2025.11.10

【DAZN観戦記】25年第36節:広島 3-0 浦和

 浦和のスタメンは前節から町田戦で負傷した石原に代えて長沼を入れただけ。石原は軽傷だったのかベンチには入り、さらに故障明けの松本が久しぶりにベンチ入り。照内がベンチ外に。松尾は故障が癒えずに引き続きベンチ外。

 広島はルヴァン杯決勝→ACLE→リーグ戦と中2日、中4日での3連戦。ACLE江原戦から前目を中心にジェルマン→木下、加藤→ジャーメイン、前田→中村、東→菅、新井→中野、ミンギ→大迫とスタメン6名を入れ替え。荒木・佐々木・塩谷・川辺・田中の5名が連闘。その結果スタメンはルヴァン杯決勝と全く同じ格好に。

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 浦和は9分に広島CKからのロングカウンターで関根→イサクの決定機を作っただけで、その後は一方的な広島ペースの試合に。

 10分東のクロスを中村が合わせていきなり失点か??と思われた場面はオフサイドの判定に救われましたが、これがこの試合を通じて両WBを軸にワイドに攻めてくる広島に対して4バックの浦和がなすすべなくやられまくる大惨劇の始まりでした。

 浦和の守備は悲惨でしたが、それ以上に悲惨だったのは攻撃面。とにかく浦和は自陣から出られません。広島はマンツーマン気味に強度マシマシのプレスをかけてくるので、ビルドアップが苦手な浦和はイサク目掛けてロングボールを蹴りまくるしかないのですが、イサクは荒木や佐々木相手に苦戦。さすがにロングボールのターゲットがイサクしかいない状態では相手も守りやすいでしょうし、ここは金子不在が祟りました。また谷本主審はイサクと荒木の競り合いで、なぜかイサクのファウルばかり取る傾向があるのにも参りました。

 さらにこの試合の2列目はなぜか左関根、中央サヴィオ、右渡邊という見慣れない形でしたが、これが良くなかったのかイサクへのサポートは無いも同然。これではイサクはどうしようもありませんでした。

 自陣から浦和を広島は執拗にサイドから攻撃。26分には左サイド一杯に幅を取った中村の縦パスを受けた田中が安居をあっさり交わしてボックス内へ突入。ラストパスがボックス内でどフリーの川辺に通りましたが、ここは西川が好セーブ。続く27分には中村のサイドチェンジを受けたジャーメインが枠内シュートを放ちましたが、ここも西川がセーブ。

 しかし43分グスタフソンのバックパスが短すぎて木下へプレゼントする格好に。それでも広島のショートカウンターを浴びかかったところでこぼれ玉を拾ったボザが大きくクリアすれば何事もなかったはずですが、なんとボザがクリアし損ね、おまけに木下に競り負ける大失態。木下がヘッドで落としたボールを拾った田中がボックス内に突入してボールをキープし、田中のクロスを木下が押し込んでついに広島先制。

 放牧明けはとにかく走らないことで定評のあるウラワレッズ。今日も今日とて絶望的な試合内容で点が入る気配は全くなく、失点の気配ばかりムンムンだったところ案の定失点。凡ミスが二つも重なれば失点するのは当たり前。しかも安居が遅まきながら田中に追いすがって時間を稼いでいたのに守備陣の戻りが遅いのなんの。

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 あんまりな前半を受けて2列目の並びを左サヴィオ、中央渡邊、右関根と変えたのが多少奏功したのか、後半は敵陣サイド深くまでボールを運べるようになりましたが、そこからシンプルにイサクへクロスを入れずになぜか綺麗に崩そうとしてチャンスをフイにするのがいかにも今の浦和。簡単にクロスを入れたのは荻原の一回だけだったかなぁ・・・無駄にボールをこねり回す関根・・・

 54分には荻原と交錯した木下が脳震盪の疑いで加藤との交代を余儀なくされるアクシデントもありましたが試合の大勢に影響はなく、スコルジャは61分関根→松本、グスタフソン→柴戸、72分イサク→小森、安居→中島と意味不明な交代を繰り返して多少マシになりかかった戦況を悪化させる始末。

 そして浦和は広島のピッチを幅広く使う攻撃に相変わらず対応できず、74分左サイド深い位置で荻原がジャーメインにボールを奪われ、ジャーメインのクロスが大外から突っ込んできた東にどんぴしゃりで合いましたが、東のシュートはゴールカバーに入ったボザがなんとかクリア。

 しかし、75分右WB中野クロスがファーの左WBへ通り、東の折り返しを「浦和絶対殺すマン」加藤が決めて広島に追加点。あまりにも典型的すぎる広島の攻撃を易々と許してしまうのが今の浦和。

 その後はもう試合にも何にもなっておらず、82分には中島のバックパスがボックス内で加藤に奪われる大失態から最後は途中投入の前田に押し込まれて3失点目。よりによってこれまた「浦和出身の浦和絶対殺すマン」前田に点を取られるとはなぁ・・・自分で自分の傷口に塩を塗り込むのがいかにも浦和。

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 スコルジャの求心力は完全に失われていて、選手達はもはや惰性で試合に出ているようにしか見えない極めて残念な試合でした。監督が仕事を放棄しているのか、逆に選手達が監督の指示を聞かなくなっているのか判りませんが、もはや各々がバラバラかつ緩慢に走っているようにしか見えませんでした。

 浦和の試合はもはや興行として成り立ってないのが実に辛い。見るだけ時間の無駄。いや「魂の荒修業」と前向きに考えるのが赤者のあるべき姿なのかもしれません。

 スコルジャがようやく「ポストプレーが期待できるCF」を手に入れたのにこの惨状。これが何より辛かった。取柄だったはずの守備も選手の個人的なミスではなく構造的にやられまくっていてお話にならず。この惨状を見て残念ながら個人的には来年もスコルジャに任せる気持ちは完全に失われました。

 今季のスコルジャのお仕事はCWCで何か爪痕を残すことで事実上終わっていて、そこで何も残せなかったことで監督も選手達も「プッツン状態」(昭和脳)になっちゃったのかもなぁ・・・CWC後の浦和には全く見るべきものはありません。浦和が残留争いに巻き込まれずに済んでいるのはCWC前に「松尾頼みのカウンター」による5連勝で勝ち点を稼ぎまくったおかげ。

 「新しいことにチャレンジしますが、監督は代えません!!」というまさかすぎる決断をすることで定評のある浦和なので、こんなスコルジャが来季も続投しても何の不思議もありませんが、どうするんだろうなぁ、ホンマ。半年の特別大会は降格がないので新監督がやりたいことをテストしまくるには好都合なのですが・・・

 夏の補強期間が終わった時点、しかもヘグモが軌道修正をして試合内容が好転しかかった時点でのスコルジャ再招聘はもともとかなりの無理筋。それゆえ「結果で黙らせる」しかなかったのですが、その結果が全く出なかった以上堀之内SDもクビにするのが筋でしょう。そして横浜Mをたった1年でクビになった西野氏が戻ってきたら大笑いですが、強化部の再建が今オフの浦和の最大の懸案事項なのは間違いありません。

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-----イサーク-----
関根---サヴィオ---渡邊
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-長沼
-----西川-----

(交代)
61分 関根→松本
61分 グスタフソン→柴戸
72分 イサーク→小森
72分 安居→中島(中島トップ下、渡邊CHへ)
79分 荻原→石原(石原右SB、長沼左SBへ)
84分 サヴィオ→大久保

-----木下-----
--中村---ジャメイン--
東--田中--川辺-中野
-佐々木-荒木--塩谷-
-----大迫-----

(得点)
43分 木下
75分 加藤
82分 前田


(交代)
54分 木下→加藤(脳震盪の疑いによる交代。ジャーメインCF、加藤右シャドーへ)
75分 ジャーメイン→ジェルマン
75分 中村→前田
86分 塩谷→山﨑
86分 荒木→新井
90+3分 田中→越道

 数多くの赤者がこの試合のチケを取るために奮闘したのかと思うと気の毒でなりませんでした。だが何度でもそんな苦行を重ねるのがいかにも生粋の赤者。もはや千日回峰行。


※写真は試合とは全く関係ありません。

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2025.10.26

【観戦記】25年第35節:浦和 0-0 町田

 町田は第30節G大阪に勝って以降は1勝2敗3分と失速して優勝争いからはほぼ脱落。浦和は直近6試合で1勝3敗2分と町田以上に停滞している中で迎えた消化試合。10月も下旬に入ってようやく酷暑から解放されたと思ったら今度はいきなり冬の到来を感じさせる、氷雨降る中での闘いとなりました。

 浦和のスタメンは前節から牲川→西川、根本→マリウス、大久保→関根、早川→渡邊と4名入れ替え。テスト色が強く、かつそのテストがことごとく失敗に終わったことでこの試合はほぼ「いつものスタメン」に戻した格好。2試合続けて、しかもホームゲームであまりにもお恥ずかしい試合は出来ないでしょうから、ここでいったんリセットしたくなるのは判らなくもありません。

 なお前節終了間際に思わず副審に手を出してしまった金子に対しては「4試合の出場停止、および罰金(40万円)」との処分が下されてこの試合どころか今季一杯出場停止。

 代わってサブに照内が入ったのが目を惹く他、中島もベンチに戻った一方、松尾や安部がベンチ外に。

 町田はリーグ戦前節から中2日でACLEアウェー上海海港戦、さらにそこから中3日で浦和戦と厳しい日程ですが、意外にもスタメンは上海海港戦と全く同じでした。なお町田はCB岡村が故障中なのに加え、FW西村が前節17分で交代しているので故障くさい模様。

