!! いやはや恐れ入りました。

《スタメン》

・浦和のスタメンは準決勝から宇賀神→小泉の一枚のみ入れ替え。ベンチに大久保が入って興梠がアウト。控えにFWが一人もいないとかポジションが被る宇賀神と西が共にベンチスタートとか、ベンチメンバーにはやや不可解な面があり、興梠はコンディションが良くなかったのかも。

・大分のスタメンは準決勝と全く同じ。

・なお今夏チームに加わった呉屋、増山、野嶽、梅崎はレギュレーションの関係(前所属チームで天皇杯出場済み)で出場できないので、片野坂監督は選手のやり繰りに苦労していた模様。一方浦和の江坂は幸いにも柏では天皇杯に出場していませんでした。

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《試合展開》

・大分の布陣はいつもの3-4-2-1ではなく、準決勝川崎戦同様中盤ダイヤモンド型の4-4-2(4-3-1-2)。一方浦和は一応4-4-2ですが、左SH小泉はかなり自由に動き、小泉がいなくなったスペースを明本が使ったり、江坂と小泉がポジションチェンジすることもしばしば。

・そして大分はいきなり前から厳しくプレスをかけに来ましたが、リカはアウェーで大分のプレスにたじたじとなってビルドアップが壊滅して内容的にクソミソに負けたことを反省したのか、準決勝C大阪戦同様スタメンには当たりに強い面子をずらずら並べ、ポゼッションにはあまり拘らずに強度勝負。一対一なり、狭い局面なりでのクォリティー勝負に持ち込んだ模様でした。

・その成果がいきなり出たのが6分の先制点。関根が右サイドから強引にカットイン。関根がボールを失えば小泉が奪い返し、小泉が失えばまた関根が奪い返すの連続でボックス内深くに侵入して大分守備陣を混乱に陥れ、関根が後方に下げたボールを江坂が狙いすましたようにズドン!!

・大分の4-3-1-2は攻守とも機能しているとは言い難く、12分左サイドから小泉→柴戸→敦樹と繋いで敦樹が際どいミドルを放つ場面も。

・また浦和が先制点を取った後は大分がボールを持つ時間が長くなりましたが、どう見ても大分は単にボールを持たされている状態。浦和を押しこんでサイドからクロスを上げる回数よりも、浦和に高い位置でボールを奪われてカウンターを食らう回数の方が遥かに多い惨状でした。

・ただボールを失った後の大分の攻守の切り替えも早く、浦和が良い形でボールを奪ってもシュートに結びつけられない何とももどかしい試合展開に。いつもなら給水タイムで何らかの修正を施しそうなものですが、決勝戦になって突然給水タイムが廃止されたのは少々祟った格好に。

・43分敦樹のボールカット&スルーパスからユンカーがCBエンリケと対峙し、ボックス内で足を引っかけられたようにも見えましたがPKはなし。

・後半立ち上がり、右サイドに流れた渡邉のクロスから町田がシュートを放つ決定機がありましたが、ここは岩波がブロックして枠外へ。大分はビルドアップ時に小林裕がCB間に下がる形を止めて、後半はダブルボランチにして、エンリケを真ん中にして下田が3バックの左に下りるような形に変えたのが奏功したのか、60分くらいまで浦和を自陣に押し込み続けましたが、それでも決定機は作れず。

・逆に浦和は63分江坂が高い位置でのボール奪取に成功してユンカーが枠内シュート、さらに70分西川のスローインを受けた関根が追いすがる相手を振り切って力強くドリブルで前進&スルーパス→江坂はボックス内でGKを交わして追加点間違いなしと思ったものの、体勢を立て直したGK高木がビッグセーブ!!

・そこで得た江坂CKからサインプレーで下がった位置にいたユンカーがシュート。そのこぼれ球をファーで岩波が押し込んだもののオフサイドの判定。

・その直後にリカはユンカーに代えて宇賀神を入れ、さらに大分が79分伊佐→長沢、小出→松本と代えて長身の長沢をターゲットにクロス攻撃を仕掛けてきたと見るや否や、83分小泉→槙野、関根→大久保と代えて5-4-1にシフトし、本格的な逃げ切り態勢に。

・しかし42分松本のクロスに対するショルツのクリアが小さくて渡邉に決定機を許したのがケチのつけ始め。90分かなり距離のあるところからのFKをGK高木がわざわざ出てきてちょん蹴りして角度を変えたのが効いたのか、下田クロスをペレイラが頭で合わせて大分が土壇場で同点に。クロスの先ではずっとペレイラを監視していはずの槙野が肝心なところでペレイラを離してしまう大失態。

・ところが最後の最後で全てを持って行ったのがその槙野。大久保CKをいったんGKがパンチングで逃れたものの、そのこぼれ球を柴戸が左足ダイレクトでボレー。そして槙野がヘディングで角度を変えてゴール!!柴戸のミドルシュートには高木が反応しているので槙野のヘッドがなかったらセーブされていたかもしれず、実に有意義なヘッドでした。

・槙野は加入初年度にリーグ最終戦で強烈なFKを決めてACL出場権を引き寄せ、浦和での最終年、しかもそのラストゲームでは天皇杯優勝という形で再度ACL出場権を引き寄せるとは何という強運。これこそ持っている漢。良くも悪くも槙野は最後の最後までエンターテイナーでした。

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《総評》

・ロジカルに得点の可能性を高め、失点の可能性を低めるのが好きなチームであっても所詮あんまり点が入らないゲームなので、なんだかんだと理不尽な形で点が入って勝敗を分けることがままあるのがサッカー。だから面白い。サッカーの面白さが詰まりに詰まったラスト5分でした。

・これで浦和は2018年大会以来4度目(三菱重工サッカー部時代を含むと通算8度目)の天皇杯優勝。

・トーナメント、しかもその決勝なので内容なんてどうでも良くて結果しか意味がありません。酒井は試合後「無失点優勝したかった」「100パーセントうれしいかと言われたら、まだまだ悔いは残るトーナメントだった」と語ったように失点の仕方がマヌケすぎて画竜点睛を欠いた気がしないでもないのですが、まぁそこは今の浦和では経験値がぶっちぎりに高い酒井の貪欲さの表れということで。

・鹿島に負けてリーグ戦でACL圏入りの目がほぼなくなった時点でリカは狙いを天皇杯一本に切り替え。具体的にはリーグ戦終盤で神戸や鹿島に強度不足を突かれてボコボコにされたことを踏まえ、そもそもボールを握れそうにない横浜M相手ならともかく、ボールを握れそうなC大阪や大分相手でもポゼッションには拘らず、強度の高い面子をズラズラっとスタメンに並べたのが見事に奏功しました。

・相手に応じて、あるいは状況に応じてやり方を変えられる柔軟さがリカの取り柄。最後は悪く言えば「ポジショナルサッカーを諦めた」と見られても仕方がないくらいの転換だったと思いますが、それはリカの本意ではないでしょう。またまた選手を入れ替え、キャンプでじっくり仕込んだ2年目からがリカ流の本番かと。

・川崎相手にシュートを撃たれまくりながらも最後の最後までスコアレスで凌いだ大分の実力は伊達ではなく、浦和相手ならたいしてシュートを撃たせず。片野坂監督が試合後に語ったように序盤の作戦負けが祟った感じで、そこはアウェーでボコボコにされたリカの修正が一枚上だったかと。この試合内容なら1年でJ1に復帰できそうな気がしますが、残念ながら片野坂監督の退任が決まっていて一から出直しだんだよなぁ・・・

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《選手評等》

・20年近くプロでやっていたのにタイトル無縁でサッカー人生を終える選手が少なくない一方、浦和加入初年でタイトルを掴む選手がおるとは!!特に全くの新人だった敦樹や大久保は感慨深いかも。また昨年までは金がなくて将棋アプリの課金を躊躇していた選手が今や浦和の主力としてタイトルホルダー!!

・小泉が一時のドツボ状態から吹っ切れたのは何より良かった。やはり準決勝でのゴラッソで自信を取り戻したのかも。また大久保が短時間で何か爪痕を残そうと頑張っていて、それが大久保CKからの決勝点に繋がったのも好印象。逆にユンカーが終始ややブレーキ気味。グロインペインの影響だとかなり心配ですが・・・

・劇的なゴールを決めた選手が興奮のあまり(イエロー覚悟で)ユニフォームを脱ぐという場面はよくありますが、ユニフォームは脱いでもキャプテンマークは巻いたままというのはあんまりおらんかもw

・表彰式が一段落した後に平野が謎の踊り。森脇とは違った意味での優勝セレモニーの裏主役になる才能ありあり。そしてその先輩を引き立てる明本もGJでした。

・MDPで清尾さんが「3年計画の進捗状況は遅れ気味」という認識なのには少々驚きました。リーグ戦でACL圏に届かなかったからかな? でも進捗遅れの責任はリカにはないからなぁ。一年目が虚無だっただけで。

・荒木主審のファウル判定ブレブレには参りました。ユンカーはなんとか我慢していましたが、明本は終盤ヤンキー丸出しでブチ切れwww ビッグマッチにこのレベルの主審を出さざるを得ないとは、Jリーグの審判団は相当な人材難なようで。

・飲水タイムがなぜか決勝になって突如廃止。JFAは事後法適用で浦和を処罰するくらいですから、直前のレギュレーション変更くらい朝飯前でしょう。

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---江坂--ユンカー---
小泉--------関根
---柴戸--伊藤---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
6分 江坂
90+3分 槙野

(交代)
72分 ユンカー→宇賀神
83分 小泉→槙野
83分 関根→大久保

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--小林成--伊佐---
-----下田-----
-渡邉--小林裕-町田-
三竿-トレヴィ-ペレイラ-小出
-----高木-----

(得点)
90分 ペレイラ

(交代)
72分 小林成→野村
79分 伊佐→長沢
79分 小出→松本

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2021.12.13

【観戦記】21年天皇杯準決勝:浦和 2-0 C大阪 ~ 見事ルヴァン杯のリベンジ達成!!