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 序盤町田得意のロングボール攻撃を浦和守備陣がマリウスを中心に淡々と弾き返し、セカンドボールも町田に簡単には拾わせてはいませんでしたが、安易にイサクへ向けて蹴りださずに最終ラインから細かく繋ごうとする浦和は町田以上に上手くいっておらず、序盤は自陣でのプレーが長めとなりました。

 しかも立ち上がりから何度か相手と交錯して傷んでいた石原が29分とうとう故障して長沼との交代を余儀なくされるアクシデントが発生。町田はここぞとばかりに長沼を狙い撃ちし始めましたが、そこを長沼が耐えているうちに徐々に浦和も反撃に。しかし、39分CKから関根ヘッドがわずかに枠を捉えきれなかったのが惜しかったくらいで、どちらも決定機どころかシュートすら少ないまま前半終了。

 後半に入ると浦和はサヴィオが浮遊するのを止めて渡邊を左SHに固定したのが目に付きましたが、そんな中で48分長沼クロス→イサクヘッドとこの日流れの中で初めての決定機!しかし、これはGK谷の正面へ。52分浦和が町田を押し込み続ける中でボックス内から関根が放ったシュートは増山が至近距離でブロック。53分サヴィオミドルシュートはわずかに枠の外。

 劣勢に陥った町田は57分増山→中村、藤尾→オ・セフン、デューク → ナ・サンホと三枚替えを敢行。オ・セフンは藤尾よりはボールが収まることもあってかこの交代はかなり効果があって、戦況は再び五分五分に。

 浦和も67分グスタフソン→柴戸、関根→中島、77イサク→小森と逐次投入したものの、良くも悪くも戦況に変化なし。

 終盤になってようやくコンディションの差が顕著になり、浦和がセカンドボールを拾い、町田が悪質なファウルで止める場面が目立ち出しましたが、それでも浦和の決定機は87分中島がボックス内から放った一発だけ。しかもこれを谷が好セーブ。

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 最後まで消化試合、しかも直近の成績が芳しくないチーム同士の消化試合に相応しい塩試合でした。シュート数は浦和10vs町田6。しかも共に決定機らしい決定機はほとんどなく、両チームを通じてGKを脅かしたシュートは87分中島の一本だけ。ゴール期待値はDAZNのスタッツだと0.79vs0.84と案外高くて驚きましたが、どちらもボックス内からシュートを放ちながらブロックされたものが多かったからかも。

 点が入るどころか、「攻める方も見事だが守る方も見事」という玄人好みの試合だった訳でもなく、悪天候だったことを含めて「初めて試合を見に来た方がまた見に来たくなる試合」ではなかったのは確か。その意味では興行的に大失敗の試合でした。

 ただ町田のやりたいことはほぼ何もやらせておらず、個人的には前節とは違って恥ずかしい試合ではなかっただけマシ。しかし終盤優勢に転じても町田守備ブロックを崩せる様子は微塵もありませんでした。、ボールを持たされた時の閉塞感の凄まじさは浦和でのリカ末期も似たり寄ったりでスコルジャだけを責めても仕方ないのかもしれませんが。

 個人的には許容範囲内の塩試合。ただその試合が見事なまでに判定基準バラバラの審判団のために塩分マシマシだったのには参りました。

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-----イサーク-----
サヴィオ---渡邊---関根
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(交代)
29分 石原→長沼
67分 グスタフソン→柴戸
67分 関根→中島
77分 イサーク→小森

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-----藤尾-----
--相馬----デュク--
増山-下田---前-望月
-中山--昌子-ドレシェ--
-----谷------

(交代)
57分 増山→中村
57分 藤尾→オ セフン
57分 デューク→ナ サンホ
84分 望月→桑山

 前節のあんまりな試合結果&試合内容を受けてか、この試合のゴール裏は静観の構え。駒場時代から浦和を見ている身としてはなんの違和感もありませんでした(ダンマクがあるだけマシ!!という厳しいご意見も)が、こういうゴール裏のスタンスが今の時代に合わなくなってるのもわからんではないんだよなぁ・・・でも個人的には「安易に時代の潮流に流されないのが浦和」であって欲しいと思います。

 とにかく寒くてハーフタイムにはロアー上段のトイレの行列がコンコースに収まりきらずにスタジアム外まで延びる椿事も。

 そんな酷寒の日に運悪く「Reds’ビアフェス2025」を開催してしまうのでいかにも浦和。野球場でよく見かけるビールタンク背負ったねーちゃんはなんと半袖でした!!

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2025.10.19

【DAZN観戦記】25年第34節:横浜M 4-0 浦和

 浦和のスタメンは前節から西川→牲川、マリウス→ボザ、金子→大久保。渡邊→早川と4名入れ替え。出場停止明けのボザがスタメンに戻ったのはともかく、前節リーグ戦初スタメンだった根本を今節も続けてスタメン起用したことも併せてかなりテスト色が強いスタメン構成となりました。

 ただ牲川のスタメン起用は「東京ヴェルディとの練習試合で周作に少しメディカル的な問題が発生」という事情もあったようです。

 もう優勝どころか2位に入る目もほとんどなく、降格する恐れもない状態だとはいえ、こんなに早い段階でテストモードに移行するのは個人的には意外でしたが、ひょっとすると来季の監督続投が内定したのかもなぁ・・・

 またこれまで試合前会見で何度かベンチ入りを示唆されながらもベンチ入りが叶わなかった安部がついにベンチ入りしたのが目を惹きました。

 一方横浜Mのスタメンは関富→鈴木、山根→渡辺、アラウージョ→井上と3名入れ替え。

 前回埼スタで横浜Mと対戦した時は横浜Mの監督がホーランドからキスノーボへ代わったばかり。そして今回の対戦ではさらに大島氏へと監督が代わっており、おまけに前目の外国人選手がごっそり入れ替わるなどもう魔改造に次ぐ魔改造を経たチームなので個人的には出方が判らなかったのですが、横浜Mの手口はロングボールで手数をかけずに敵陣にボールを送り込んだ後、前からガンガンプレスをかけるというシンプルなものでした。

 それゆえ浦和も前節神戸戦同様イサク目がけてのロングボールを多用して相手の前プレを回避しながら試合を進めれば何の問題もなかったはずですが、GKを牲川に代えたことで色気を出したのか、浦和はGKを使っての後方からのビルドアップに再チャレンジ。そしてこれが大惨事を招くことに。

 6分根本が植中に絡まれて自陣深い位置でボールロスト。いきなりショートカウンターが発動して植中の横パスを受けた谷村があっさり先制点。前節大活躍した根本が今回いきなりポンコツ私大医学部みたいな授業料を払う羽目になってしまいましたが、根本をサポートすべき荻原がどっか行ったのを見ると、そもそもスコルジャにビルドアップを仕込む能力なんてないんでしょうなぁ・・・今年一年を通じてがっかりさせられた話ですが、もう出来ないことは諦めて得意なことに集中しようや・・・

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 おまけに横浜Mはボールとは無関係に身体をぶつけてくるようなラフプレーが目立ち、とにかく痛みに強いはずの石原が長い時間蹲る場面もありましたが、笠原主審はイエローを出すどころか注意する気配すらなし。そしてこの試合を通じて浦和は「ライダーキック」笠原主審に悩まされることに。

 それでも20分くらいから浦和はようやく横浜Mを自陣に押し込みだしましたが、なぜか横浜Mの守備ブロックの回りでこねくり回すだけで一向にクロスを入れる様子はなく、シュートも撃てずじまい。早川も大久保もフリーダムに動きすぎるサヴィオに困惑させられっぱなしな感じもしましたが、自分の良さも全く出せず。

 そうこうしているうちに33分クルークスCK→キニョーネスのヘッドが決まって横浜M2点目。

 さらに42分クルークスFKからの流れで石原がボックス内で後方からキニョーネスを蹴ったファウルを取られてPK。45分クルークスがPKを決めて3点目。ただ石原のファウルより先に角田が牲川に体当たりしているファウルを取って然るべきではないのか?さらには角田やキニョーネスはオフサイドではないのか?といろいろ論点がある場面だったにも関わらずVARがダンマリだったのがいやはや何とも・・・

 これで浦和の選手たちの集中は完全に切れてしまったようで、45+4分CKからの流れで井上がぽっかり空いた右サイドを単騎激走して深く抉り、マイナスのクロスを植中が合わせて4点目。

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 そしてスコルジャも不出来の早川と大久保をついに諦めて後半頭から大久保→金子、早川→渡邊と2枚替え。金子投入の効果はあって右サイドから早めにクロスが入るようになり、46分荻原へのサイドチェンジからグスタフソンが放ったシュートはバーを直撃。

 しかしその後の攻勢で金子や荻原がボックス内でファウルを受けたくさいプレーがあったにも関わらず笠原主審が流したことから試合は荒れ模様に。浦和は主審への不信感が募ってかイエローをもらう選手が続出し、掴みかかった良い流れを自分で断ち切る格好に。

 65分サヴィオ→関根、75分グスタフソン→柴戸と代えるも何の効果もなく、相変わらず横浜Mの前プレに苦しみ続けるテイタラク。

 81分には秘密すぎる秘密兵器安部をついにピッチに送り出して思い出づくりしたところまでは良かったものの、90+1分判定にブチ切れた金子があろうことか副審を小突いてしまって一発レッド!!

 審判に手を出したのはルール上重罪で、金子は少なくとも4試合出場停止になる模様。もう大敗自体は如何ともしがたいのに、残り4試合を今季の数少ない希望だった金子を欠いて臨むことになるとは!!自分で傷口を開いて自分で塩を刷り込むような大愚行でした。

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 全く何も良いところ、良いことがない酷い試合で、DAZNに映る限りではスタジアムを去る赤者の出足が早いのなんの・・・大差がつきましたが横浜Mが強いという印象は特になく(強いて言えばCBキニョーネスが手強い!)、ひたすら浦和の弱さだけが目立つ試合でした、

 テスト的色彩が強いスタメンを組み、そのテスト組の出来が揃って芳しくなかったのは残念でしたが、それ以上に残念だったのはレギュラー組も不出来だったこと。代表ウィークを挟んで試合感が失われてしまったのか、全員揃いも揃って出足が鈍く、「総員突撃セヨ!!」系の横浜Mに対してあと一歩のところで競り負け、セカンドボールを拾われ続けるのが気になりました。

 CWC明けのアウェーFC東京戦が顕著でしたが、今季の浦和は試合間隔が開いた後の試合の出来が良くありません。かといって過密日程下だと基本スタメン固定なのが祟って最後は失速傾向になり、「浦和はいつも終盤バてる」と相手チームに笑われることに。

 沖縄キャンプで仕込んだことが渡邊負傷で簡単に瓦解してしばらく試行錯誤を強いられたことといい、今季のスコルジャのマネジメントにはがっかりさせられることだらけ。「リーグ戦には不向きだが短期決戦には強い」と思っていたらCWCで惨敗。うーーーん、もうスコルジャの続投は「今のフロントがスコルジャよりマシな監督を連れて来れる気がしない」という極めて後ろ向きな理由でしか支持できないなぁ・・・

Sippai

-----イサーク-----
サヴィオ---早川--大久保
---グスタフ--安居---
荻原-根本--ボザ-石原
-----牲川-----

(交代)
HT 早川→渡邊
HT 大久保→金子
65分 サヴィオ→関根
75分 グスタフソン→柴戸
81分 安居→安部


井上---谷村---クルクス
-----植中-----
---山根--喜田---
鈴木-角田-キニョーネス-加藤
-----朴------

(得点)
6分  谷村
34分 キニョーネス
45分 クルークス(PK)
45+5分 植中


(交代)
65分 植中→天野
65分 谷村→デイビッド
65分 井上→アラウージョ
75分 クルークス→クルード
81分 渡辺→山根

 あまりにも酷い試合内容&スコアを受けて浦和ゴール裏は後半応援拒否。解説の戸田氏が「こんな試合だとプレミアリーグなら観客はゾロゾロ帰ってしまうので、浦和はまだ観ているだけマシ」と妙な擁護をしていたのが心に残りました。

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2025.10.05

【観戦記】25年第33節:浦和 1-0 神戸

 浦和は出場停止のボザに代わって根本がスタメン入りした他、前節東京V戦から松尾→イサク、中島→渡邊、柴戸→安居、石原→関根、長沼→荻原とスタメンを6名も入れ替え。中2日&中3日の3連戦を受けて前節スタメン5名を入れ替えたので、再度裏返した格好。

 ボザが出場停止なので空いた外国人枠を使ってサンタナがベンチ入りするのは容易に想像できましたが、故障で9/30の公開トレーニング時では別メニューと伝えられた小森がベンチ入りしたのはポジティブサプライズ。その煽りで中島がベンチ外になりましたが、CFを2枚にベンチ入りさせるのはかなり謎でした。

 一方神戸はACLEホームメルボルン戦から中二日でしたが、ACLEではCBトゥーレル以外の10人をターンオーバー。そしてそのトゥーレルは浦和戦出場停止なのでACLEからの連闘は一人もおらず、リーグ戦前節清水戦と比べると出場停止のトゥーレルに代わって本多がスタメン入りした他、井出に代わって武藤をスタメン起用しただけに留まりました。

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 浦和は神戸の強烈なプレッシングをロングボールを多用して回避。イサク&金子とターゲットが二つあるためか、西川を使ったビルドアップを完全に諦めてのロングボール攻撃は対神戸戦でめっちゃ効きました。神戸も大迫へのロングボールを多用して前進を試みますが、こちらは初スタメンの根本が善戦。

 しかもなんだかんだと神戸はACLE絡みの過密日程が効いているのか、選手の動きは概して浦和の方が良く、球際での競り勝ちも目立って前半は終始浦和ペースで進みました。

 4分グスタフソンが右サイドからアーリークロス→ボックス内でイサク反転シュートはバーの上、16分ショートコーナーから上手く神戸最終ラインの裏を取ったサヴィオのシュートは角度が厳しくてサイドネット。21分金子クロスを渡邊が胸で落としてアーク付近から安居シュートはバーを直撃!!30分金子クロスになぜかボックス内に入っていた石原ヘッドは枠を捉えきれず。

 決定機こそたいして作れていないものの手数では浦和が神戸を圧倒している戦況が突如暗転したのが39分の謎判定。酒井のクロスが荻原の手に当たったところで池内主審は何の躊躇いもなくハンド=PKの判定。ただクロスが荻原の右足に当たって跳ね上がったボールが荻原の高く掲げている手を当たったという事象なので、ハンドを取るかどうかかなり疑問。おまけにVARもだんまりなのが謎でした。

 しかしそこで得た宮代のPKを西川が見事に阻止!!!宮代のシュートはコースも甘ければ勢いもないという最悪のものでしたが(苦笑)。

 45分には金子のクロスが本多の手を直撃!!しかし池内主審の判定はノーファウル。まぁ本多の畳もうとしている手に当たっているので妥当な判定とは思いますが、当然ながらこれらの判定を巡って埼スタは大荒れに。

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 神戸は後半頭から大迫に代えて井出を入れて武藤をCFへ。大迫は前半あまり良いところはありませんでしたが、10分くらいにちょっと傷んでいたので大事を取って交代したのかも。

 しかしその交代も虚しく浦和優勢の戦況は変わらず、46分右サイドを深くえぐった金子が永戸のファウルを誘発。そして47分サヴィオFK→イサクヘッドが決まってついに浦和先制。イサクはルヴァン杯で既にゴールを決めていますが、リーグ戦ではこれが初ゴール。

 神戸はその後も66分エリキ→小松、宮代→汰木、74分鍬先→飯野と五月雨的に選手を代えるものの何の効果もなし。浦和は前半イエローをもらった安居を65分に柴戸に代えただけで、そのまま神戸に何もやらせず仕舞いで推移。71分サヴィオ→イサク→渡邊の決定機を作りましたが、渡邊は既に疲労困憊なのか上手く神戸守備陣の間に入り込んで反転したのにシュートがへなちょこに。

 そしてスコルジャは77分イサク→小森、グスタフソン→関根、金子→松尾と3枚替えを敢行しましたが、結果からすればどう見ても悪手でした。

 イサクも金子も同時に下げてしまった浦和はロングボールでボールを前に進める術を失っただけなく、トップ下に入ったサヴィオが疲れて前プレも効かなくなったことも相まって、80分以降自陣に押し込まれ続ける展開に。前プレ要員としての早川投入も遅きに失した感じ。

 そして86分には前川のロングボールをCFに入った小松がヘッドで落とし、そのこぼれ玉にマリウスの反応が遅れたのが災いして汰木の裏抜けを許す大ピンチがありましたが、ここは西川がビッグセーブ。そして終盤押し込まれ続けながらもなんだかんだといっても神戸に許したピンチはそれだけで浦和逃げ切り勝ち。

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 SPORTERIAのデータだとゴール期待値は浦和1.23/神戸1.74、DAZNでは1.19/1.70とどちらも神戸優位ですが、神戸のゴール期待値は謎のPKゲットで跳ね上がっているだけなので、実質的にはどちらのゴール期待値も低く、守備が堅い者同士の締まった試合で。手数の多かった浦和勝利は妥当でしょう。

 浦和は16本もシュートを撃ちましたが安居のミドルシュートに象徴されるようにボックス外から、かつ枠外のシュートが多かったのでゴール期待値が低いのは当たり前でしょう。結局神戸守備陣を曲がりなりにも崩したのは71分渡邊の決定機だけだったかも。しかもそのシュートはへなちょこ。

 それにしてもイサクを得たことで西川を使ったビルドアップを完全に諦め、自爆ボタンを投げ捨ててロングボール主体の攻撃に転じた浦和は実に手堅い。イサクを使ってボールを前進させ、イサク目掛けてサイドから放り込みまくれば1点は入る。そしてそれを守りきる、めっちゃ糞サッカーw

 その結果なんだかんだと「ロースコアが基本」というスコルジャ2023へ戻ってきつつある感じ。しかも点を取る形はアホほど出来ているので内容は当時より大きく前進。それだけに内容は悪くないのに結果が出なかった鹿島戦と清水戦はもったいなかった。

 でも面白くない上に全然勝てないよりは遥かに良いのだ。スコルジャがこんな糞サッカーを目指していたのはどうかはともかく、ビルドアップを仕込めない系の監督なのはもはや明々白々なので、屈強なCF、とにかくボールが収まるCFがいることを前提とするチームになってしまうのは仕方ないのかも。

 そして鹿島、神戸、町田とそのタイプのチームがズラズラと上位に並んでいるのが今のJ1。来年の浦和はその系譜になってゆくんだろうなぁ・・・

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-----イサーク-----
サヴィオ---渡邊---金子
---グスタフ--安居---
荻原-根本--マリウス-石原
-----西川-----

(得点)
47分 イサーク

(交代)
65分 安居→柴戸
77分 金子→松尾(松尾左SHへ)
77分 イサーク→小森
77分 グスタフソン→関根(関根右SH、渡邊CH、サヴィオトップ下へ)
90+1分 サヴィオ→早川


武藤---大迫----エリキ
--宮代----鍬先--
-----扇原-----
永戸-本多--山川-酒井
-----前川-----

(交代)
HT 大迫→井出(井出左IH、武藤CF、宮代左WGへ)
66分 エリキ→小松(小松CF、武藤右WGへ)
66分 宮代→汰木
74分 鍬先→飯野
89分 永戸→パトリッキ

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・浦和はもう消化試合。しかも雨だったので観客数も38,062人と神戸戦にしては少な目でしたが、その大半は根本の実質デビュー戦を見届けるのが楽しみでやってきたのでしょう。そして根本の実質デビュー戦は上々の出来でした。

 序盤から高精度のロングフィードを連発して埼スタを驚かせただけでなく、空中戦でもさすがに完勝とはいきませんでしたが、大迫に好きなようにはやらせず。あえて難を言えば荻原が裏を取られがちなので、そのフォローに追われたのがちょっと辛かったかなと思える程度で、大卒新人の実質デビュー戦としては楽々合格点クリアでしょう。

 この出来なら疲労困憊のボザやマリウスを過密日程の中で無理使いする必要なんてなかったと思いましたが、井上が退団するまで根本がベンチ入りすら出来なかったのにはそれなりの理由があるのでしょう。

 思えば既に浦和を去った佐藤も井上も初めて浦和でスタメン起用された時の評価は高かった。だが相手もプロなので試合を重ねるごとに弱点を突いてきます。ゆえに根本もおいおい辛い目に遭うでしょうが、プロ選手はそれを乗り越えてこそナンボ。とにかく大卒新人のスタメンデビュー戦は上出来でした。とにかくおめでとう!!