 宇賀神のスタメン抜擢&ゴールも驚きなら小泉の「ひとりで出来た!」も驚き。ルヴァン杯で苦杯をなめたことを踏まえたようなスタメン構成、そして劣勢に陥ってからの的確な火消しとリカの采配も冴えわたり、見事リベンジを達成しました。

《スタメン》

・浦和はリーグ戦最終節から汰木→宇賀神、小泉→江坂、金子→敦樹とスタメン3名入れ替え。とにかく名古屋戦でベンチスタートだった宇賀神のスタメン抜擢はサプライズでしたし、それ以上に山中が名古屋戦に続いてベンチ外なのがサプライズでした。てっきり敦樹・平野と共に天皇杯へ向けて万全を期すべく山中も名古屋戦を休ませたのだと思い込んでいただけに。

・興梠がベンチに戻り、阿部がベンチ外に。

・C大阪は最終節から加藤→為田、藤田→喜田とスタメン2名入れ替え。為田・喜田ともリーグ戦ではほとんど出場していない選手で、あえてこの大一番でスタメン起用した理由は謎。

・なおC大阪はFWタガードとSH乾が故障離脱中。

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《試合展開》

・C大阪の布陣は基本4-2-3-1で守備時4-4-2でしょうか。ただFW登録の為田は前線ではなくどう見ても左SHにおり、代わって清武が大久保と並んで2トップを形成している時間帯が長いのが目を惹きました。

・そしてC大阪はルヴァン杯と同じく2トップと左SHの3人で前からハメに来ましたが、浦和もそれは織り込み済み。ルヴァン杯第2戦では小泉が絶不調でボールの奪いどころとして狙い撃ちにあっていましたが、リカは小泉どころか平野もスタメンから外していかにも球際に強そうな面子をずらずらと配することで対応。

・相手のプレスを巧く交わすのと逃げるのとは紙一重。清水戦は逃げ回った挙句にクソ試合になりましたが、この試合では上手く交わせないかもしれないが逃げない選手をスタメンに並べたと言い換えてもいいでしょう。そして驚くべきことに小泉も平野もいないのに浦和はそれなりにビルドアップが出来て、C大阪を自陣に押し込むことに成功しました。ただ序盤は酒井の攻撃参加が目だったくらいで決定機は掴めず。

・試合後小菊監督は「ゲームプランの中では、最初は前から強い矢印で、と考えていました。ただ、やはり浦和の立ち位置を変えながらの、クオリティーの高いビルドアップに対して、うまくはがされて、どうしてもブロックが落ちざるを得ない。そういった状況が、前半の飲水タイムまでの流れだったと見ています。」と述懐していますが、ゲームが動いたのはむしろ給水タイムの後。

・29分高い位置でボールを奪回したのを契機に、関根が右サイドからクロス。ファーの明本はシュートを撃ち損ねたものの、落ち着いて中央へ折り返して後方から入り込んだ宇賀神が低い弾道のシュートをズドン!!

・その後10分くらいの浦和の出来は圧巻。C大阪を自陣深くに押し込み続け、ボールを失っても高い位置で奪回して波状攻撃。しかしユンカーのシュートはブロックされるなど決定機には至らず。

・ところがここまでで浦和は随分足を使ってしまったのか、前半も残り10分を切ってからC大阪が反撃。37分ショルツのクリアボールを拾った清武がそのまま前方へ突進してミドルシュート。39分にはFKからの流れで為田がミドルシュート。いずれも枠内を襲っていて西川の好セーブで事なきを得ましたが、この試合を通じてC大阪は浦和守備陣を崩しきれずにこぼれ玉を拾ってミドルシュートを撃つ似たような場面が非常に目立ちました。

・41分には松田陸がどフリーでクロスを入れるC大阪得意の攻撃パターンも見られましたが、最前線の大久保にはわずかに合わず。

・後半になっても浦和やや劣勢の流れは変わらず、自陣で4-4-2の守備ブロックを作って耐える苦しい展開に。49分坂元が宇賀神を振り切ってカットイン→縦パスを受けた為田がボックス内で潰れて清武に繋ぐ絶好機がありましたが、清武の巻いて置きにいったようなシュートはバーの上。

・54分宇賀神クロス→ユンカーヘッドの決定機も実らず、浦和に暗雲が立ち込め始めたところでリカは61分前半イエローカードをもらったために対坂元で厳しく行けなくなった宇賀神に代えて汰木を投入(明本が左SBへ)してまず左サイドの守備を手当。これが見事に奏功して、これ以降C大阪はセットプレーの流れからミドルシュートくらいしか攻め手がなくなってしまいました。

・C大阪も64分大久保→加藤、為田→山田と前目を代えたものの特段の効果なし。一方浦和は65分カウンターでユンカーが右サイドで粘って3人を振り切ってスルーパス→汰木がボックス内やや角度のないところからシュートを放つもGK正面。

・リカは73分ユンカー→小泉、敦樹→平野の二枚替えで、どちらかと言えば強度重視からボールをしっかり握る方向へ転換。83分平野が右へ展開→関根がカットイン&シュートを放つもわずかに枠の外。

・リカは明本が足を攣ったのを見て、87分明本→西、江坂→槙野の二枚替えで5-4-1にシフト。非常に判りやすい逃げ切り策ですが、驚きべきことにその「1」に入ったのはおよそ得点が期待できない小泉。「こんなん同点に追いつかれたら一巻の終わりやな」とリカの大胆な賭けには驚きを禁じえませんでしたが、その小泉が全く予想だにしなかった「ひとりで出来た!!!」をかますんだから世の中判らない。

・左サイドでハイボールを収めた汰木の折り返しを受けた小泉がそのままゴールへ向けて突進。追いすがる藤田を振り切り、松田陸の股を抜き、さらにボックス内での西尾との1対1もあっさり制してジンヒョンのニアをぶち抜くスーペルゴラッソ!! 基本トップ下なのにおよそ得点なんて期待できず、そもそも点を取る意欲があるのかどうかすら疑わしかったあの小泉が!!! いやはや恐れいりました。

・ほとんど攻め手がなかったC大阪はこれで意気消沈。逆に浦和の動きは鋭さを増し、鹿島るどころか隙あらばカウンターで3点目を狙うような「積極的な時間つぶし」で楽々逃げ切り勝ち。

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《総評》

・シュート数は9対8とほぼ互角。CKに至っては2対7とC大阪のほうが多かったくらい。従って49分の絶好機を清武が決めていれば前半の終わりごろから優勢に転じたC大阪は逆転勝ちする目はあったかと思いますが、やはり接戦でものを言うのは決定力の差。一発勝負のトーナメントならなおさら。

・浦和がボールをしっかり握った時間帯は長くはなく、チーム一体となって相手守備陣を崩すような場面も多くはなく、「全体的に見ると、すごくよかった試合かと言われるとそうではありません」とリカが総括した通りの試合内容でした。

・ボールをしっかり握っていた序盤ですら「ゴール近くまで接近することはできてもチャンス自体はなかなか作れず、相手の堅さの前でこじ開けるには至りませんでした」とリカが嘆く試合展開に。しかし、それでもホーム清水戦のような相手の守備ブロックの周りでボールを回すだけの消極的な試合運びには陥らず、なんとかゴールをこじ開けることが出来ました。

・この試合で良かったのは「浦和の良さはそんなに出なかったが、それ以上にC大阪の良さを消したこと」に尽きましょう。「試合展開」でも記したように、ルヴァン杯でC大阪に前からガツガツ来られてビルドアップが壊滅したことを踏まえ、上手くはないが球際で当たり負けしない選手をずらずらと並べたのが見事に奏功しました。しかもご丁寧なことにC大阪のストロングポイントである右サイド攻撃、特に坂元対策として明本&宇賀神を左サイドに配する用意周到ぶり。もっとも宇賀神が早い時間帯にイエローをもらってしまったのは誤算だったでしょうが。

・C大阪の持ち味であるカウンターも前半は高い位置でのボール奪回で未然に防ぎ、後半は素早く帰陣してしっかり構えることで防戦。その結果清武の絶好機以外でC大阪にボックス内でシュートは撃たせていないかも。

・そして浦和リードのまま時が流れて、後半途中から汰木・小泉・平野と「強くはないが上手い選手」を続々投入して、ボールをしっかり握る方向へ転換。チームに複数の顔を持たせるのは実にリカっぽいやり方。あえて先走った話をすれば、この試合のスタメンが来年のACL仕様の原型で、平野ら投入後の面子がリーグ戦仕様の原型な気がしました。

・C大阪は坂元のドリブルごりごりで相手の最終ラインを下げた後の松田陸の高精度クロスが実に厄介でしたが、そこに立ちはだかったのが「浦和三山」。岩波山はともかくショルツ山と酒井山の威容は浦和ゴールを守るのに十分。終盤完全に手詰まりになったC大阪のクロス攻撃やCKを淡々と弾き返しつづける浦和三山の頼もしいこと!!

・押し込まれてはいるがあんまりやられそうな気配はないまま逃げ切り勝ちというのはリカの嗜好ではなく、どちらかというと2006~2007年の「なんとか頼みのクソサッカー」テイストがムンムンですが(苦笑)、流れの良くない時でも耐えられるのは強いチームへの第一歩です。

・決勝の相手はなんと川崎ではなく大分。大分は来年J2へ降格することが決まっていますが、浦和にとっては組みしやすい相手ではありません。アウェーでは良いところなく内容的にボロ負け。ホームでも終盤猛攻を浴びて長沢のあんまりな外しっぷりに助けられただけの辛勝。二試合ともまだ酒井やショルツの加入前でしたが、リカはアウェーでの惨敗を忘れてはいないでしょう。何かしら対策を練ってくると思います。

・2018年以来3年ぶりの天皇杯奪回、そしてACL進出まであと一勝。舞台は浦和としては初経験の新国立競技場。赤者以外のサッカーファンはみんな大分を応援するでしょうが、幸か不幸か赤者はヒール役にはすっかり慣れててなぁ(苦笑)。悪者見参、悪者上等、悪者が大暴れしてこそ物語は盛り上がる。やってやりましょう!!

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《選手評等》

・小泉ってこれまであんまりTwitterで発信してなかったと思いますが、この日はめっちゃ嬉しかったみたいでバンバン発信。あの股抜きは琉球のDFにはバレバレだったとか(笑) ボックス内に斬りこまれる可能性がある2列目は相手にとってめっちゃ怖い。球際の競り合いに弱いパス出し小僧で危うく終わりそうなところ、今日は小泉が一皮むけた感じがしました。

・関根はAT近くになると「ダミーシステム」が起動する仕様になったくさい。お疲れなのに狂ったように猛然とボールを追いはじめる。しかもそれが効果的。浦和を背負う責任を体現した関根。これまた一皮も二皮も剥けたみたい。末っ子仕様だった関根が!

・大久保が味方に向かってがなった後にチーム状態が良くなった試しがない。最後の最後までキャプテンシーとは無縁な奴でした。NHKも引退が決まっている大久保にフォーカスしたような番組作りをしていましたが、特に見せ場は無くて的外れに(苦笑)。

・宇賀神のイエローは仕方ないと思いますが、あれより酷いファウル(大久保が後ろから削ったやつとか)でイエロー出さないのは不可解でした。アジアの笛より怖いあ行の笛。

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-----ユンカー-----
明本---江坂---関根
---柴戸--伊藤---
宇賀神-ショルツ-岩波-酒井
-----西川-----

(得点)
29分 宇賀神
89分 小泉

(交代)
61分 宇賀神→汰木
73分 ユンカー→小泉
73分 伊藤→平野
87分 江坂→槙野
87分 明本→西

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-----大久保----
為田---清武---坂元
---喜田--奥埜---
丸橋-瀬古-西尾-松田陸
-----ジンヒョン----

(交代)
64分 大久保→加藤
64分 為田→山田
81分 喜田→藤田
90分 奥埜→松田力

 

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2021.12.05

【DAZN観戦記】21年第38節:名古屋 0-0 浦和 ~ 天皇杯へ向けて視界良好かな?

 名古屋とは結局ホームゲームに続いてスコアレスドロー。でも前回は内容的に負けに等しかったのに対し今回は若干優勢。天皇杯へ向けての準備的な色彩が強い面子&選手交代だったにも関わらず、手強い相手にこの内容なら収穫大でしょう。
 
《スタメン》

・浦和は前節清水戦から江坂→ユンカー、大久保→汰木、達也→小泉、敦樹→柴戸、平野→金子、山中→明本とスタメンを一挙6人も入れ替え。このところ出ずっぱりだった敦樹・平野・山中は完全休養、かつ江坂はベンチスタート。さらに故障明けのユンカー、明本、柴戸は揃って試運転と思った以上に、リカはこの試合を「天皇杯準決勝へ向けての準備」と割り切った様子。

・この試合が浦和でのリーグ戦ラストゲームとなる阿部・槙野・宇賀神がベンチ入り。ポジションが被る宇賀神と西が共にベンチスタートなのはかなり不自然でどう見ても功労者への花道を設けた格好。そのあおりで興梠がベンチ外に。

・名古屋のスタメンは前節C大阪戦からシュヴィルツォク→マテウスと一人入れ替えたのみ。しかもシュヴィルツォクはなんとベンチ外。その理由はDAZN解説でもよく判らなかった模様。

・なお名古屋はCH長澤が出場停止な上に、CB丸山、CH米本が故障離脱中。

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《試合展開》

・浦和は既にリーグ戦でのACL圏入りの可能性はなく、最終節は完全に消化試合だった一方、名古屋は鹿島の結果次第で4位に滑り込む可能性があってモチベーションを保ちやすい状況でした。

・しかし名古屋も名古屋でさして厚くもない戦力で今年は久しぶりにACLを並行して闘ったせいか終盤にけが人続出&全般にお疲れ気味だったようで、フィッカデンティ監督も試合後「私も含め、選手たちも残ったエネルギーを最後まで使い切る以外の戦い方しか選択肢がないという難しい状態で試合に入りました」と本音を思わずポロリ。そのため浦和にとっては完全な消化試合だったにも関わらず、試合は終始意外に拮抗した面白い展開になりました。

・立ち上がりから浦和が安定的にボールを支配。名古屋は立ち上がりに前プレがハマってチャンスになりかかったのがあったくらいでさほど前からは追って来ず、基本的にリトリート主体で自陣に4-4-2の守備ブロックを敷いてカウンター狙い。

・よって浦和が敵陣でボールを回している時間帯が長くなりましたが、やはり前節清水戦同様シュートが撃てない。特に最初の給水タイムまでは小泉のボールロスト&パスミスが非常に多くてチームの足を引っ張り続けました。ただ浦和がボールを失った後の切り替えが早く、往々にしてボールを敵陣で回収できていたので大過には至らず。

・唯一危なかったのは25分木本が深い位置でのボールを奪ってそのままゴリゴリとドリブルで前進→前田のパスを受けたマテウスがブレにブレまくる無回転シュートを撃った場面。何の脈絡もなく点を取るマテウスらしい場面でしたが、ここは西川が無理にキャッチに行かずに足でセーブ。

・浦和も32分にユンカーが高い位置でボールを奪取して中央へ折り返した(でも小泉がシュートを撃てず)のを契機に右サイドからクロスが入り始め、序盤インケツだった小泉もようやく稼働し始めたところで前半終了。

・ところがリカはなんと後半頭からユンカー→宇賀神、明本→江坂と2枚替え。共に怪我明けなので無理させず試運転終了という意図なのは明々白々で、試合後リカも「リスクを冒さずケガなく試合を終わらせる、そういったところを想定してこの試合に臨みました」と明言。でもユンカーは45分しか使えないのが判っているのに興梠ベンチ外とはハナから勝負度外視と言われても仕方ないような・・・

・ユンカーはともかく、前からハメる上で非常に良く効いていた明本を下げたのが良くなかったのか、後半に入ると浦和は思うようにボールを握れなくなってしまいました。それ以上に名古屋が57分前田に代えて山崎を投入し、さらに木本をCBに下げて3バック(3-3-3-1?)にシステムを変更したのが効いたのかも。

・試合後のフィッカデンティ監督の弁によれば「ピッチの中央の部分で相手に主導権を握られているところもあり、そこをまずしっかり守る」「両サイドバックもですし、両インサイドハーフにも攻撃的な選手をその位置に配置して、真ん中から行けないのであれば外から行く」というのが布陣変更の狙いなんだとか。

・しかし、試合のペースを名古屋に奪われかかっても特に決定機は与えず、それどころか66分浦和にビッグチャンス!!汰木が左サイドからアーリークロス→関根が吉田の背後を取ってGKと一対一に。胸トラップまでは完璧でしたがボレーシュートを高々と打ち上げてしまってゴールならず。

・69分名古屋はマテウス→森下、相馬→シャビエルの2枚替え。その直後に浦和は左サイドでのボールロストを契機にショートカウンターを浴び、シャビエルのシュートでヒヤリ。なおシャビエルも今季限りで名古屋との契約満了が決まっており、こちらも餞コース。

・71分汰木CK→酒井ヘッドが豪快に決まってついに浦和先制!!と思われましたが、VARとの交信の結果オフサイドポジションにいた小泉がGKの視界を遮っていたと見做されたのか、まさかのノーゴールに。酒井のゴールっていつもVARが付きまとうような・・・

・続く74分酒井の縦ポンで裏抜けに成功した江坂がGKを交わしたところまでは良かったのですが、既に角度がなくてシュートは枠外。

・やや浦和優勢になったところでリカは80分に槙野&阿部を投入。「宇賀神、槙野、阿部に関してですけど、この試合に関しては彼らが今までやってきてくれたこと、貢献してきてくれた選手たちに対して、ピッチで3人一緒に立って戦ってもらう、そういったところをみなさんに見てもらいたかったです。」ともう浪花節全開の選手交代。最終節が完全無欠の消化試合になったのをこんな形で前向きに昇華させるとは!!