・この試合のサヴィオは「出力制御に失敗した」感じでした。持ちすぎて結局しょーもないロストが多かったかと。でもコンディションは良いのか、ボールを失った後のリカバリーが速くて大過なし。なんかめちゃ巧いし、めっちゃ走るのにチームの力になりきれないもどかしさ。

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2025.09.28

【DAZN観戦記】25年第32節:東京V 0-0 浦和 ~ 消化試合らしい消化試合

 共に前節から中3日の一戦。

 浦和は石原→中島、荻原→長沼、安居→柴戸、渡邊→金子、イサク→松尾とスタメン5枚入れ替え。

 故障で長期離脱していた柴戸がようやく長い時間使える目途が立ったのでずっと使い詰めだった安居がついにベンチスタートの恩恵に浴することになり、スコルジャが故障でもしない限り代えないのはいよいよGKと両CBだけに。

 また大久保がベンチ入りした一方、松本がベンチ外に。松本は大久保との競争ではなく、前節に続いてベンチ入りしている早川との序列が入れ替わったためでしょう。なお小森の故障は案外重く、試合前会見では「日々良くなってきていますが、週単位で待つことになると思います」とのことでした。

 東京Vは出場停止の谷口に代わって林をスタメン起用した他、平川→齋藤、松橋→新井、平尾→唐山、寺沼→染野とこちらもスタメン5枚入れ替え。

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 立ち上がりからお気持ち全開で繰り出してくる東京Vの前プレを浦和はロングボールを多用して回避。かつ松尾を相手最終ライン裏へ走らせることで序盤は相手を自陣に押し込む展開に。6分左サイドからサヴィオのマイナスの折り返しはボックス内にどフリーで突っ込んできた中島に惜しくも合わず、ファーへこぼれたボールを拾った金子のシュートはGKセーブ。

 そして序盤は山のようにCKを得るも、惜しかったのは19分松尾シュートがクロスバーを直撃した場面だけ。

 東京Vのプレス強度は高く、自陣に押し込まれながらも5-4-1の守備ブロックを敷いて待ち構えるというよりもむしろマンツーマン気味にプレッシングの連続で守るスタンス。浦和はボールの出し手も受け手も絶えず強いプレッシャーを受けている上に、東京Vの攻守の切り替えも速いので浦和は次第にボールを持たされ気味に。

 とはいえ、東京Vも守るのが精一杯で、チャンスらしいチャンスは39分ボザの緩すぎる縦パスをカットしてからの齋藤ミドルくらい。

 44分高い位置で金子がボールを奪ってから松尾に決定機が生まれましたが、松尾のシュートはバーの上。

 後半に入っても相変わらずボールを持っているだけで何も起こせない浦和を尻目に最初に決定機を掴んだのは東京V。54分プレッシャーをかけられた西川のパスがずれて新井がカット。「待ってました!」と言わんばかりに新井は金子&関根をぶち抜いてクロス→福田が長沼の前に飛び込む超決定機を作りながらもヘディングシュートは枠を捉えきれず。そして終わってみれば東京Vにとってこれが最初で最後のビッグチャンスでした。

 56分にCKからグスタフソンがどフリーでヘッドも、なぜか枠外。そこで浦和は61分満を持して松尾に代えてイサクを投入。そして早速66分イサクのポスト→サヴィオのパスを受けて長沼がバイタルエリアからシュートを放つもGKセーブ。

 さらに71分中島→渡邊、長沼→荻原、79分柴戸→安居、サヴィオ→早川と代えた辺りからようやく浦和のサイド攻撃が活性化。

 80分マリウスのロングフィードから金子クロス、さらにファーで拾った荻原がクロスとイサクを入れた攻撃の形ができるもフィニッシュには至らず白ヤギさん黒ヤギさん状態。83分関根が自陣深い位置でボールを奪って右サイドを激走してイサク→早川のロングカウンターが炸裂するも早川のミドルシュートはGKセーブ。88分安居のスルーパスで右サイド深く侵入した関根のクロスはイサクにも渡邊にも合わず。

 東京Vも消耗した選手を順次代えただけで、攻撃もミドルシュートを放つのが精一杯。双方点が入る気配無く、そのまま試合終了。

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 もう純然たる消化試合ゆえ、ただの娯楽として浦和の試合を見ているので結果が出ないのは特に気にしないのですが、「点が入る気がしない」のはめっちゃ辛い。娯楽性、エンタメ性皆無の試合を90分見るのって地獄やで、ホンマ・・・当方はDAZN観戦なのでまだマシですが、なぜか急騰しているチケット代を払って味スタへ出かけた方々の落胆ぶりはいかばかりかと。

 「こりゃ双方ゴール期待値は0点台やろうなぁ」と思い込んでいたところ、DAZNのスタッツだとゴール期待値は0.71vs1.71。JSTASでも0.66vs1.65と案外高くてびっくり!!もっとも浦和は19分松尾のビッグチャンスで0.6跳ね上がっているようですが(苦笑)。

 鹿島戦や清水戦のように決定機はアホほどありながら1点が遠いのなら攻撃陣のポンコツぶりを論うことも出来ましょうが、この試合のように決定機自体が少ない場合は怒りの矛先が監督へ向くのも当然でしょう。

 試合後会見では「クロスを上げたときにファーにしか選手がいなくてニアに入ってくる選手がいない」ってボロクソに言われているのも道理。浦女だとクロスに対してたいがい島田がニアに突っ込んでてファーに伊藤とか榊原、丹野などがおるのとえらい違い。チームの約束事に忠実なCF島田自身はなかなか点は取れませんがチームとして点が取れてますので、何の問題もありません。

 また「コンディションを考えてスタメンを入れ替える」こと自体は大いに結構なのですが、中島とサヴィオという「ダブル自由人」は結局ボールの受け手不足に陥りがちで、「ボールは持てるが前に進まない」現象をもたらすだけだったかと。そしてそんなテストをこんな時期にやっているのも残念というかなんというか・・・

 トップ下が出来る面子でサヴィオや中島とは全くキャラが違う松本、相手最終ライン裏への飛び出しが得意な松本がベンチ外になったのは残念至極。故障明けで本調子にはほど遠い渡邊の出来を見て、松本はベンチ外を納得できるかどうか?

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-----松尾-----
サヴィオ---中島---金子
---グスタフ--柴戸---
長沼-マリウス--ボザ-関根
-----西川-----

(交代)
61分 松尾→イサーク
71分 中島→渡邊
71分 長沼→荻原
80分 柴戸→安居
80分 サヴィオ→早川


-----染野-----
--唐山----福田--
新井-森田--齋藤-内田
-深澤--林---宮原-
-----マテウス-----

(交代)
67分 唐山→松橋
76分 福田→平尾
83分 齋藤→平川
83分 宮原→鈴木
83分 染野→寺沼

・この試合の解説も前節に続いてあの方。あの方はやたら東京Vの出来を褒めていましたが、ワシ的には「守備で疲れ果てて、点を取る体力が残っていない」ように見えました。典型的な塩試合メーカー。東京Vの難点はとにかく点が取れないことで、守備はボトムハーフの中ではかなりマシなほうなのがよく判る試合でした。

・谷本主審はちょっとした交錯ではファウル取らないことで一貫しているので前半はマシなほうと思いましたが、体幹が強くて自然体で相手を吹き飛ばしていしまうのが気に入らないのか、イサクのファウルだけはやたら取るのには参りました。そしてとにかくアドヴァンテージを取らないので評価だだ下がり。

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2025.09.24

【DAZN観戦記】25年第31節:清水 0-0 浦和 ~ まさかすぎる無得点!!