・87分汰木CKからの流れでショルツのシュートが決まったものの、これは明らかに小泉がオフサイド。さらに終了間際に敵陣深い位置での槙野のボール奪取など見せ場は作ったものの決定機には至らず、スコアレスドローで試合終了。

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《総評》

・完膚なきまでの消化試合と化した最終節を、唯一残った目標である天皇杯へ向けての準備に充てるのは至極当然。その辺の割り切りは天皇杯奪還に成功したオリヴェイラ監督に相通じるものがあります。もっともオリヴェイラ監督はリーグ戦を丸々捨てて天皇杯へ全力投球で、その後浦和はより一層泥沼の深みに嵌まる羽目になりましたが(苦笑)。

・そして疲労が目立った山中・敦樹・平野を休ませ、故障明けのユンカー&明本を時間限定で試運転し、面子はベストにほど遠い状態だったにも関わらず手強い相手にやや優勢な内容でのスコアレスドローと「天皇杯へ向けての準備試合」としてはほぼ満点といってもいいくらい。おまけに消化試合であることを良いことに功労者の出番を設けてファン・サポーターも大満足。

・あえて難を挙げれば「今日の試合で最も休ませないといけないのは酒井じゃないのか?」という点。悪いことに最後は微妙に足を痛めてた様子でしたし。

・これで浦和はリーグ戦6位でフィニッシュ。残念ながら今年の目標だった「リーグ戦でのACL圏入り」はなりませんでしたが、そもそも事実上チーム再建初年であることを考えればその目標自体が高すぎ。開幕時にその目標が現実味を帯びるなんて考えた方はほとんどいないと思います。せいぜいトップハーフ入りが現実的な目標。それどころか鳥栖に不覚を喫し、横浜Mや川崎にボロ負けした頃には「J1残留で御の字」と思った方が大半ではなかったでしょうか。

・ところが資金も戦力も潤沢とは言い難いい徳島をJ2優勝に導いたリカの手腕は伊達ではなく、それ以上に西野TDがJ2から拾い集めた新戦力がハマリにハマり、さらに金をかけるべきところでは金をかけて戦力を刷新したのが見事に奏功。6位フィニッシュは当初予想の最上限レベルで、ルヴァン杯ベスト4、さらに天皇杯も準決勝進出という結果を合わせて考えれば今季は万々歳だと思います。

・今季の浦和は得点・失点ともリーグ8位。アプローチは正反対ですが、結果は「ウノゼロの権化」フィッカデンティ監督の名古屋と同じ感じに。リカはボールを大事にしますが、ミシャと違って全然攻撃的じゃなくて基本的に攻撃で無理はしませんし、むしろボールを失った後の奪回に力を割いている様子。この試合もそんな感じで、それゆえ「失点は少ないが得点も少ない」という判りやすい結果に。

・「前からガツンを当たってピッチにカオスが生じたら、あとはサイコロの言う通り・・・」みたいな昨年のサッカーとは真逆のロジカルな緻密なサッカーが持ち味で、それをピッチ上に具現化するところまではリカは成功しましたが、現状では如何せん決定機が少ない上に決定力もない。ユンカー不在のゼロトップ時にそれが顕著でした。

・この試合でも絶好機で関根が宇宙開発。後半のゼロトップ化はそこそこ奏功していましたが、やっぱり最後は浦和2列目のあんまりな得点力の無さに泣いた格好に。強い相手にはほんのちょっとしかない決定機を決めないと勝てません。来年目標をリーグ優勝とするならこの辺の補強が最優先でしょう。

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《選手評等》

・岩波からバシバシ縦パスが入るようになるとは、ショルツが来るまでの惨状からすれば破格の進歩。今季一番成長したのは柴戸と思いますが、後半だけ取ってみれば岩波かも。次点が大久保。

・小泉はボコボコにやられた神戸戦から深い闇へ落ちてしまったかも。興梠も案じていましたが、相手の当たりを怖がって無難なプレーに終始するようになると本当に選手として終わってしまいます。今日も序盤はミス連発でしたが、ボールを受けようという姿勢があるだけまだマシなのかも。

・金子ってBox to BOXっぽい動きが一番持ち味が出る様子。それでも敦樹の下位互換でしかなさげですが、今年の新戦力で唯一ハズレっぽい立ち位置から来年はどこまで持ち直せるかな?

・村上主審はこの試合で国内のトップリーグから勇退。試合後はともかく、試合前から主審へセレモニーなんて浦和がやった日には清水あたりから「コウヘイセイガー!!」とか公式にクレームを付けてくるような予感しかしませんが・・・

・そして残念ながら前半は判定がプレまくり。罵声の中でピッチを後にする予感しかしませんでしたが、後半はラフプレーの柿谷にちゃんとイエローを出すなどそんなに変な笛もなく、VARでの得点取り消しも(意見が分かれそうですが)不当とはいえず、無事試合終了。

・でも同じく今年限りとなった家本主審が判定について選手とめっちゃコミュニケーションをとり、傍目には疑問に思えても選手は渋々納得してた風だったのに対し、村上主審はそこまで選手に信頼されてなかったと思うけどなあ・・・単にキャリアが長いだけで。でもお疲れさまでした。

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-----ユンカー-----
汰木---小泉---関根
---柴戸--金子---
明本-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(交代)
HT ユンカー→江坂
HT 明本→宇賀神
80分 岩波→槙野
80分 柴戸→阿部
90+1分 関根→西

-----前田-----
相馬---柿谷---マテウス
---木本--稲垣---
吉田-ミンテ---中谷-宮原
-----ランゲラック----

(交代)
57分 前田→山﨑
69分 マテウス→森下
69分 相馬→シャビエル(柿谷が左SH、シャビエルがトップ下へ)
84分 柿谷→齋藤
84分 宮原→藤井

※写真は試合と全く関係ありません。

 

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2021.11.28

【観戦記】21年第37節:浦和 0-1 清水 ~ キミはまだ本当の浦和レッズを知らない

 試合前は「スカッと勝って良い別れ、良い旅立ちの日にしたいものだ」と意気込んでいたのですが、残念ながら今季屈指のクソ試合に。しかも負けるとは思っていなかった相手に最後の最後でまさかの一発を食らう最悪の展開となり、「別れの日にウンコを踏んだ」ような塩梅に。

《スタメン》

・浦和のスタメンは前節から西→酒井と一人入れ替えのみ。小泉がベンチに復帰したため宇賀神がベンチ外に。

・清水は前節と全く同じスタメン。

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《試合展開》

・浦和のスタメンは前節と全く同じでしたが、前節と違ってどう見ても敦樹と平野はほぼ同じ高さにおり、かつどちらかが最終ラインに落ちるケースもままあったので基本フォーメーションは前節突如採用した4-1-2-3ではなく、従来通りの4-4-2ないし4-2-3-1だと思います。よって4-4-2の清水とはほぼミラーゲームの格好に。

・清水はさして前から追ってこず、ボールは早々と浦和が支配。しかし縦パスがほとんど入らず清水の守備ブロックの周りでボールを回し、思い出したように山中に展開して誰にも合わないクロスで終わるだけのクソ眠い展開に。浦和は再三平野が最終ラインに降りる代わりに両SBを高い位置に押し出す形を取っていましたが、ビルドアップに詰まりっぱなし。やむを得ず江坂が頻繁に中盤に降りて正真正銘のゼロトップ状態に。

・給水タイムを経て清水が前プレの強度を上げてきたかと思ったが5分と持たず、再び試合は浦和が清水の守備ブロックの前でぐるぐるボールを回すだけに。浦和の攻撃は34分大久保、36分敦樹が共にペナ前から放ったシュートに多少可能性があったくらいでしょうか。

・このまま前半はドン引きに陥った清水を浦和が攻めあぐねたまま終了と思いきや、前半終了間際に鈴木唯が突如右サイドからカットイン。あれよあれよという間に浦和守備陣が突き崩されてボックス内から決定的なシュートを撃たれてしまいましたが、ここは辛うじて西川がセーブ。

・達也はそもそもスペースがない状態では活きない上にサイドに張りがちでインサイドでのプレーは得意ではなく、これまたサイドに張りっぱなしの酒井との相性は最悪。清水相手ならボールを握る展開になるだろうとリカ自身も予想していたのに達也をスタメン起用したのが謎でしたが、案の定後半頭から達也に代えて小泉を投入する羽目に。

・小泉が入ったので江坂が無駄に中盤に下がる必要はなくなり、関根が右SHに回ったことで右サイドの糞詰まり感も幾分解消されましたが戦況は必ずしも好転せず、相手を深く押し込んではいるが守備ブロックを左右に振り回すだけで全く決定機が作れませんでした。たまに撃つミドルは大きく枠外へ。特に好機と思われた場面で放った山中のミドルシュートが明後日の方向へ飛んだのには心底がっかりしました。

・浦和は決定機を作れないどころか66分山中のボールロストを契機にロングカウンターを食らってサンタナに際どい一発を浴び、続くCKも直接枠内を襲ってヒヤリ。

・リカは71分大久保→汰木、78分山中→西、86分平野→興梠と投入してゴールに迫るもののやはり決定機は作れず。浦和がこの試合で最もゴールに迫ったのは88分江坂スルーパス→汰木ボックス内突入の場面だったかと思いますが、ここは飛び出した権田に汰木がシュートをぶつけてしまってどうにもならず。

・終盤酒井が肝心なところで一歩届かないorちょっと精度を欠くという場面が結構あって、しくじった本人がめっちゃ悔しそうでしたが、やっぱりコンディションがイマイチで本人は出来ると思ってたプレーが出来なかったのかも。

・平岡監督は「J1残留のためにはドローでも大満足」と言わんばかりにATになって2トップを一挙に交代。単なる時間稼ぎと見られても仕方がない交代で、これで観客どころか浦和の選手まで緩んでしまったのか、アーク付近から途中投入の中村の一発を食らってまさかの敗戦。小泉がなぜか酒井に加勢しにいって中村をフリーにしているのも謎でしたが、それ以前に清水のゴールキックをディサロがどフリーで受けているのが謎過ぎ。とにかく浦和が緩みすぎていて、あの一発は偶然ではないでしょう。

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《総評》

・皮肉というか何というか「ボールを持って試合の主導権を握りながらやっていきたい、それを相手陣内でやっていきたい、そこが今回の試合はなかなかできなかった」と嘆いた横浜M戦はほぼ完勝だったのに対し、試合を通じて敵陣でボールを握り続けていた清水戦では完敗。シュート数が多かったチームのほうが決定機はそんなに作れなかった点でこの2試合は非常に似ていました。