 共に前節から中2日の一戦。

 浦和は前節から松尾→イサク、金子→関根、長沼→荻原とスタメン3枚入れ替え。小森が前節負傷したためベンチ外になり、早川がベンチ入り。前節大失態を犯したGK西川の交代はなく、スコルジャは今季一杯西川を使うことを明言したような形に。

 清水は前節から高橋→北川、乾→松崎、中原→小塚、弓場→宮本、吉田→北爪とスタメン5枚入れ替え。清水の「お気持ち全開系プレッシング」はとにかく消耗が激しいので前目を中心に大幅に入れ替えたのでしょう。また高橋、乾、矢なんとかがベンチスタートで明らかに後半勝負っぽい感じでした。

 浦和は序盤ロングボールを多用。清水の「お気持ち全開系プレッシング」を逆用してその最終ライン裏を狙うといえば聞こえはいいのですが、実態は前節の大失態に凝りてまるでビルドアップを諦めたかのような格好で、単にボールを捨てているだけに。

 しかもイサクは初めてのスタメンなのでコンビネーションに難があるせいか、前プレは笑えるくらいにさっぱりハマらず。おまけにな中2日が祟ってコンディションが良くないのか、前目はフレッシュな清水に対して球際で競り負ける場面も目立って、序盤は清水が一方的にボールを支配して浦和を自陣に押し込む展開に。しかし、清水もラストパスの精度が劣悪で決定機を作れず、ミドルシュートを試みるのが精一杯。

 清水のしょっぱさに助けられて無失点で過ごしているうちに、スコルジャの修正が徐々に効いてきたようで、 浦和は17分左サイドから荻原のクロスをファーでイサクが合わせきれなかった辺りからようやく反撃開始。

 そして30分くらいからは逆に浦和がボールを握って清水を自陣に押し込み出しましたが、最初に決定機を作ったのは浦和の難点=前プレの効かなさを突いた清水。38分ブエノの縦パスで北川が裏抜けに成功し、左サイドからどフリーで突っ込んできた山原へ展開。しかし山原のシュートを石原が辛うじてブロックしたのが効いて、最後は西川がキャッチ。

 一方浦和は41分サヴィオ縦パスを契機に、ボックス内でこぼれ玉を拾ったイサクがシュートを放ちましたがここはGK梅田が辛うじてセーブ。

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 秋葉監督は劣勢に陥ったと感じたのか、後半頭から宮本→矢なんとか、北爪→高木と交代。しかし、この交代は何の意味もないどころか火に油を注ぐ結果に。また前半なぜか右SHに配されてさっぱりだったのを反省してか、後半関根右SH、サヴィオ左SH、渡邊トップ下と配転したのも効きました。

 51分グスタフソンがふんわりクロス→イサクがヘッドで折り返して荻原のシュートはわずかにサイドネット。54分荻原クロスに対してサヴィオがどフリーで突っ込むも、ヘディングシュートはなんとGKの正面。

 さらに清水は56分松崎→高橋、小塚→乾と代えたものの、これまた火にガソリンを注ぐような結果に。秋葉監督は「後半勝負」の算段だったのでしょうが、投入した選手が揃いも揃って守備に難がある選手なので大惨事に(苦笑)。

 浦和は63分関根→金子、安居→柴戸、さらに73分渡邊→松尾、サヴィオ→中島とお疲れの選手を順次代えて攻勢を強めましたが、76分中島クロス→イサクのシュートはGKセーブ。77分中島ミドルがゴールマウス左上隅を襲うもこれまたGKセーブと決定機をアホほど作りながらもとにかく1点が遠い。

 85分には住吉がパスカットした後の緩慢な対応に乗じて中島スルーパスから松尾がGKと一対一になりましたが、松尾のシュートはわずかに枠を捉えきれず、とうとうスコアレスドローで試合終了。

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 JSTATSによると、シュート数で浦和24vs清水9(うち枠内13vs6)。浦和のシュートはボックス内から放っているものが多いせいか、ゴール期待値はなんと4.26vs0.71ととんでもない差がついていて、3-0くらいで浦和が圧勝していても何の不思議もないスタッツがズラズラと並んでいますが、終わってみればまさかのスコアレスドロー。

 GK梅田が当たりまくったような気もしますが、ビッグセーブと思えるのは41分イサクと77分中島のシュートくらいで、あとは浦和のシュート精度がやや残念な気も。特に85分松尾。

 前節に続いて試合内容自体は悪くなかったのですが、前節に続いてまたしても1点も取れず。鹿とか清水とか結果しか求められない相手の試合で「内容は悪くないのに勝てない」試合が続いたのは本来なら実にしんどい話。優勝戦線に踏みとどまっていたらさぞかし腸が煮えくり返ったことでしょう。

 でも残念ながら個人的には既に達観、明鏡止水の境地に達しているせいか、試合後は特に悔しくもなく、実にサバサバ。もはや事実上リーグ優勝も降格も無く、ほぼ消化試合をだらだら続けるだけの時期に突入したにも関わらず、選手達は少なくとも「見せ場は大いに作った」という意味合いでプロの興行としては恥ずかしくない試合をしていましたし、今はそれで十分と思っています。

 とにかく結果がついてこなかったことだけは非常に残念でしたが、後半は相手に何もやらせなかったことだけでも清水戦としては大満足でした。全く機能しない選手交代、全く機能しない守備を見て、秋葉監督は帰り道の清水サポにさぞかしボロクソに言われていたことでしょうし(苦笑)

 今季の浦和の悪癖=「代えれば代えるほど悪くなる」という傾向はすっかり一掃され、「代えれば代えるほど悪くなった」のはむしろ清水のほう。高橋はあんまりな扱いにとうとう我慢しきれずに浦和を飛び出してしまいましたが、今の浦和ではやっぱり出番なかったでしょうなぁ・・・松崎や矢なんとかは論外でしょう。この辺に見せ場を与えなかったのもこの試合の良かった探し。

 そしてまだコンディションが十分ではないであろうイサクを90分使えたこと、そしてイサクの正しい使い方がチームメイトに浸透しだしたのがこの試合の最大の収穫。ボックス内でのお仕事がイサク最大の魅力ですが、ボールの収めどころとしても十分使えることが判明。イサクが開幕時からいたら、今季の浦和は全く違うコースを歩んでいたでしょうなあ(つД`)

 2023年はクマー、今季はトスンとCF補強に失敗したのが祟っていて、その辺はスコルジャに同情します。スコルジャはとにかくビルドアップ仕込めない系なのでCFが強力じゃないと話になりません。そしてイサクが来たのはシーズンの大勢が決まってからとはなぁ(遠い目)。

 本調子にはほど遠い渡邊や、いかにもヘロヘロで今にも自爆ボタンを押しそうだったマリウスをスタメン起用したことには少々疑問符がつくくらいで、この試合のスコルジャの采配に特に問題はなく、まさかの無得点に終わった責任はどう考えても前目の選手達が負うべき。

 でも「J2オールスターズ」と揶揄されたリカ時代ならともかく、今の浦和で前目の選手のクオリティーが他チーム比で残念とはとても思えず、「まぁこんな日もある」と切り替えて前を向くしかないでしょう。幸い選手達の気持ちは切れていないようですし。

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-----イサーク-----
関根---サヴィオ---渡邊
---グスタフ--安居---
荻原-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(交代)
63分 関根→金子
63分 安居→柴戸
73分 サヴィオ→中島
73分 渡邊→松尾
84分 グスタフソン→早川

 

-----北川-----
--小塚----松崎--
山原-ブエノ--宮本-北爪
-蓮川--ミンテー--住吉-
-----梅田-----

(交代)
HT 北爪→高木
HT 宮本→矢島
56分 小塚→乾
56分 松崎→髙橋
85分 北川→中原

・この試合の高崎主審は浦和の攻撃時に邪魔になっていた場面は散見されたくらいで、笛自体は割とまともと思いました。

・難儀だったのはDAZN解説のあの方。清水の出来がしょぼかったのが幸いして、浦和の難点をネチネチと論う悪癖こそ控えめでしたが、実にうるさいのなんの。しかもどう見ても不出来な渡邊を盛んに持ち上げる不可解さ。ああ、もうこの解説は勘弁して!!と思っていたら次節東京V戦もこの方なのか(´・ω・`)ショボーン

 

※写真は試合とは全く関係ありません。

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2025.09.21

【観戦記】25年第30節:浦和 0-1 鹿島 ~ 西川選手、お疲れさまでした

 浦和は出場停止明けのサヴィオがスタメンに復帰した他、松尾と渡邊をスタメン起用して、小森・中島・関根がベンチスタートに。一方鹿島は前節から樋口→舩橋とスタメン1名入れ替え。

 松尾1トップ起用の狙いは明々白々で徹底した鹿島の最終ライン裏狙い。また5万人超の大歓声を受けてか、あるいは急に涼しくなった気候にも助けられてか、浦和の選手たちの動きは見違えるほど良くなっていて、試合開始直後に好位置でのFKを得たのを皮切りに立ち上がりは浦和が攻勢を仕掛けました。

 しかし浦和優勢の流れをぶった切ったのが西川の凡ミス。マリウスのバックパスがやや緩く、それをボザへ流そうとした西川の横パスがこれまた短すぎて鈴木にカットされ、鈴木は無人のゴールへ流し込むだけ。これは酷い、酷すぎる!!!

 浦和が特大自爆ボタンを押したことで何の苦労もなく先制した鹿島はその後松尾のスペースを消すかのようにやや引き気味に構え、自然浦和はボールを持たされ気味に。

 しかし西川のあんまりな凡ミスで強敵相手に序盤から1点ビハインドに陥る苦境に立ちながらも浦和の選手達に気落ちした様子は微塵もなく、30分くらいから徐々に反撃。

 31分サヴィオスルーパス→渡邊のシュートはGK早川がセーブ。36分左サイドに転じていたサヴィオがハイボールを濃野?に競り勝ってそのままドリブル前進からどフリーでクロスを入れたものの、松尾が合わせきれずに残念無念。41分には渡邊のポストプレーからなぜかボックス内に突入していたボザに決定機が生まれましたが、シュートはわずかに枠外。42分には長沼が左サイドを深くえぐってファーの金子へパスが通ったものの、金子がこれを宇宙開発事業団。

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 儲けもののような形で先制したものの劣勢は否めないのを認めたかのように鬼木監督は後半頭からエウベル→松村、舩橋→知念と2枚替え。この交代、特に松村投入はかなり効果があったように見受けられました。エウベルと松村とでは守備意識が段違いで松村のプレスバックは強烈だったからなぁ・・・

 そして浦和の優位はたちまち雲散霧消しただけでなく、またしてもビルドアップのヤバさが顔を覗かせることに。51分には石原がチャヴィリッチに絡まれてボールを失い、レオセアラのシュートをマリウスがブロックして辛うじて難を逃れる一幕がありましたが、もう西川へボールを下げるのが怖くなって自分でチャヴィリッチを交わそうとしたのが仇となったとしか思えないのですが・・・