・リーグ戦終盤になって川崎や横浜Mのような明らかに格上のチームに対してチャレンジャーとしてぶつかっていった時は良い試合をし、神戸や鹿島のようなちょっと上のチームにははっきりと殴り倒され、残留争いに足首まで浸かっている清水には良いところなく負ける。今年の浦和は昨年より格段にマシになりましたが、やはりまだまだ未成熟なことを思い知らされた残念な試合でした。

・これで浦和のリーグ戦4位入りの可能性は完全に消滅。大昔は「ホーム最終戦だけはやたら強かった」のですが、いつの間にやら「ホーム最終戦は大抵ロクなことがない」という、ただいま絶賛発売中のシーチケの営業担当者がまたしても頭を抱える結果に。

・リカが試合後「ボールを持っているときの幅や外を使ったときの最後の質。クロスの質などが足りていなかったと思います。狭いスペースの中、コンビネーションでゴールに迫る場面でありましたが、そういった部分で幅や崩しだったりするところが足りませんでした」とボヤく通り、浦和は最後の最後まで清水の守備ブロックを崩しきれませんでした。

・浦和はこのところ手強い相手と対戦が続き、ドン引きのチームと対戦するのは久しぶりで勝手が違ったのかもしれませんが、それにしても練度不足が目に余りました。またリカ得意の選手交代や戦術変更にも冴えがなく、ドン引きチーム相手にゼロトップは意味がないことが露呈してもその修正、端的には興梠投入が遅れに遅れました。

・また依然ユンカーと明本を欠いており、故障明けの小泉や依然短時間の出場に留まっている興梠を含めて行き詰まった戦局に変化をもたらし、競った試合を勝ち切るためには攻撃陣の手駒が少なすぎた結果がこのクソ試合をもたらしたのかもしれません。特にドン引き相手にハイタワー型のCFがいないのが響きました。

・ショルツはMDPで「川崎との勝ち点差は20以上あって、その差は埋まるのは現実的には再来年かもな」と実に耳に痛いことを言っていましたが、このクソ試合を見ると相当補強しないと来年のリーグ優勝なんてとてもとても無理と思わざるを得ません。もちろんそれを念頭に西野TDはベテラン選手を大量に整理したのでしょうし。

・気になったのは試合後大久保が「やっぱり慎重になってしまったのが今日はあります。もっとミスを恐れずやるべきだったかなと思います」と語っていたこと。浦和はリーグ戦4位入りの可能性に賭けて闘ってはいましたが、タイトル争いほど強いプレッシャーはなかったはず。それでも慎重になりすぎさせる何があったとすれば「埼スタに3万人近い観客が戻って来たこと」なのかも。

・阿部らが再三口にしていた通り、今年浦和に加入した選手は満員に近い埼スタでファン・サポーターの圧倒的な声量に包まれながら闘う本当の浦和を知りません。それが来年再現されるかどうか判りませんが、良くも悪くも浦和特有、浦和ならではのプレッシャーに潰されることなくプレーできるのかどうか、このクソ試合を見て些か心配になりました。

・清水にホームで負けたのはなんと2013年以来。浦和の出来も酷すぎましたが、この試合の清水の守備は非常に堅くてまるでロティーナの亡霊と闘っているかのようでした。腹立たしいことに清水は土壇場での監督交代が見事に吉と出たようで、まるで浦和の大槻暫定監督時代みたいな感じに。そこで調子に乗って来年続投させると(モゴモゴ)

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《選手評等》

・宇賀神はもっと勉強しないと現状ではとてもとてもGMには向いてないと思いますが(苦笑)。また宇賀神がサポと揉めたことを最後まで気にしていたのも、まぁ宇賀神らしいといえば宇賀神らしかったかと。そして表立ってそのことを口に出来るようになったのも大したものだと思いました。

・別れではなく、記者会見では言えなかった関係各位への謝辞に圧倒的に言葉を費やしたのが実に阿部らしかった。まさに人格者。

・また阿部はただのファン感に4万人も来ることに驚いていましたが、こちらはそのファン感で「阿部はFCバカーズ不動のキャプテン」という噂は本当だったと悪い意味で感心してたんやで・・・

・ミシャ期からの生き残りはホンマ仲がいいなあ。ちょっと出来がいい選手はバンバン海外へ出てゆくし、今の浦和フロントはドライに選手を入れ替える傾向にあるから、まとまったセットが長く浦和にいることはもうないかも。そして昨日何度も名前が挙がった「ミシャ組」で関根だけがぶっちぎりに若いというのは浦和がミシャ後の世代交代に失敗した何よりの証拠。そのツケを西野TDが今年盛大に清算しています。

・最後の北ゴール裏のビジュアル。フルハウスどころか半分しか人がいないのに稠密なデザインにチャレンジしたのに感服!!!

・最後に登場したショル子。クマさんみたいなフードが可愛さ倍増で反則技w

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---江坂--関根---
大久保-------達也
---敦樹--平野---
山中-ショルツ--岩波-酒井
-----西川-----

(交代)
HT 田中→小泉(はっきりした4-2-3-1となり関根が右SH、小泉がトップ下に)
71分 大久保→汰木
78分 山中→西
86分 平野→興梠(江坂がトップ下、小泉がボランチに下がる。)

---サンタナ--鈴木唯--
後藤--------西澤
---竹内--松岡---
片山-井林--鈴木義-原
-----権田-----

(得点)
90+3分 中村

(交代)
18分 井林→ヴァウド(故障による交代。ヴァウドは右CBへ)
HT 後藤→中山
78分 西澤→中村
90+3分 サンタナ→ディサロ
90+3分 鈴木唯→山原

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2021.11.26

トーマス デン選手 契約満了等々

・先日(11/24)トーマス デン選手の契約満了が公式発表されました。

・デンは2020年にメルボルン・ビクトリーから完全移籍加入。U-23豪州代表、しかもキャプテンというキャリア。右CBが本職ながら右SBもでき、182cm/73kgとCBとしては大きくはない上に体格がえらく細いものの、高い最終ラインの背後をカバーできるスピード系のCBを求めた末の獲得のようでした。

・当時の浦和は基本フォーメーションを3-4-2-1から4-4-2に転換したばかりでCBは余り気味でしたが、スピード系のCBはいませんでしたし、それ以上に絶望的に人材不足だった右SBで橋岡のバックアップという意味合いを兼ねた獲得だったのかもしれません。

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・デンはコロナ禍による長い中断期間を経て第2節から4バックの右CBでスタメン出場。その後もほぼコンスタントにスタメンで出場していましたが、第20節名古屋戦の終盤に一発レッドを食らったのを契機にめっきり出番が減ってしまいました。

・デンは12月に怪我の治療のため一時オーストラリアへ帰国したという話を最後に姿を消し、年が明け、監督が代わっても依然行方不明。しかも加入時とは一変して浦和はCBの頭数が足りなくなってルヴァン杯ではユースの工藤を学徒出陣させざるを得ない状態だっただけにデンの状態が案じられましたが、5月初のルヴァン杯第5節柏戦でついにベンチ入り。

・同時に長らくベンチ外だったのは「グロインペイン症候群という、恥骨にものすごく痛みが生じるような怪我」だったことが判明。しかも昨年3、4試合は痛み止めを飲みながら無理をしてプレーしたところ悪い方向に行ってしまったので一時帰国を余儀なくされたとのこと。

・デンはルヴァン杯第6節横浜C戦でついに実戦に復帰。その後も6月はルヴァン杯どころかリーグ戦でもスタメン出場を続け、東京五輪にも晴れてオーストラリアU-24代表のキャプテンとして出場。しかもアルゼンチンを撃破する活躍ぶりでしたが、五輪終了後はまたベンチ外に逆戻り。案の定グロインペイン症候群の再発だった模様で、トレーニングに復帰したのはなんと11月になってから。

・デンはいかにもプレースタイルが若いというか、CBとしては些かプレーが軽いと思われる場面も少なくないのですが、今の浦和にはいないスピードのあるCBで、しかもかなり自分で持ち運べる上に高精度の縦パスも撃ち込めるのでまともに稼働していればリカも大満足だったのではないかと思います。しかし、残念ながらあまりにも稼働率が低すぎました。しかも今後も再発のリスクを抱えながらとなると契約満了はやむを得ないでしょう。

・デンの浦和での最大の見せ場は何と言っても昨年第12節ホーム神戸戦で見せたスーペルゴラッソ。武藤FKのこぼれ玉をミドルレンジからボレーでぶち込んだものでドライブがかった弾丸シュートはポストを叩いてゴール。コースも良ければスピードも凄まじくてGK前川は一歩も動けず。デンはゴールパフォーマンス代わりにほぼ伸身のバク宙まで披露。浦和史上に残るレベルのスーペルゴラッソだっただけに、試合には負けたことをすっかり失念していました(苦笑)。

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・また同日大城蛍選手、池髙暢希選手、福島春樹選手、浜野征哉GKコーチ 、工藤輝央コーチとの契約満了も公式発表されました。

・大城と池髙は共に2019年に浦和ユースから昇格した同期。同年大城は出場なし、池髙は天皇杯に1試合出ただけという状態で翌年から大城は鳥取→Y横浜、池髙は富山→福島とJ3クラブと渡り歩く形でレンタル移籍を重ねていました。大城は今年主力級の扱いを受けていたようですが、やはり活躍の場がJ3となると浦和への復帰は難しいかった模様。共にプロ生活3年目が終わる今年一杯で浦和との契約は満了になってしまいました。