 一方「西川やばすぎ晋作!!」と気がついた鹿島の2トップは、浦和が西川にボールを戻すたびに調子こいで前プレかけまくって、これが切ないのなんの。

 54分にはグスタフソンのボールロストを契機にチャヴィリッチに決定機を許してしまいましたが、ここは西川が左足で好セーブ。

 劣勢に陥った浦和は57分金子に代えて小森を投入。さらに72分にはサヴィオ→関根、松尾→イサーク、グスタフソン→中島と代えてはっきりした4-4-2にシフト。最後は長沼に代えて荻原を投入して「いよいよイサーク目掛けて千本ノック開始や!!!」と思ったのですが、非常に不可解だったのは一向にその気配がなかったこと。

 荻原を入れたのに左サイドでグラウンダーのパスを延々と交換しているのは謎でしたし、後方からまるでイサークを走らせるかのような高速かつ低いフィードを繰り出していたのも謎。松尾1トップだとチームがやりたいことははっきり判るのに、小森やイサークが入ると何をやりたいのか急に判らなくなるのが非常に不思議。

 荻原投入直後、83分カウンターからのビッグチャンスは関根のシュートも石原も早川がセーブ。もっとも関根へパスが出た時点でイサークのオフサイドだった模様。

 ATに入ってようやく右サイドからのクロスが入り始め、試合終了間際にボザのクロスがディフレクトしてイサークの前に転がる幸運があったものの、イサークのシュートをまたしても早川がセーブして試合終了。

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 サッカーって点を取るのは難しいけど失点するのは実にやたすいという、実に珍妙かつ残酷なスポーツであることをまざまざと実感させられた残念な試合でした。そして凡ミスをよりによって大ベテランがやらかし、しかもそのまま負けるってめっちゃ辛いのなんの。強敵相手にハナから1点プレゼントしてしまってはそりゃ勝てないって。

 そして西川の足元のヤバさはルヴァン杯第2戦で嫌ほど痛感させられたのに、スコルジャがその西川を信頼して引き続き起用した結果がこれ。さらに言えば、スコルジャがそもそもビルドアップを上手く仕込めていないので牲川に代えたところで大差はないのかもしれません。二重の意味でこの敗戦については監督の責任が大きいと思います。

 よって前節までは「浦和強化部がスコルジャよりマシな後任を見つけて来れる気がしないのでスコルジャやむなく続投派」でしたが、この敗戦を受けて「浦和強化部がまたしても分の悪い賭けに出る」ことに同意します。じり貧を避けようとしてドカ貧に陥りがちという、行動経済学でいう「プロスペクト理論」そのまんまなのは否めませんが(自嘲)。

 もっとも個人的にはでも前節G大阪戦の負けでもう達観しちゃったからか、「今日はフィールドプレーヤーがぶちきれず、試合を投げずに最後まで頑張ってくれたからまあええか」とも思っています。点は入りませんでしたが、見せ場はアホほど作りましたし。負け方は実に腹立たしかったものの、5万人強もの観客に見せるエンタメとしては悪くなかったかと。

 結果的に負けるのはもう仕方ない。とにかく一生懸命やっている姿を見せてくれればそれで良い。残り8試合はそんな心境で浦和を見守ることにします。

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-----松尾-----
渡邊---サヴィオ---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(交代)
57分 金子→小森
72分 サヴィオ→関根
72分 松尾→イサーク
72分 グスタフソン→中島
81分 長沼→荻原


---鈴木--レオセアラ---
エウベル--------チャヴリ
---三竿--舩橋---
小池-テヒョン--植田-濃野
-----早川-----

(得点)
14分 鈴木

(交代)
HT 舩橋→知念
HT エウベル→松村(松村右SH、チャヴリッチ左SHへ)
78分 レオ セアラ→ターレス
85分 チャヴリッチ→津久井
90分 鈴木→小川

・鬼木監督は川崎での成功体験には全く捉われず、最近の鹿島のトレンド=「UMAと愉快な仲間たち」に徹したチーム作りを進めているのが凄いわ。欧州風味添加とか諦めてるもんなぁ・・・でも試合内容的には「UMAと愉快な仲間たち」が能動的にゲームを進めていた時間帯なんてほとんどなかったと思ったけどなぁ。ただ浦和がひたすら自爆ボタン押してただけで。

・総発券枚数は59,553枚もあったそうですが、入場者数は53,301人と6千人ものノーショーが発生。自分の席の回りにも空席が散見されたところを見ると、前節の負けでもはや事実上の消化試合と化してしまったからかシーチケ組のノーショーが多かったのかも。

 

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2025.09.14

【DAZN観戦記】25年第29節:G大阪 1-0 浦和 ~ 2025シーズンは終わりました

 共に見るべきものは何もなく、スコアレスドローが相応しい試合内容だったが、最終ラインが下がってミドルシュートをぶち込まれるという今季お馴染みの失点パターンを食らっているようでは敗戦もやむなしか。

《スタメン》

 浦和はルヴァン杯第2戦から出場停止のサヴィオに代えて中島がスタメン入りした他、松尾→関根、松本→グスタフソンとスタメン3枚入れ替え。

 試合前の会見で「渡邊凌磨が復帰に近づいていることは我々にとっていいニュースです」という話がありましたが、今回はホラでも妙な楽観論でもなかったようで、故障離脱が予想以上に長引いていた渡邊がついにベンチ入り。

 またルヴァン杯終盤で脳震盪の疑いで退場した柴戸も「あまり重傷ではなく、本日も練習に参加し、次の試合に向けて準備ができているということです」という試合前会見の話通りに無事ベンチ入り。

 G大阪は前節湘南戦からファンアラーノ→ウェルトン、美藤→宇佐美、安部→山下とこちらもスタメン3名入れ替え。

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《試合展開》

 G大阪は前節湘南戦で突如3バックを採用しましたが、あれは対湘南スペシャルだったようで、今回の基本フォーメーションはいつもの4-2-3-1でした。また前回対戦時はG大阪が浦和にボールを持たせることで完勝しましたが、今回は共に奇策はなく、お互いボールを持つ時間帯はそれなりにあり、しかも共にそこから何も起こせないという残念極まりない、実に低調な序盤でした。

 しかし、最初に決定機を掴んだのはG大阪。22分浦和が宇佐美を囲い込んだもののなかなかボールを奪えず、ようやく奪ったところで中島がまた宇佐美にボールを奪い返される失態があって宇佐美が右サイドからボックス内に突入してシュートを放つも、ここは角度がなくて西川セーブ。

 さらに25分長沼がゴールライン際で山下に競り負けたのを契機にヒュメットに決定機を作られてしまいましたが、ヒュメットのシュートが緩くてゴールカバーに入った石原がライン上で楽々クリア。

 終わってみればこの立て続けのピンチにこの試合のダメなところが集約されていたような気も。一つは前ハメが全然ハマらず、G大阪の選手を囲い込んでもボールを奪いきれない場面がやたら目立ったこと。サンタナがついにベンチ外になったので前ハメが空回りになることもなかろうと思っていたのですが、どうもそんな甘い話ではなかったようで・・・そして蒸し暑い中でこれが繰り返されることで浦和の選手達は続々と疲弊していったように思えました。

 試合後金子が「特に前半は、ボールを奪うプレスになっていなかったと思います。ブロックを組んで耐える時間が多かったので、そこはみんなで我慢しようという話はしていましたけど、ボールをもっと高い位置で奪ってショートカウンターを狙うなら、よりアグレッシブに、勇気を持って前から行く回数を増やしてもよかったと思います」とボヤいているところを見ると、ピッチ上でも前ハメが全然ダメだったことを実感していた模様。もうシーズンも終わろうとしているのに、何なんだろうなぁ、これ???

 そしてもう一つ残念だったのは球際での競り負けが非常に目立ったこと。特に長沼が顕著だったように感じましたが、これはスタメン固定で使い詰めだった(というか人材不足で代えるに代えられない)ことから来るものでしょう。

 給水タイムを挟んでようやく浦和がボールを握る時間帯が長くなりだしましたが、決定機らしい決定機は35分中島のロングフィードで裏抜けに成功した長沼が中へ折り返して関根→小森のシュートくらい。45+1分には中島スルーパスから関根がボックス内に突入しましたが、ここで関根はシュートを撃ち切れず。

 共に低調ながらG大阪が心持ち優勢という戦況を受け、スコルジャは珍しく早めに動いて後半頭から小森に代えて「背後のスペースを使う」という意図で松尾を投入。そしてその甲斐あってか58分アーク付近でグスタフソンの横パスを受けた関根がシュートを放つも、ここは一森が難なくキャッチ。さらに長沼→関根→中島と素早く縦パスを繋いで中島がシュートを放つも、ここも一森がセーブ。

 63分浦和は中島→渡邊、G大阪は山下→ファンアラーノ、ウエルトン→奥抜と代えましたが、効果があったのはG大阪のほう。浦和は長沼が山下にもファンアラーノにも苦戦していた上に、石原も俊足の奥抜に苦戦を強いられ、G大阪の十八番=サイド攻撃にたいして次第に脆弱さを露わにしはじめました。一方残念ながら渡邊のコンディションは実戦で使える状態ではなかったようで、ほぼ消えたまま30分を終えたような・・・

 そこで浦和は71分グスタフソン→柴戸、関根→イサクと代えて4-4-2にシフトしましたが、これまた何の効果もなく、攻撃を一人で組み立てていた感があったグスタフソンをコンディションの問題で下げざるを得なかったことで攻撃は完全に手詰まりに。