・福島は2016年に専修大から加入。同年夏に育成目的でJ3鳥取にレンタルされ、すぐに正GKとして活躍したものの10月末に大怪我。2017年浦和に復帰したものの長らくリハビリを余儀なくされ、第2GKとしてコンスタントにベンチ入りし始めたのは2018年に入ってから。そして2019年正GK西川の出場停止を受け、なんといきなりACL決勝第1戦の大舞台でゴールを守る大役を果たすことに。

・しかし、2020年はなんとはるかに年下の鈴木彩艶が第2GKに回る機会が増え、福島がベンチに入るのは主に彩艶が世代別代表等の関係でチームから離脱する際に限られるようになってしまいました。西川から福島への世代交代があっても不思議はなかったのですが、巡り合わせが悪いというかなんというか、一気に彩艶まで飛んでしまうシナリオが見え隠れするとなると福島も面白かろうはずがなく、京都からのオファーを受けて移籍するのはごく自然なことだと思います。

・京都へは一応期限付き移籍ですが、おそらく京都が即時買い取りを渋っただけの話で、移籍の経緯からすればもともと浦和復帰の可能性はないものと思われていましたから今年一杯での契約満了は既定路線でしょう。ただ驚いたのは今年福島は出場機会がないどころかベンチ入りすら出来なかったこと。なかなか思うようにいかないのがプロの世界。厳しいものです。

・デンを含め4選手の契約満了はともかく、浜野GKコーチと工藤コーチとの契約満了が合わせて報じられたのは驚きました。コーチは監督交代と共に「トップチームの体制のお知らせ」の形でひっそりと新任or退任が報じられるのが通例で、単体で契約満了のお知らせが出るのはちょっと記憶にありません。例えば上野コーチが今年1月に日本代表コーチに招聘された際にはスポーツ紙でその旨が取り上げられているにも関わらず、浦和フロントから単体で公式の「お知らせ」は出ませんでした。

・浜野コーチは2019年の頭から、工藤コーチは2019年大槻体制発足時からトップチームのコーチングスタッフに加わっており、共に3年目で契約満了。工藤コーチは基本的に浦和育成畑な一方、浜野コーチは日本代表GKコーチとしてのキャリアが長くて西川はむしろそちらで馴染みがあった風でした。

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2021.11.21

【観戦記】21年第36節:浦和 2-1 横浜M ~ アウェーでボコボコにされた相手への見事なリベンジ

 シュート数の差ほど相手に決定機を数多く作られた訳ではなく、最後に1点取られて画竜点睛を欠いた感じの「ほぼ完勝」。前回対戦時では完膚なきまでにボコボコにされた相手に浦和が成長した姿を存分に見せつけました。

《スタメン》

・浦和は前節からユンカー→達也、汰木→大久保とスタメン2名入れ替え。週央の練習で別メニューが伝えられたユンカー、柴戸、明本が全てベンチ外なのはともかく小泉までベンチ外なのはびっくり!

・故障を抱えたまま代表に帯同してベトナム&オマーンと長距離遠征をこなした(但し出場なし)酒井はなんとかベンチ入り。

・横浜Mは前節と全く同じスタメン。長期離脱しているCB畠中を除けばこれが現有のベストメンバーなのかな? 酒井同様代表に帯同して出番なしに終わった前田は何のダメージもなく元気にスタメン出場。

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《試合展開》

・浦和の布陣は関根をトップ下に据えた4-2-3-1と思いきや、試合後の選手の弁では4-3-3だった模様。ただ浦和はあまりにも押し込まれている時間帯が長くて守備時は基本的に4-5-1、さらには攻撃参加してくる横浜MのSBに連れて浦和のSHが最終ラインまで下がってしまって5-4-1の守備ブロックで耐えている場面だらけで、現地では4-3-3であることに気づかず(^-^;

・立ち上がりからお互い前からハメに行く展開でしたが、プレス強度もプレスを回避する能力も残念ながら横浜Mが一枚上。特に前田の鬼気迫るプレッシングは圧巻で5分過ぎくらいから浦和は自陣に押し込まれてクロス攻撃を許し、8分には喜田→前田ヘッド、14分にはエウベル→前田ヘッドと危ない形を作られてしまいました。

・また9分には岩波から平野へのパスがずれて扇原にカットされてショートカウンターを食らいかかる場面も。ただショートカウンターを食らいそうになった場面は意外にもこれくらい。前回対戦時ではビルドアップの拙さからアホほど横浜Mのショートカウンターを食らってしまいましたが、この試合ではそんな場面は激減しました。

・そして徐々に横浜Mの強度マシマシのプレッシング&ビルドアップスタイルに慣れてくるに従い、浦和も中盤でパスを引っかけて逆襲に転じる場面が目立ち始めました。17分には江坂の喜田へのプレスバックが効いて大久保がボール奪取。そのまま江坂との壁パスで左サイドを抜け出しかかったところでたまらずCBチアゴ・マルチンスがファウルで阻止。

・18分浦和の先制点はそこで得た江坂FKから。江坂は意表を突いたような低いボールをゴール前に送り、西→ショルツと右に流してファーで敦樹が押し込んでゴール。最近の浦和は何の工夫もなく非常に淡白にセットプレーのチャンスを終えてしまうことが多いのを不満に思っていましたが、この場面は珍しくリカが事前に仕込んだ臭い形でした。敦樹は意外なことにリーグ戦ではこれが初ゴール。過去の2ゴールは共にルヴァン杯でした。

・その後も浦和の前ハメは機能し、かつ横浜Mの前ハメも上手く回避できるようになって非常に高い横浜Mの最終ラインの裏狙いを何度も敢行。22分にはロングカウンターから関根スルーパス→裏抜けに成功した達也がGKと一対一になりながらシュートを撃たずにGKを交わそうとして結局撃てずじまいという場面に象徴されるように良い形を何度も作りながらフィニッシュに結びつかないのが難。まぁとにかく得点能力に乏しいことでは定評がある浦和の二列目であり、最終ラインを破られても素早く駆け戻ってくるマルチンスがいかに面倒な存在であったかということでもあり。

・また相変わらず浦和が自陣深くに押し込まれる時間帯も少なくありませんが、なんだかんだと粘りを見せ、球際にも競り勝って横浜Mにも決定機を与えず。危なかったのは29分ティーラトンFKが枠内を急襲した場面だけかも。スピードがないショルツは前田に苦戦するかと思いきや、要所要所でシュートをブロックしまくり。

・共に選手交代はないまま迎えた後半、いきなり浦和のカウンターがついに炸裂!! 深い位置でボールを奪ってから敦樹が江坂へ縦パス。そしてそこからが敦樹の見せ場の連続。江坂の中央への折り返しをなんと敦樹がスルーして関根へ繋ぎ、関根のスルーパスで裏抜けに成功した敦樹がGKを誘き寄せてファーを疾走する達也へ横パス(敦樹的にはシュートだったらしいのですが)。どフリーの達也は難なくゴールへ流し込んで浦和が追加点!! ゴール時のリカの喜びようったら!!

・しかしその後は横浜Mが猛反撃。52分アーク付近からマルコス・ジュニオールの巻いて置きにいったようなシュートがポストを直撃。リカはたまらず57分達也に代えて汰木を投入して鎮火を試みるも、横浜Mは62分仲川→レオ・セアラ、ジュニオール→天野、扇原→渡辺と選手層の厚さを浦和に見せつけるような物量攻勢に。さらに74分に水沼を投入(布陣も前田&セアラの2トップ気味の4-4-2に変更?)して浦和を自陣に釘付けに。

・水沼が危険なクロスを連発し始めたのを見て、リカも78分敦樹→金子、大久保→酒井、江坂→興梠と一挙に3選手を交代して防戦に務めるものの、なんとも不可解だったのは酒井が大久保に代わってそのまま右SHに入ったこと。どういう意図があったのか皆目わかりませんでしたが、この選手交代は攻守とも奏功したとは言い難く、興梠が必死にボールキープして時間を稼ぐのが精一杯。

・これといった決定機は許していないものの、ボディーブローを食らいまくって足が止まり気味になった浦和は85分とうとう失点。ゴールキックを最前線で前田が収めたところからこの日にしては珍しく地上戦を敢行。前田のシュートは右サイドへ抜けたもののファーで水沼が折り返してセアラが詰めた形。

・全く攻め手を失った浦和はその後も押し込まれっぱなしで、いつ同点に追いつかれても不思議はない惨状に陥りましたが最後に宇賀神を投入し、ついでに酒井と西の位置も入れ替えてなんとか逃げ切り勝ち。

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《総評》

・シュート数3対12、CK1対11、DAZNのスタッツではボール支配率は横浜M75%と凄まじい数値が並んでいますが、横浜Mにアホほど決定機を作られ、西川のスーパーセーブ連発でなんとか凌ぎ切った訳ではなく、それどころか現地観戦している分には「ほぼ完勝」といった印象すら受けました。攻めては予め仕込んだ臭いセットプレーと、これまた事前の仕込み通りのカウンターが決まり、守っては集中を切らすことなくタイトな守備ブロックで横浜Mの攻勢を耐えに耐えてわずか1失点で凌ぎ切りましたし。

・リカは試合後「攻撃はやりたかったことがなかなか出せませんでした。(中略)ボールを持って試合の主導権を握りながらやっていきたい、それを相手陣内でやっていきたい、そこが今回の試合はなかなかできなかったと思います。」とこの試合内容が目指す姿ではないことを自認していますが、ボールが思うように持てない、持たせてもらえそうにない相手にはそれなりの闘い方をするのがリカ流。リカも試合後「この形は今回この相手に対してもうまくできると思いました」と自画自賛。