 試合後スコルジャは「2トップという形でもチャンスを作ろうとしましたが、押し込んだゾーン3での、イサークと他の選手たちの連係がまだ十分ではないかもしれません。」と反省していましたが、その言葉通り2トップは全く機能せず。というか、ルヴァン杯第2戦同様イサクの正しい使い方自体がチームに浸透していないように見受けられました。まぁ渡邊同様、イサクのコンディションもまだまだなんでしょうが。

 G大阪は75分宇佐美→鈴木、ヒュメット→ジェバリと代えて満田がトップ下へ。そして84分半田も初瀬も傷んだにも関わらず、試合を切らずにボールを繋いで1分近く浦和を自陣に押し込み続けたのが奏功したのか、満田の縦パスのこぼれ球を拾った安部のミドルシュートが炸裂してG大阪先制。守備陣の寄せが甘い(柴戸はどこにいったんや・・・)上に、西川がニアを抜かれるという今季お馴染みの光景でまた失点したのが実に辛いのなんの。

 浦和は最後まで2トップが火を噴くことはなく、強いて言えば最後の長沼のシュートが惜しかったくらいで、さしたる反撃も出来ず、そのまま試合終了。

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《総評》

 リーグ戦も残り10試合。金曜日に一足先に試合を終えていた首位京都との勝ち点差は8なので、浦和は残り試合とにかく勝ちまくって上位陣の足踏みを待つしかないという立場でした。しかし残念ながら浦和はこの試合に勝って首位との勝ち点差を5に詰めるどころか、負けて順位は川崎に抜かれて8位に転落。

 しかも負け方が悪い。前プレがハマらない、往々にして球際で競り負ける、ミドルシュートに弱い、なぜかニアをぶち抜かれるGKと今季何度も見た光景のオンパレード。

 さらに良くなかったのは「ベンチメンバーがやたら豪華になり、これで選手交代で流れを変えられる!!」と試合前どころかハーフタイムですらワクテカしていたところ、選手交代にほとんど効果はなかったこと。どうやら渡邊にもイサクにも夢を見過ぎていたようです。これが試合後何より堪えました。

 そしてもともと朧気だった「リーグ優勝」という文字はもうほとんど見えなくなってしまいました。この2週間で天皇杯、ルヴァン杯を失い、そしてリーグ優勝もほぼ消失。残り9試合を選手達はどんなモチベーションで闘うのかなぁ・・・

 この敗戦を受けて来季の体制づくりの話が進みだすと思いますが、スコルジャを代えるも地獄、続けるも地獄、そして補強はいつもままならない上に、連れてきた選手は往々にして監督に合わない地獄は変わらんのでしょうなぁ・・・それが浦和・・・

 まぁ昨年の極めて奇妙なタイミングでのスコルジャ再招聘は結果的に大凶だったのは今や明々白々ですが、だからといっていつまでも「ヘグモ、ヘグモ」と死んだ子の年を数えても仕方あるまい・・・そして何度でも同じ過ちを繰り返すんだよ、だって浦和だもの(みつを)。個人的にはスコルジャを代えたところで、さらに残念な監督を連れてくるだけに終わるのが浦和なのでスコルジャ続投やむなし派ですが・・・

 そしてそんなチームを応援しつづけるのが赤者。阪神が優勝するのが当たり前なチームになってしまった今となっては「やたら人気はあるけど全然強くなくて、とにかく魂の修業の場になる」というポジションは浦和が独占しているのかなぁ・・・

 なおG大阪がホーム吹田で浦和に勝ったのは2016シーズン以来とのこと。おまけに今季は対浦和でダブル達成。今や明らかに格上の柏はともかく、たいして強くないG大阪にダブルを食らうととにかくダメージ甚大。

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《選手評等》

・この試合のモハメド アハメド主審は「審判交流プログラム」で招聘されたカタールの方。外国人主審だと往々にしてJリーグの残念なVARはダンマリしがちですが、、この試合で2度あったPK臭い場面でちゃんと飯田VARとコンタクトを取っていました(それどころか誰も気づかないハンド=PKすらVARと交信)から、判定結果が「PKなし」でもワシ的には許容範囲内。浦和はあれだけコケまくっていたら、そりゃなかなかPK取ってもらえないでしょうなぁ・・・イエローは全て妥当でしたし、Jリーグが誇る残念な主審よりさらに下手とは全く思えず。

・ルヴァン杯敗退の直接の原因となった西川。でも試合前会見でスコルジャは「周作は素晴らしい性格を持った素晴らしいGKであり、経験豊富ですので、今シーズンの最後まで彼がチームのストロングポイントになると私は思っています」と全力で擁護し、この試合もスタメン継続。でもほぼ消化試合になった残り9試合でも西川を起用するのかなぁ・・・

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-----小森-----
関根---中島---金子
---グスタフ--安居---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(交代)
HT 小森→松尾
63分 中島→渡邊
71分 グスタフソン→柴戸
71分 関根→イサク
82分 金子→大久保

-----ヒュメット-----
ウエルトンー--宇佐美--山下
---満田--安部---
初瀬-福岡--中谷-半田
-----一森-----

(得点)
85分 安部

(交代)
63分 山下→アラーノ
63分 ウェルトン→奥抜
75分 宇佐美→鈴木
75分 ヒュメット→ジェバリ
88分 初瀬→黒川

※写真は試合とは全く関係ありません。

 

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2025.09.08

【SPOOX観戦記】25年ル杯準々決勝第2戦:川崎 3-2(計4-3) 浦和 ~ 自爆ボタン連打で敗戦

 川崎が強くて負けたのではなく、大ベテランの二度のミスが引き金となって負けたというのが腹立たしいのなんの。

《スタメン》

 浦和は第1戦から長沼・マリウス・松本以外のスタメン8名を入れ替え。

 第1戦はリーグ戦新潟戦から中二日であり、かつそもそも「スタメン固定」が災いしてレギュラー組が著しく消耗しているので大胆なターンオーバーを施し、第2戦は「いつものスタメン」に戻して勝負に出るのはルヴァン杯に臨む前からのスコルジャの算段通りでしょう。少なくとも第2戦を普段のベンチ組や浦和に復帰したばかりの藤原のテストの場にする気はさらさら無かったようです。

 なお第1戦でマルシーニョと交錯して傷んで前半途中で交代を余儀なくされただマリウスが何事もなかったかのようにスタメン復帰したのが朗報だった一方、グスタフソンはなぜか第1戦に続いてベンチ外。試合後の監督会見によれば「メディカル的な理由から」で欠場とのこと。

 また待望の新戦力CFイサクがベンチ入りしたためか、サンタナはあっさりベンチ外に。

 一方川崎は神田→エリソン、宮城→伊藤、ジェジエウ→ファンウェルメスケルケン、橘田→山本とスタメン4名入れ替え。

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《試合展開》

 第1戦とは対照的に川崎の前プレはきつくて、浦和はグスタフソン不在が祟ってビルドアップに苦労してロングボール攻撃に活路を見出すだけ。だが浦和の前プレもそれなりに効いているのか川崎もロングボールを多用しがちで、どちらも何事も起こせそうにないまま序盤は徒過。

 しかし15分西川の横パスがずれたのが祟って、ボザがボックス内まで突入してプレスをかけに来た脇坂を交わしきれずにPK献上。18分エリソンがPKを決めて川崎先制。

 これでゲームの流れは一気に川崎に傾き、20分エリソンが右サイドで長沼に競り勝ってそのままシュートまで持って行くもわずかに外。浦和は全く何もできず、33分安居ロングスローをあっさり弾き返され、そこからマルシーニョ単騎によるロングカウンターを食らうコントみたいな一幕も。

 ただなんだかんだと川崎の前プレ強度が落ちてきたためか、その直後くらいから浦和がボールを支配して川崎を自陣に押し込む時間帯が増え始め、45+4分にはサヴィオ浮き玉縦パス→ボックス内で松尾ヘッドの良い形も。

 そこで浦和は後半頭からサヴィオ→中島、松本→柴戸といきなり2枚替え。サヴィオを早めに下げたのは試合後会見では「少し体調不良があった」とのこと。そしてこの交代は結構効いて川崎を自陣に押し込み続けましたが、55分中島ミドルが惜しかったくらいで、攻めきれずに川崎DF陣に簡単に弾き返されてしまう、可能性が感じられないハイクロスで終わってしまう場面が目立ちました。

 川崎は58分マルシーニョに代えて宮城を投入したのに対し、浦和は依然攻めれずに60分にはカウンターからエリソンの一発を食らいかかってヒヤリ。さらに71分好位置からの脇坂FKがポスト直撃と川崎が再び試合のペースを掴みかかったように見えたところで、浦和は72分松尾→イサク、長沼→荻原と2枚替え。

 そしてその直後の74分金子の左足でのクロスをファーでイサクがCBウレモヴィッチの前に長い足を伸ばして押し込み、ファーストタッチでいきなりゴール!!