・浦和はハナからドン引きでカウンター狙いだった訳ではなく、むしろ前半は積極的に前に出てショートカウンターを狙う場面が何度も見受けられました。またカウンターも縦パス一本でCFなりWGなりに裏抜けを狙わせる単純なものではなく、きっちりボールを繋いで複数人で攻める形が数多く見られました。2点目がその典型。

・また浦和はユンカー・明本・小泉・柴戸と主力を4人も欠いている上に酒井がベンチスタートとスタメンのやり繰りには苦しみましたが、後半半ばまでの選手の躍動ぶりを見るとコンディションの良くない選手の無理使いを避け、とにかく動ける選手をずらずらっと中盤に並べたのがかえって良かったのかも。特に敦樹の出来は出色でした。

・一方横浜Mは監督変わったせいか、相手を押し込んでからの崩しが下手になった気が。サイド奥深くまでボールを運ぶのは相変わらず非常に巧いものの、なぜかそこから千本ノック状態に。あれはCFにレアンドロ・ダミアンがいたら鬼強いかもしれませんが・・・ 以前はむしろ地上戦に強いイメージだったのになぁ・・・ そして攻めきれずにカウンターを食らってはイージス艦チアゴ・マルチンスでなんとか凌ぐの繰り返し。

・ここ数年埼スタで横浜Mにボコボコにされ続けた記憶しかありませんが、それもそのはず埼スタで横浜Mに勝ったのは2015年以来。埼スタのこけら落としとなった2001年の一戦では解説長谷川健太に「幼稚園サッカー」とバカにされ、2004年CSではPK戦で敗れ、2008年最終節では既に解任が決まって求心力ゼロのゲルト監督の下で1-6という屈辱的な大敗を喫するなど、横浜Mとのホームゲームはとにかく良い思い出がほとんどありませんが、リカのもとでちょっとずつでも負債を返してゆきたいものです。

・なお横浜Mに勝ったことで今季の浦和はシーズンダブルを食らったチームが一つもないことが決定。上位相手には手も足も出ないのが通例と化していたここ数年の惨状からすれば快挙と言ってもいいでしょう。志が低すぎて何ですが(苦笑)。

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《選手評等》

・MOMは文句なしに敦樹。4-3-3のIHに配されていつもよりはやや前目のポジションを任されたのが見事にハマったようで、敦樹は実にBOXtoBOX系のCHらしいCHとして躍動しつづけました。効果的にゴール前に顔を出せる能力は柴戸や平野にはなく、敦樹の最適ポジションをついに発見した思い。この試合の敦樹は千葉時代の阿部、あるいは絶好調時の青木にも似ていました。とにかく敦樹のポテンシャルは凄い。

・ベテラン3選手が抜け、年齢はともかく昔から浦和に在籍している数少ない選手の一人になった関根にリーダーとしての責任なり自覚なりがはっきりと芽生えたのを感じました。最後まで走りまくる関根、しかも守備で。どちらかといえば無駄に「入れこみ」やすい選手なので、時に悪い方へ転ばなければ良いのですが、今後に期待したいものです。

・この日の興梠は「とにかくボールをキープして時間を稼いでくれ!!」というタスクに全力を尽くしていて、敵陣ではもちろん、押し込まれて苦しい時は自陣ですらボールキープに専念。興梠の鬼キープが復活したことはちょっと嬉しかった。

・この試合みたいにボールが持てない試合の場合は汰木より強くプレスをかけられる大久保のほうが断然良い。リーグ戦序盤はベンチにも入れず、ルヴァン杯でも良いところなしだったのに、一年で急成長。大卒なのでそれくらいやって当たり前かもしませんが、SHのポジション争いが激烈なのは実に喜ばしいこと(絶対レベルがアレなのはともかくとして)。

・達也は裏抜けしてGKと一対一っちゅーのはまるでダメですが、諦めずに走って逆サイドから詰めたご褒美としてのゴールが目立ちます。これが実に達也らしい。また達也は後ろが西の方が活きることをまたしても実証した感じに。

・金子は攻めることに慣れていないのかカウンターの好機でスルーパスを出すタイミングを失って、どう見てもオフサイドとなるタイミングで酒井にスルーパスを出していたのは物悲しかった。来年安居が来たら完全に出番なくなるかも(つД`)

・佐藤主審はやたらファウル取ることで一貫していると思ったら終盤全然ファウル取らなくなって、酒井が2回ブチ切れていました!! その傾向を見て取った西が後ろから手をかけて相手を止めていましたが、当然イエローなんて出ない。さすが鹿島育ちwww

Yokohamam2111003

大久保--江坂---田中
--伊藤----関根--
-----平野-----
山中-ショルツ--岩波--西
-----西川-----

(得点)
18分 伊藤
48分 田中

(交代)
57分 田中→汰木(汰木が左SH、大久保が右SHへ)
78分 伊藤→金子
78分 大久保→酒井
78分 江坂→興梠
90+1分 山中→宇賀神


エウベル---前田---仲川
----ジュニオール-----
---扇原--喜田---
ティラトン-岩田-マルチンス-小池
-----高丘-----

(得点)
85分 レオ セアラ

(交代)
62分 仲川→レオ セアラ
62分 ジュニオール→天野
62分 扇原→渡辺
74分 喜田→水沼

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2021.11.19

宇賀神友弥選手 契約満了

・昨日(11/18)宇賀神友弥選手の契約満了が公式発表されました。宇賀神退団は昨日朝スポーツ各紙一斉に報じられたもので、おそらくクラブからリークがあったのでしょう。

・宇賀神は2010年(=フィンケ2年目)に流通経済大学から浦和へ加入。阿部に次ぐ浦和古参でミシャ以前の浦和を知る数少ない選手です。また浦和ユース出身の選手が大学で経験を積んで浦和へ戻ってくるというルートの嚆矢となった選手でもあります。宇賀神本人はユースから昇格できなかった悔しさから流経大在学中は「大宮アルディージャの選手として埼スタに乗り込んで、レッズを倒したい」と思っていたそうですが、フィンケの説得が奏功したのか晴れて浦和へ加入。

Ugajin

・宇賀神は基本的に左WB/SB、チーム事情によっては右WB/SB、果ては3バックの左CBでもプレーしたことがある(さすがにCBは身長が無さすぎて、やがてハイボール攻撃でボコボコにされましたが)プレーヤーですが、その道のりは苦難の連続でした。

・なにせ加入時のSBには平川、サヌ、峻希がいる。ミシャ期になるとWBには故障も癒えて復調した梅崎が立ちはだかる上に、ユース上がりの関根が急成長、さらに関口、橋本、駒井、ミシャ期後は菊池、山中と嫌みのようにサイドを主戦場とする選手がやって来て宇賀神の地位が安泰だったことはほとんどありませんでした。宇賀神の浦和での長いサッカー人生の中で、リーグ戦で30試合以上出場した年は2013~15年の3年だけ。浦和でのキャリアが非常に長いベテラン選手なのに「鉄板のスタメン」だった時期はそんなに長くないサイドプレーヤーという意味では平川とよく似ています。

・ただポジション争いは終始激烈だったにも関わらず、なんだかんだと宇賀神は毎年ピッチに立ち続けました。先述の3年間を除けば「気が付けばスタメンは宇賀神に戻っている。」、そんな年だらけだったように思います。正直攻守ともこれといった強烈な武器はないものの、逆に言えば攻守とも大きな穴がないバランスが良いプレーヤーであり、監督の指向に即応できる柔軟性を持っていたのが、ミシャ期後監督が目まぐるしく変わろうとも宇賀神がピッチに立ち続けた所以でしょう。そして2018年天皇杯決勝の仙台戦で豪快にぶち込んだミドルシュートが宇賀神のハイライト。

・リカを新監督に招聘した今年も開幕当初は新加入の西が故障欠場したこともあって右SBでスタメンを確保。しかし西の復帰と共にスタメン出場の機会は激減し、さらに山中欠場時にやむなく左SBに転用された明本が予想以上にハマって左SBでの出場機会も喪失。さらに夏には右SBに酒井が加入し、左SBでは故障が癒えた山中が背後にショルツを迎えて後顧の憂いがなくなったせいか持ち味の高精度クロスを連発するようになって宇賀神はベンチ入りすら難しい立場に追い込まれてしまいました。

・左SBには福島もいますし、右は来年流経大卒の宮本が加入するため、来年も宇賀神の出場機会が極めて限られるのは確実。ACL経験が豊富なベテランを続々と放出して来年は闘えるのか??という疑念の声も高いようですが、残念ながら今の浦和は金がありません。先日配信された動画でも立花社長が「入場料収入減で今年も赤字ですが今は債務超過にならなければ良いので貯金を使わせていただきます!!」と断言していたくらい。

・よって浦和は出場機会が極めて限られるにも関わらず年俸が高いベテラン選手には厳しく当たらざるを得ません。来年のリーグ優勝へ向けて酒井やショルツレベルの選手を獲得しようとするのであればなおさら。断腸の思いで功労者を斬らざるを得ない西野TDも辛いお立場だと思います。

・宇賀神はキャリアの晩年になって「さすが浦和ユース出身!!」と思わせるくらい、戸田にフットサルコートを作り、水没したレッズランドの復興にいち早く立ち上がり、さらにはレッズレディースの動向にも気に掛ける等、戸田を含めた地元への貢献、レッズファミリーへの貢献を誰の目にもはっきりと判る形で打ち出したのが何より良かったかと。若い頃は試合後の周回で野次ラーと揉める等色々物議を醸しがちな選手だったのも事実ですが「終わり良ければ総て良し」。好印象でのお別れとなりました。