 小森&イサクの2トップはかなり効く!!と思ったのですが、80分になぜか小森に代えて関根を投入し、4-2-3-1へ逆戻り。試合後会見によると「2トップはできるだけ長くやろうと思っていましたが、前半から素晴らしい闘いを見せてくれていた(小森)飛絢の疲労が見え始めていました」とのこと。しかもこの交代からどういうわけかシンプルにイサクにクロスを入れる回数がトンと減ってしまい、なぜかイサクの使い方に迷ったような流れになる始末。

 しかも悪いことに83分後半途中投入の大関と柴戸が競り合った際に柴戸が傷み、柴戸はその後プレーを続けましたが、やはり無理があったのか88分寄せ切れずにバイタルエリアから伊藤に豪快な一発を食らってしまいました。この場面試合後会見では柴戸だけでなく、安居も少し体力的に問題を抱えるようになってしまったとのこと。

 この一発で万事休すと思われましたが、90分中島が直接FKを決めて試合は延長戦へ。

 延長に入って柴戸は脳震盪の疑いで代えざるを得なくなりましたが、代わって投入されたのはなんと大久保で関根がCHへ。この交代はやはり無理があって、93分大関のボックス内突入から決定機を作られてしまいましたが、幸いにもシュートはバーの上。

 しかし94分西川が相手の前プレを交わしきれずにボールを失ったことを契機に、関根がボックス内で伊藤の足を掃った格好になってPK。96分宮城がPKを決めて再び川崎リード。

 浦和は100分金子に代えて早川を投入。延長後半は早々とボザを最前線へ上げてパワープレーを仕掛け、次々と守備的な選手を入れて5-4-1で守る川崎相手に116分右サイドから関根クロス→ファーで荻原ヘッドで折り返して大久保ボレーシュート、120分中島ボックス右隅からふんわりクロス→ファーで関根ヘッドと一応見せ場は作りましたが、さすがにこの日3度目の同点ゴールは生まれずに試合終了。

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《総評》

 ほぼ「いつものスタメン」で始まったにも関わらず、後半「代えれば代えるほど悪くなる」という今季お決まりのコースには嵌らずに2度同点に追いついて延長戦にもつれこませたのですから内容はそんなに悪くはなく、むしろ残り少ないリーグ戦に向けて好材料が結構あったと評価しても良いくらい。

 しかしカップ戦なので内容が良かろうが悪かろうが負けたら終わり。しかも相手が強くてどうにもならなかった、相手が一枚も二枚も上手だったという負けではなく、大ベテランのミスが引き金となって負けたというのが腹立たしいのなんの。

 試合後会見で「シンプルなミス」「ひどいミス」とスコルジャには珍しく敗因を選手になすりつけるような言い回しを連発していますから、西川のミスには相当怒っているのでしょうなぁ・・・しかも最初のPKはボザもやや軽率な気がしますが、2度目のPKはほぼ西川の責任。

 西川はビルドアップに難があり、また守備範囲の狭さも再三指摘されながらもロングフィードの精度や時折見せるスーパーセーブを評価されて長年浦和の正GKであり続けましたが、とうとう西川を使うデメリットのほうが大きくなってきたような気がしてなりません。

 試合後会見のニュアンスからすれば次の試合からGKは牲川に代わってもなんら不思議はありませんが、スコルジャが依然西川を使い続けるのなら牲川へのスコルジャの評価は非常に低く、正GK交代は来季加入の佐藤(筑波大在学中)まで先送りされることになるのでしょう。

 西川の残念さ以外に敗因を求めるとすれば、やはりレギュラー組の疲弊でしょう。グスタフソンはそもそもベンチにも入れられず、サヴィオは前半限りで諦めざるを得なくなり、小森や安居の疲労も顕著だった様子。ゆえに2戦目はフレッシュなはずの「いつものスタメン」で臨んだにも関わらず、前半はスコルジャの期待にはほど遠い内容になってしまいました。

 この試合の最大の「良かった探し」は中島が第1戦を含めてついに本領を発揮し始めたこと。練習に部分合流したと報じられた渡邊がなかなか戻ってこないのが気がかりですが、中島の活躍により渡邊不在を感じずに済むようになりました。

 また柴戸の復調も収穫でしょう。試合後会見だと「柴戸海は本日45分から最長で60分くらいだという想定のもと、後半の大事な時間で起用しようとしました」とのことで、これまで代えが効かずに使い詰めで既に疲労困憊の安居の替え駒として柴戸が活躍してくれることでしょう。それだけにこの試合は脳震盪で交代を余儀なくされたのは残念でした。

 さらに新加入のCFイサクがいきなり点を取ったのも収穫。もっとも来たばかりでコンディションは万全には程遠いでしょうし、それ以前に他の選手がイサクの正しい使い方に慣れてなかったような・・・結局高精度のクロスは金子のだけだったからなぁ・・・荻原のワロスには頭を抱えました。

 天皇杯も負け、ルヴァン杯も負けて浦和の今季残り試合はとうとうリーグ戦10試合だけに。4年ぶりに浦和に戻ってきた藤原をテストする機会が潰えたと思われるのが残念でなりません。

《選手評等》

・ルヴァン杯にアウェーゴール制があった時代なら浦和が勝ち抜けでしたが、残念ながら2023年大会からアウェーゴール制は廃止されたので延長戦に突入しての敗戦。2006年ルヴァン杯にアウェーゴール制が導入され、最初にアウェーゴール制が適用されて敗退したのが浦和で、その時の相手も川崎だったというのがいやはやなんとも・・・もっとも今回は「アウェーゴール制廃止」が初めて適用された訳ではありませんが。

・脳震盪で柴戸の交代を余儀なくされた際、代わって投入されたのは早川ではなく大久保で、関根をCHにした件については案の定試合後記者に突っ込まれていました。スコルジャは「タカの経験を考慮してのことでした。難しい試合でしたので、隼平にとって少し難しい部分があるのかなと思ってのことです。そして決定的な時間帯でしたが、隼平よりタカのほうが、ゲーム勘があると判断しました。」と答えていましたが、関根はCHとしても経験なんて無いも同然じゃないかなぁ・・・そして最後に投入された早川が後方からのボール配球役としてそれなりに仕事をしていたのを見ると、この交代も敗因の一つに上げられても仕方ないかと。

・松本を前に出して4-1-4-1気味にするのが松本の正しい使い方と思いますが、そのアンカーが出来るのが柴戸だけなんでしょうなぁ。松本を安居やグスタフソンと組み合わせて2CHの一角で使うのはめっちゃ気の毒。そしていつも真っ先に代えられる。

・民放のバラエティー番組でしか通用しそうにない鄭大世のテキトーな解説としゃべりすぎる上に薄っぺらいフレーズを連発する実況にはホトホト参りました。しかも120分も!!


-----小森-----
松尾---サヴィオ---金子
---安居--松本---
長沼-マリウス--ボザ-石原
-----西川-----

(得点)
74分 イサーク
90分 中島

(交代)
HT サヴィオ→中島
HT 松本→柴戸
72分 松尾→イサーク(小森&イサク2トップの4-4-2へ)
72分 長沼→荻原
80分 小森→関根(関根左SH、中島トップ下の4-2-3-1へ)
延長前 柴戸→大久保(大久保左SH、関根CHへ)
100分 金子→早川(早川CHへ、関根右SHへ)

-----エリソン-----
マルシ-ニョ--脇坂---宮城
---山本--河原---
三浦-佐々木-ウレモヴ-ファン
-----山口-----

(得点)
18分 エリソン(PK)
88分 伊藤
96分 宮城(PK)

(交代)
58分 マルシーニョ→宮城
75分 エリソン→ロマニッチ
75分 脇坂→大関
85分 河原→橘田
延長後 伊藤→田邉
107分 宮城→神橋
119分 大関→小林

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2025.09.05

原口元気選手のチーム離脱

 本日(9/5)、原口元気選手が海外クラブへの移籍を前提とした手続きと準備のためチームを離脱することが公式発表されました。

 9/5未明の機関紙スポニチによると「ベルギー2部ベールスホットに移籍」するとのこと。なお現地メディア「voetbalkrant」によると、サウジアラビア系のユナイテッド・ワールド社が保有する現在のベールスホットについて日本人投資家が買収に動いているとの話があるようですが、原口の移籍がそれと関係があるのかどうかは判りません。

Haraguchi9

 原口は昨年5月にドイツ1部シュツットガルトを契約満了で退団して無所属になり、昨年9月に10年ぶりに浦和に復帰。

 浦和在籍時の原口は典型的なサイドアタッカーでしたが、10年にも及ぶドイツ各クラブで揉まれに揉まれるうちに豊富な運動量、中盤の汗かき屋として評価を高め、しかも監督の求めに応じてSHやらCHやらSBやら色んなポジションをこなす選手になりました。

 そのせいもあってか、浦和復帰直後の原口は伊藤が突然海外へトンズラし、さらにグスタフソンがちょろちょろ離脱するため手薄になっていたCHで起用される試合が続きました。しかし、長らく試合から遠ざかっていたのが災いしてコンディションが不十分だったためかこれといった活躍は出来ず、スコルジャは第32節神戸戦から3試合連続でスタメン起用した後、いったん原口に見切りをつける格好に。

 そして今年の原口は背番号を9に変え、もともと本職だったSHでの起用を熱望して再起を図りました。しかし、残念ながら原口のドリブルの切れ味は全盛期には程遠く、かといって自分が囮になって周りを活かすようなベテランらしい仕事が出来るわけでもなく、若き日の原口を知る者を失望させる日々が続きました。今季のスタメン起用はわずか2試合で出番は専ら終盤の短時間投入でしたが、毎度毎度特に何かをやる訳でもなく、相手から見れば「原口が出来てきたら勝ち」と思われるような有様だったのは非常に残念でした。

 原口獲得時に本ブログで「美化されすぎた思い出と現実のギャップに悩まされる日々がしばらく続くかもしれません」と記しましたが、浦和のファン・サポーターも、そして何より原口自身もそのギャップに悩まされたまま1年を過ごしたような気がしてなりません。

 欧州で出番を得るために日々自己を鍛錬し、かつ監督のニーズに応じて自己を改造しつづけた日々が長すぎて原口のコンディションはボロボロになり、もはやJ1で通用するレベルの選手ではなくなってしまった。浦和で活躍するには帰ってくるのが遅すぎました。

 そして原口は自分が思い描いていた姿とは大きく乖離している現状に率直に向き合い、欧州で指導者になるという将来のキャリアをも含みに入れて再度渡欧を決断したようです。通り一遍の挨拶ではなく、かなりの長文で今の心境を縷々語ってくれた上での別れとなると、さすがに寂しさが募ります。

 ありがとう原口、そして出来ればまた浦和で会いましょう!!!

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