・浦和での長年にわたるご活躍、誠にありがとうございました。

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2021.11.17

槙野智章選手 契約満了

・昨日(11/16)槙野智章選手の契約満了が公式発表されました。槙野退団は同日朝のスポニチが第一報で、浦和情報に関するスポニチの確度の高さを改めて実証した格好に。

・槙野は2012年1月に1FCケルンから広島時代の恩師であるミハイロ・ペトロヴィッチが監督に就任したばかりの浦和へ1年間の期限付き移籍の形で加入。早速3バックの左CBでがっちりスタメンを確保し、同年の最終節名古屋戦で豪快に直接FKをぶちこんでACL圏に滑り込むのに貢献すると同時に、興奮のあまり試合直後に浦和への完全移籍をフライングで公言してしまいました。今になって思えば、これが多くの赤者にとって槙野の評価のピークだったかも・・・

・槙野はミシャ在籍時はもちろんのこと、ミシャが去って目まぐるしく監督が代わり、4バックを採用するようになってもなおなんだかんだと「ミシャ専用機」に留まらない器用なところを見せてCBとしてスタメンの座を確保し続けました。一対一の強さは特筆すべきものがあり、特にACLでフッキを完封した試合は槙野のベストゲームと評していいくらい。あまり効果的でないのにやたら攻め上がりたがるのは困りものでしたがセットプレーのターゲットにもなって時々点も取る活躍も見せ、阿部同様、槙野もリーグタイトルだけがないのが残念でなりません。

Makino

・槙野は一対一で無類の強さを発揮する反面、相手に食いつき過ぎてその裏を取られる傾向があり、「最適な位置」に拘る監督とは相性が悪かったかと思います。またリカが就任した今年は自分で持ち上がって相手FWを剥がせない、高精度の縦パスを打ち込めないという難点が目立ち始めました。とはいえ、今年の浦和はデンが長期離脱していたこともあってCBが頭数不足。岩波の出来もリカの要求水準にはほど遠く、槙野は依然4バックの左CBとしてスタメンで出続けました。

・槙野の立場が暗転したのは今夏のショルツの加入。ショルツは第26節広島戦で左SB、次の湘南戦では右CBで試用された後、ルヴァン杯準々決勝第1戦以降左CBに定着。その試合で右CBに入った岩波とショルツの組み合わせにリカは余程手応えを感じたのか、その後槙野は勝っている試合で最後に3バックの一角に入るか、負けている試合のパワープレー要員として短時間出場するだけの立場となりました。

・槙野は浦和加入以降数々のタイトル獲得に貢献した主力中の主力であり、ピッチ上での活躍だけを取ってみれば浦和史上屈指の名CBだっと評してもなんら差し支えないでしょう。ただ極めて遺憾なことに槙野はピッチ外での言動があまりにも残念すぎました。

・槙野なりに浦和を盛り上げたい、もっともっと人気のあるチームにしたいと考えての言動なのでしょう。普段からタレントばりに積極的にテレビ番組に出演し、SNS等で(往々にしてあまり評判が良くない)有名人と絡みながらガンガン情報を発信し、試合後にはスポーツ紙のネタにしやすいようにあれこれ企画を立ち上げたりしました。

・しかし、やることなすことどうも浦和に流れるスピリッツとは違う。浦和はスタジアム内、特にピッチ内では基本的にイベントをやらないことに象徴されるように「シンプルに試合そのものを楽しませる」ことを是としてきたクラブ。それゆえファン・サポーターも「選手は試合に全力を尽くし、プレーそのもので感動を与えてくれればそれで良し」とする層が多いのが特徴で、そんな「浦和保守本流」から槙野は忌み嫌われました。また槙野がやっていることは浦和のためを思ってやっているのではなく、単に自分が目立ちたいだけだろうと勘ぐる向きも少なくありませんでした。

・もっとも「浦和保守本流」の考えが非常に古臭いという意見も少なくないでしょうし、「単に自分が目立ちたいだけ」という意見も単なる主観に過ぎません。しかし、槙野が「クラブのフィロソフィーを全く理解していない」ことが明るみになったのは致命的でした。

・具体的には先日「Jリーグがホームタウン制度の撤廃を検討している」との報が流れた際に、槙野はあろうことか「仕掛けたもん勝ち。このやり方こそ、アイデアを出し行動する事、チャレンジする事に意味がある。やらないクラブは置いてかれる」と賛辞を送るかのようなツイートを発信。浦和こそJリーグ発足時から地元に拘り続けたクラブであるというこれまでの歴史を踏みにじるかのような槙野の発言には心底呆れ果てました。

・「何事も今までどおりが良い」という伝統墨守というか頑固頑迷なのもどうかとは思いますが、槙野は浦和に10年も在籍しているのに浦和の伝統、浦和の歴史に無頓着過ぎました。槙野のアイデアを活かせるような、もうちょっと巧いやり方は無かったのか。とにかく槙野はピッチ外での言動があまりにも残念すぎました。

・槙野のコメントからは早くも次のチームが決まっている模様。次のクラブでは誰からも愛される選手になれるよう、ご活躍をお祈りしております。

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2021.11.15

阿部勇樹選手 現役引退

・昨日(11/14)阿部勇樹選手の現役引退がクラブから報じられました。引退を決断するに至る経緯を自分の口から直接伝えたいという想いから「YouTubeでのライブ配信」という浦和では類例がない形での引退発表でした。

・阿部は2007年当時国内最高の移籍金4億円(推定)で千葉から浦和へ完全移籍加入。加入直後のレッズフェスタでの超不安定な言動で早速ある意味「一抹の不安」を感じさせたものの、その実力は伊達ではなく基本的にボランチの一角、必要に応じてCB、場合によっては右SBなど長年にわたって守備的なポジションで浦和の屋台骨を支え続けました。

・加入年にはいきなりACL制覇に貢献。ACL準決勝第2戦の城南一和戦で、両足が攣った状態にもかかわらずPKキッカーを志願してそれを決め、試合後思わず「もう立てないよ」とつぶやいたという逸話は今でも語り草です。

・阿部は日本代表でも活躍し、2010年南ア大会では突如採用された4-1-4-1のアンカーとして獅子奮迅の働きを見せ、まさかのグループリーグ突破に大きく貢献しました。

Abe202111

・W杯終了後いったんレスター・シティーへ移籍したものの、2012年ミハイロ・ペトロビッチ監督を招聘した新生レッズに復帰。当初は啓太とのコンビ、やがて柏木とのコンビで再び輝きを放ち、ミシャ→堀→オリヴェイラと迷走を始めた浦和の中でルヴァン杯、天皇杯、そして二度目のACL制覇に粉骨砕身の働きぶりを見せてくれました。それだけに2016年「2ステージ制の呪い」のために年間最多勝ち点を上げながらリーグ優勝を果たせず、阿部にリーグタイトルだけが欠けていることが悔やまれてなりません。

・また浦和復帰後は啓太に代わってキャプテンに就任。キャプテンと言っても試合中に積極的に声を出し、手を叩いて必死に周りを鼓舞するタイプではなく背中でチームを引っ張るタイプ。そんな阿部が2015年ACLブリスベン・ロアー戦@駒場で不甲斐ない敗戦を喫しただけでなく、昨年末から続く連敗にブチ切れたサポーターに対して、「まず勝たなきゃダメなんだよ。俺たちやるから。だから一緒に戦って」「とにかく1勝しなきゃ何も始まらないんだよ。次は絶対に勝つから」と叫んで回ったのは胸が痛くなりました。しんどい時にこそ前面に出るキャプテン。人としてこうありたいと思います。

・ただそんな阿部を浦和は便利に使いまわし過ぎました。二度目のACLを制覇した2017年試合終盤に動けなくなる阿部の姿が目立ち始め、翌年から徐々に阿部の出番は減ってゆきました。2020年阿部の出場はわずか3試合。

・ところが今年リカは今季大ベテランの阿部をキャプテンに選出したのみならず、そのリカ流への馴致の早いや戦術眼の確かさを評価してか開幕戦にはスタメンに起用。阿部も早速その期待に応えてCKからの流れでいきなりゴールを決めていました。最後に一花咲かせるかも!!と誰もが思ったことでしょう。しかし、故障もあってか4月以降はチームから離脱しがちになり、年後半は柴戸の劇的な成長や平野の加入もあってベンチにも入れなくなってしまいました。

・従って遅かれ早かれこの日が来ることは覚悟していましたが、いざ引退が正式に決まったとなるとやはり万感の思いがこみ上げてきます。阿部への尽くせぬ感謝、そして阿部に要らざる苦労をかけ、有り余る才能を活かしきれずに申し訳なかったという慙愧と共に。

・「アベッカム」と評された正確無比のFKは浦和ではあまり披露されることなく、CKを含めて蹴る側ではなくヘッドで競る側に回るほうが多くなりました。また千葉時代は積極的に相手ボックス内まで顔を出す"box to box"っぽいCHだったはずですが、浦和では後ろに残ってバランスを取るような役回りになってしまいました。またチーム事情でフィジカル的にやや物足りないCBを任される場合も結構ありました。ゆえに長きに渡った浦和でのサッカー人生は阿部にとって本当に良かったのかどうか、結局のところ便利屋になってしまったのではないかと、若干の疑念がなくもありません。

・阿部は最後に「今でも十分、浦和レッズというクラブはすごく大きいと思っています。しかし、全てが一つになっているかと言われたら、もしかしたらなりきれていない部分はあるのかなと思っています。」「ファン・サポーターの方々が、小さい子どもたちが『浦和レッズの応援ってすごいね』『俺たちも応援していきたい』と思われるような存在に」という重い課題を残してゆきました。その課題を一つ一つこなしてゆくことが自分とって何よりの阿部への恩返しになるのでしょう。

・ありがとう、そしてお疲れさまでした。

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